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香ばしい人間観察vol.5ハイスペ不倫女

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好きなタイプは尊敬できる人♡「どうせ数年で寿退社するし」と思っていたので適当な会社に適当に入社して適当に腰掛けOLをしていた。仕事は卒なくこなしているが完全に惰性で続けていて情熱はない。人生で二回だけ安達祐実に似ていると言われたことがあるが低身長タヌキ顔という特徴以外に類似点はない。親しみやすい体型と親しみやすい顔面で親しみやすい雰囲気を醸し出しているため「ヤレそう」と思った男性から声をかけられることが多い。飲み会や合コンに美人を連れていくと全部持って行かれブスを連れていくと詰められる幹事からしてみると、自分に脅威を与えるほどではないが適度に男受けする絶妙な顔面偏差値なため丁度良い人材として重宝されている。そのようなポジションで様々な会に呼ばれるのでハイスペとの出会いが多くなり自分も彼らと同じ世界の住人であるかのような錯覚をしていく。道を歩いていると必ずナンパされるし、飲み会では絶対チヤホヤされるし、合コンでも毎回「二人で抜けよう?」と言われるので自分はそこそこ美人で結構モテると思い込んでいる。男は手っ取り早くセックスをしたいがためにチヤホヤしているだけなのに、私に魅力があるからチヤホヤしてくるのだと壮大な勘違いをしている。アルコールを投与され「可愛いね」「本当にタイプ」「もっと一緒にいたい」「つきあいたい(突き合いたい)」など下心をオブラートに包んだ言葉攻めをされると目がトロンとなって次第に下半身も緩んでいき出会ったその日に突き合ってしまう。(※ただしハイスペに限る)自分はそこそこ美人だという自負があるので「ちゃんと付き合ってからじゃないとヤらない!」的なブス特有の戯言は言わないらしい。しかしベッドの上で言われた「好きだよ」という言葉を鵜呑みにして一度やっただけなのに付き合ったと思い込んでしまうあたりに絶妙なブスみが出ている。意志も信念もプライドもなく好きな男に口答えする勇気もなく全てを受け入れてしまうので「ドMだね」と言われることが多い。呼べばすぐに来てくれるし、フェラを丁寧にしてくれるし、生でやらせてくれるし、顔射しても文句を言わないのでセフレとして大変重宝されている。ハイスペとセックスする度にハイスペに選ばれる私はイイ女なのだという認知の歪みを起こしてしまっているが「イイ女!イイ女!ホントは都合のイイ女!」というコールをご存知ないのだろうか。都合の良い女でしかないのに彼女面してくることを鬱陶しく思ったハイスペが察して欲しくてピロートーク中にパートナーの話を出すと、その時にやっと自分が浮気相手だという事実に気付くが重い女だと思われたくないので涼しげな顔でやり過ごす。一緒にいて疲れない手頃な顔面をしているし余計なことを一切言ってこないので「一緒にいると癒される」と言われることが多い。実際は都合良く利用され消費されているだけなのに気付いておらず「妻とはうまくいっていない」「セックスレスなんだ」「君とのセックスが一番気持ち良い」「妻より君が好き」などのあるあるサービストークを額面通りに受け取って悦に浸る。美人で高学歴でステータスもあってスペックでは何一つ叶わない本妻に今この瞬間は勝っているという事実が認知の歪みを加速させる。仕事が忙しいらしいハイスペはディナーに誘ってくれることはないが仕事終わりに週に”何度も”家に駆けつけてくれるので結構愛されているという実感を持ってしまっている。実際は飲み会で誰も持ち帰ることが出来なかったとか、美人にドタキャンされたとか、何かしら消化不調を起こしてムラムラしてしまった時に一発やってスッキリしたいがために凸られているだけなのに、そんな真実に気付いている素振りは一切見せずにジェラピケ姿で出迎えて「こんなに遅くまでお仕事お疲れ様♡」と言って甲斐甲斐しく慰安フェラをしてくれるので「これくらいバカの方が一緒にいて楽だな」と血迷ったハイスペが「君と結婚すれば良かったなぁ」などと不意に吐いた言葉を真に受けてエモを拗らせる。「家いる?」「今から行く」等の雑な誘いからの急な来訪にも即座に対応できるように毎晩自宅でスタンバッている。禁断の恋なので平日はお家で密会しかできないけどたまに旅行に連れてってもらえるあたりやっぱり私って特別な女♡と都合の良い解釈をしているが、実際は出張先に召喚された専属デリヘルでしかない。会食後の飲み会に呼び出され仕事関係者に紹介されたことで自分は影の女ではないのだと自尊心が高ぶるが、実際は現地キャバクラの顔面偏差値が低いために代替えで呼ばれた無料コンパニオンでしかない。正攻法では絶対に手の届かないレベルのハイスペと不倫(セフレ)という歪んだ方法で密になれてしまったことで完全に認知が歪み、そこら辺の男には全く発情できなくなってしまった。ズルズルと関係を続けていくうちに三十路を越えてしまい隠し撮りした寝顔写真を見つめながら夜な夜なメンヘラを発病。傷付きたくないから平気なフリをして強がっていたけどやっぱりもう限界。「もう終わりにしよう」と告げるも「別れたくない」と言われて秒で股を開いてしまう。本気で終わらせたいなら会わずにLINEをブロックすれば良いだけなのにわざわざ会って別れを告げるのは「好きだよ」「離れたくない」などの甘い言葉を期待しているから。男は都合良くヤレる相手を失いたくないだけなのに私のことがこんなに好きなんだと都合良く解釈し、そんなに好きなら…もしかしたら奥さんと別れて私と再婚してくれるかも…とあらぬ方向に思考が歪み始める。「不倫なんてやめなよ!」と心配してくれていたマトモな友人たちは全員20代のうちに結婚していき30歳を越えてもなお不倫をし続けていることに嫌悪感を抱かれ縁を切られる。周りに残っているのは負のオーラが漂う不倫肯定派のヤバい独身女ばかり。「奪っちゃいなよ!」「子供産んで認知してもらいなよ!」と煽られまくり高まりまくったところで「ごめん、妻にバレたからもう会えない」と突然切り捨てられる。周りのヤバい女に泣きながら相談すると「都合良く利用された挙句ポイ捨てされて悔しくないの?」「そんな最悪な思い出全部売って換金しちゃいなよ」と唆され週刊誌の記者を紹介される。本妻が知らぬ"二人だけの素敵な思い出"の詳細を事細かに語ることで間接的にマウンティングを仕掛けるが、逆に自分がいかに惨めな人間なのかということを初めて認知してしまう。追い打ちをかけるように週刊誌に売った額の数倍以上の慰謝料を請求され路頭に迷うのだった。

※スパイスを散りばめて妄想を煮詰めたフィクションであり実在の人物は存在しません

※あえて読点も打たず改行もしていません。最後まで読んでくださった方お疲れ様でした。深呼吸してくださいね




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