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僕の7回転んで8回起き上がる人生の話

「なんでブライダルを選んだんですか?」
内定先の懇親会で先輩社員にそう聞かれて「結婚式へ参列した経験があって、、、」と同期が話す中で、僕は「幸せの輪を広げていきたいからです」と答えた。


うつ病になるずっと前から、この苦しい世の中でなぜ生きなければいけないのか、ずっと疑問に感じていた。生きたくないと思いながら、死ぬのはずっと怖くて、ただ「自分が存在しない世界」を夢描くことしかできない。
自分が生まれなかった世界。誰も自分を知らない世界。そんな世界があればいいなだなんて、存在しない世界を思い描いていた。

空想に浸る日々の中で「なぜ生きるのか」を何百と繰り返し考えて、出した答えは「人のために」生きる道だった。
自分が死んだら家族は悲しむし、他人だって人の悲報を知れば悲しい気分になる。悲しませないために生きること、それは人のために生きるという事だ。そして、生きなければいけないのならば、せめて人のためにできることをしたいと思った。

そこからの人生は転んで、立ち上がってを繰り返す日々だった。

カウンセラーになるために大学へ進学し、アルバイトとサークルの忙しない日々が続く。生きることへの問いを続ける中で道に迷い、大学2年生の春に治療すべきレベルのうつ病だと診断された。

次第に「こんなに不完全な自分がカウンセラーになったところで、人を惑わすだけではないのか」と感じるようになり、カウンセラーを目指すことは辞め、アルバイトも辞めた。

ここで転機が訪れる。全てを一度投げ出したことで、少しうつ病が落ち着いた頃に自分を好きだという人が現れた。「この人を幸せにすることが、自分の生きる意味なのだ」とこの時にやっと生きる目的を見つけた気がした。
恋人ができてからは不思議なもので、根拠もなく物事がうまく進むような気がして、本当にうまく進むようになっていった。
サークルでは幹部の責任者を務めたり、アルバイトでは信頼されて仕事を任されたり、大学の教授から学生相談員の協力を頼まれたりと、気づけば周りには信頼してくれる人、信頼のできる人が集まっていた。

たくさん失敗して、一度は全て投げ出したのに、まだ「人のために」生きることができる。
いつになっても生きることは苦行だけれど、人生案外捨てたもんじゃないなってこのときにやっと思えるようになった。

そこからは、ずっと変わらなかった「人のために」という心の軸がさらに強く丈夫になり、将来は「人に喜ばれる仕事」に就くと心づもりが決まった。


「なんでブライダルを選んだんですか?」ブライダルを選ぶことはそんなに不思議なことなのか、みんな口を揃えてこれを聞く。

それで僕はいつもこう答える。
「幸せの輪を広げていきたいから」

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