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サウナな人々 ‐ ヴァンターの森へ Kuusijärvi

フィンランドと言えば、森と湖の国。そして、そこにサウナ小屋が建つ。これは必然ではないだろうか。サウナの後に、身体を冷やせる湖がそこにあるのだから。

ヘルシンキからバスで一本で行ける、森と湖のほとりに建つサウナ、クーシャルヴィ。全くの余談だがこのクーシャルヴィの発音が、全く通じなかった。

中央駅の横のバス停から出発。バスは、2019年4月現在は、731N, 738K, 739番のものがクーシャルヴィへ行く。


バスは降りるところがよく分からないので乗るのを避けていたが、運転手さんに言えば降りる場所を教えてくれるということなので、ためらいながらもチャレンジすることにした。

バスはハカニエミを過ぎてどんどん森の中へ進んでいく。白樺が茂ってきて、森の中の道を走っていく。と、突然バスドライバーが途中のバス停で違う人に交替した。交替とともに私のことも引き継ぎしてくれただろうか。

新ドライバーの運転のもと、バスはどんどん進む。モバイルWIFI代をケチったため、今一体どこらへんにいるのか検討もつかない。

だんだん焦ってきた。中央駅を出発してから30分は経った。そろそろだろうか。全く分からん。こんな森の中で間違った場所に降りてしまったら、もうどうしようもない。慌てた私は、隣に座っていた中学生くらいの男の子にお願いしてGoogleマップで調べて貰い、無事にたどりついた。少年よ、有難う。ダメなアラフォーでごめん。

交替した後のバスドライバーさんは、結局降りるバス停を教えてくれなかったからこれは英断だったと言える。危なかった。

受付でリストバンドをつけてもらい、湖のほとりへ。

(スモークサウナ小 2つ)

(スモークサウナ大 1つ)

スモークサウナ大に更衣室があるということなので、いそいそと一番奥にあるサウナ小屋に向かう。水着に着替えて、シャワーを浴びて、ビーサンをはいて、いざスモークサウナへ。

スモークサウナとは一体どんなものなのか。Visit Finlandに下記の様に記載されている。文字通り、煙で温めたサウナだ。

スモークサウナは伝統的で、煙突のない昔ながらのフィンランド式サウナです。サウナに煙が充満するまで、大きなストーブで薪を燃やし何時間もかけてサウナを暖めます。サウナが十分に暖まったら、煙を外に出します。

中に入ると真っ暗で暗順応するまで、よく見えない。見えない目で、よく見ると人がみっしりと座っているように思えた。

「ここ、いっぱい?座る所ある?」と聞くと「こっち空いてるわよ」とお母さんが呼んでくれた。

転ばないように階段を登り、お隣に座る。沈黙のサウナ小屋。雰囲気壊しちゃったかな…と思いながら煙の匂いを堪能しながら、サウナの熱さを感じる。本当はサウナ小屋の外に木の板がおいてあり、サウナシートならぬ、サウナ板を敷いて座るのがいいみたいだ。何せ室内は熱々になっており、壁もベンチも全てが熱い。

「お水足していいかな?」

一人が言う。皆がうなずいた感じがする。では、という感じでおじさんが、サウナストーブまで下りて、水をサウナストーンにかける。じゅわーという音とともに温度が一気に熱くなる。これは熱い。そんなに色々なサウナに入った経験はないが、今まで入ったサウナの中で断トツの熱さだ。

そして、水をサウナストーンにかけるだけではなく、サウナストーンの上にある、持つところがない金属でできた鍋にも水を入れた。これはえぐい。サウナストーンに水をかければ、すぐに蒸気になって室内に熱さが広がるが、少し経てば温度は落ち着いてくる。しかし鍋にいれて水がぐつぐつとなっている場合、蒸気は出続け、常にサウナストーンに水をかけた時の状態が水がなくなるまで続く。蒸気の熱さと熱さの持続が半端ない。

フィンランドのつわもの達もこれには、「ぐううう」と言っている。隣に呼んでくれたお母さんも、顔を両手で覆いながら「おう、おおう」と苦しそうだ。耐えきれなくなり、お母さんと娘さん、旦那さんとついでに私も外に出る。

