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肝心なところで適当なんだから



と、とある人に言われた。

事の発端は、今年初めて挑戦した梅干し作りだった。

形から入るタイプの人間なので、梅は紀州産の2kgで4000円するものを使用。

お塩も少しこだわってみた。


梅2kgを買ったが、全部を梅干しに使うのではなく、半分近くは毎年作っている梅ジュース用に、その残りを梅干し用に。

つまりどちらかというと、おまけ的な存在である。

ただおまけといっても、それ用に容器を買ったり、ちゃんと投資はしている。


いざ、梅干しを作ろう。レシピをもう一度ネットで開くと、梅に対して塩は18%と書いてあった。

残った、この梅干し用の梅は果たして何kgあるのか。

ここで私の適当さ加減が、発動する。

ざっくり計算しようと思ったが、それさえも面倒臭くなり、完全に目分量。

目分量とは、慣れている、だいたいこんな感じがわかる人が使っていいワザだ。

梅干し初心者の私が使ってはいけないワザ。それを一番大事な工程で繰り出したのだ。


そのワザは、梅は半分を梅ジュース用にして、残り半分ってことは1kg。傷んだ梅を除いたから800gくらい?

塩は、2kgで、とりあえず半分入れたら1kgだから、このくらい?

梅が埋まればいいか。くらいの感覚で。

この時、梅に対して1.8%は完璧に忘れている。


なんとかして形になった梅を、しばらく置くといい感じに。

梅雨がまったく明けず、つけておく時間が長くなってしまったが、カビも生えず、無事に生き延びてくれた。

いざ干そうとなった時に、またもや適当炸裂。

普通は竹ザルなどを使用して天日干しするが、竹ザルなどおしゃれなものは持っていないし、買いに行くのが面倒。

今晴れたから、今干したいし。買いに行ってた日が陰るかもしれない。

そこで、画像にもあるオーブンのトレイを代用して天日干しに。

トレイに水分が溜まるかもと思い、クッキングシートも敷いた。

思ったよりいい感じに。

嬉しくなって、意外と上手にできたと、ある人に連絡。


すると、「オーブンで焼いたの?」


そうですよね。そう見えますよね。

竹ザルがなくて〜や、今晴れたから〜の一連の流れを説明したら、


「肝心なところで適当なんだから」と。

適当でも上手にできていたら、結果オーライじゃないのかな。

外に干している梅をたまに見に行くのが楽しかった。

絶対にないけど、カラスに食べられちゃうかもだから、干した数を数えておこうとか、美味しくできますようにとか、頭の中で考えていたり。


と思いきや、ここにきて適当の代償が。

1日干した梅干しが、可愛いくて、とても美味しそうに見えたから。

カラスにも食べられなかったから、一つ味見してみることに。

どんな味なんだろう。


とっても塩辛い。


思い出した、あのワザを使った1ヶ月前のことを。

計るのも計算するのも面倒だった、梅干し作り初心者の私が使ったワザを。

ハリー・ポッターが魔法をうまく使えない時期に、魔法が暴走するように

私のワザも暴走してしまったのか。


「肝心なところで適当なんだから」

肝になる部分は押さえて、他は適当。

それができる人は本当にすごい。

今回の私は、紀州産の梅が肝で、他はその他だった。

違う、塩加減が肝だ。「塩梅」


あと数日外に干すが、無事に美味しく出来上がるのを願うばかり。

でもまん丸で、少しずつ梅干しになっていく梅たちを見ていると、何だか愛おしくなる。

適当でごめんね。でも美味しくなってね。

来年は「塩梅」を学ぶね。



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