スモークサウナ(大)の前の湖に転ばないようにゆっくりと入る。膝くらいの深さの所まで入り、しゃがむ。3人家族は、胸までつかる所まで進む。


至高。


言葉はいらない。


湖の中で、ぼけーっと湖面と回りの木々を眺めていると、その様子をお母さんが「そんな風に湖に入っているとフィンランド人みたいね。観光客は、さっと入って、冷たいって言ってすぐ出ちゃうから。」と言ってくれた。

お母さんは、湖に首までつかっているが両手は水につけず、両指を合わせて三角形を作っている。何かの健康法だろうか。娘さんも両手は水につけず、バンザイをしているような格好で入っている。

そういえば私の母も、水風呂に入る時には手は水につけない。バンザイをして水風呂に肩までつかっている。その様子をちょっと思い出して笑ってしまった。国も人種も全く違うのに、サウナ後の水風呂(湖)の入り方に共通があるなんて、不思議だ。

何度かサウナ⇔湖を繰り返し、お母さんが「小さい方のサウナもいいから、体験してみるといいわ」とおススメしてくれたので、スモークサウナ(小)へ向かう。

小さいサウナは、6人も入れば結構な密度になる。入ってみると、高校生くらいの女子が5人くらいで楽しくおしゃべりしている。一つ席が空いていたので座る。こっちのサウナは明るい。しかし熱さは変わらない。

可愛い女子が集団で出ていくと、入れ替わりに静かなおじさんが入ってきた。水着姿に、不似合いな手袋をしている。挨拶をしたが、「うむ」とうなづいて何かフィンランド語でごにょごにょ言った。寡黙なおじさんは、おもむろにサウナストーンに水をかける準備を始めた。多分、さっきは「サウナストーンに水かけるね」と言ったのだろう。手袋をした手で、繊細な感じで水をかける。そして、例の鍋にも水をたっぷりと入れる。えぐい蒸気が一気に充満する。やけどするんじゃないかと思うほどの熱い蒸気。小さい小屋の方が熱さが伝わる速度が速い。

たまらず、外に出る。スモークサウナ(小)から湖は遠い。坂を下りて、湖に入る。


至高。


こちらの湖の方は、少しプールっぽくなっており、泳いでいる人がいた。野趣あふれるスモークサウナ(大)の前の湖もよかったが、こちらもよい。

のんびりとしているとさっきの親子3人のお母さんが帰る所に出会った。お礼とまた来るねといって、お別れした。

これまで行ったサウナとは全く違う経験だった。この気持ちのよさ、ゆっくりできる感は、ちょっと味わったことがない。

サウナでの沢山の出会いは、何事にも代えられない時間だ。後日、友達がクーシャルヴィを訪れた時の話も、とても興味深かった。その日その時間にたまたまサウナで出会った人たちと素敵な時間を過ごすこと、これこそフィンランドでのサウナの醍醐味であると私は思う。

ほぼ裸で人と人が話をして、気持ちよい時間を過ごして、また自分の生活に戻っていく。サウナを通して、人が交差していく。その奇跡の様な出会いの一瞬も大事にして生きていきたいと思う。

帰りのバス停。周りの森は歩けるようになっていて、走ったり歩いたりした人が意外とたくさんいた。まだ雪も残っていた。鳥のさえずりもすごかった。

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1.森と湖とサウナで THE フィンランドという体験ができる

2.ヘルシンキからとヘルシンキへのバスがだいたい一時間に一本。

3.週末は混むらしい

4.   最近は日本の番組で取り上げられたらしく、日本人観光客が結構いるらしい。ちょっぴり残念な気もするけど困った時には少し安心かも。

5. 更衣室にシャワーはあるが、ドライヤーがない。持参するか、宿泊先に戻ってから髪を乾かす等したほうがいい。

6. 身体がスモークサーモンの様な匂いになるので、苦手な人は電気サウナがいいかも。

時間に余裕があり、アウトドアが好きでスモークサウナを森と湖の環境で体験したい旅行者におススメです。冬には、AVANTOができるそうですよ!(凍った湖に穴をあけて、極寒の湖に入ること)

ここまで読んでくださり、有難うございます。


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キートス!
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こんにちは。 旅とフラと経理についてエッセイの様なものを書いています。宜しくお願いします。 旅の覚書は、「はてな」で書いてます。 http://cagedsheep.hatenablog.com/
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