写真集『世界の朝ごはん』に掲載されている朝ごはんを実際に作ってみました!
世界各地の朝ごはんはどのように作られるのか?『世界の朝ごはん 66カ国の伝統メニュー』を監修したWORLD BREAKFAST ALLDAYの吉祥寺店を訪れて、実際に世界の朝ごはんを作るワークショップに参加してみました(取材日:2024年9月11日)。
今回参加したワークショップは「トルコの朝ごはんとティータイム」。講師Keyif ケイフのエブルさんにメネメン、ムフラマ、スィミットの3品の作り方を教えてもらいました。
まずはスィミットを作ります。ゴマがたっぷりまぶされたリング状のスィミットは、朝食やおやつとしてトルコで広く親しまれているパンで、ベーカリーではもちろん、街のあちこちにスィミット売りのカートが並び、手軽に買うことができます。外はカリッと、中はもっちりとした歯ごたえのある食感で、クリームチーズやジャムを塗ったり、具材をはさんだりとさまざまな食べ方がされます。
生地を紐状にのばして二本をあわせてねじるのですが、簡単そうに見えてこれがなかなか大変な作業でした。強力粉を使用しているため生地をのばしてもすぐに戻ってしまい、なかなか思い通りに成形できません(涙)。先生の手慣れた手つきをじっと観察しながらコツを探ります。
円形にまとめたら、ペクメズ(糖蜜)等を混ぜた液につけたのちに全体にゴマをまぶし、オーブンでこんがりと全体に火が通るまで焼きます。
焼きたてほやほやのスィミット。ごまの香ばしい香りが立ち込めて、熱々のうちに食べたくなります。ちなみにスィミットを家庭で作ることはほとんどなく、ストリートフードとして、チャイを飲みながら食べることが多いそうです。
続いて作るメネメンはトルコ朝食の定番中の定番で、野菜たっぷりのスパイシーでトロトロ食感のトルコ風スクランブルエッグです。具材はトマト、玉ねぎ、甘みのある青唐辛子。好みの香辛料を加え、チーズやひき肉などを入れることもあります。調理に使うサハンと呼ばれる浅い両手鍋ごと食卓に出すのがトルコ式で、パンにつけながら食べます。
料理の合間にも、先生がトルコの文化にまつわる話を教えてくれます。メネメンはトルコでは性別関係なく誰でも作れる料理で、いつでも冷蔵庫にストックがあるそうです。玉ねぎはみじん切り派と千切り派がいて、最近は玉ねぎを入れない派も出てきたとのこと..!
全体がしんなりしたら卵を入れてかき混ぜます。ぐつぐつ煮える様子を見るのも楽しいひと時。ちなみに若い世代の方は朝ごはんとしてだけでなく、昼ごはんや夕飯にメネメンを食べることもあるようです。
最後に作るムフラマは黒海地方でよく食べられる朝ごはんで、ムフラマ専用の鍋があります。
水とチーズを加えて全体が均一になるように混ぜ、蓋をして蒸らします。バターの油が浮いてきたときが食べ頃!チーズが固まらない熱々のうちにうちにスィミットにつけて食べます。
朝ごはんのおともに欠かせないのがチャイ。トルコは紅茶の消費量が世界一で、一日に3〜4杯、多い人は7〜8杯も飲むそうです。上のやかんに茶葉、下のやかんに水を入れて作ります。トルコのチャイはスパイスやミルクは入れません。
お待ちかねの試食タイムです!スィミットは中がふわふわ、外はごまの食感が良く、ムフラマとの相性も抜群でした。メネメンはたくさんオリーブオイルを入れたにも関わらず味付けがシンプルなので思ったよりもさっぱりしています。
試食をしながら、先生がいろいろな写真とともにトルコの食文化についてお話ししてくれました。朝食を大切にするトルコでは特に休日の朝はテーブルいっぱいに並んだ料理を家族や友人たちと楽しみます。こうした品数の多いトルコの朝食は「カフヴァルト」と呼ばれ、伝統的な食文化です。
食後にはトルコの甘いおやつもいただきました。バクラヴァ(写真左)は、紙のように薄い生地、ユフカに溶かしバターを塗りながら何層にも重ね、刻んだピスタチオやくるみなどのナッツ、砂糖、スパイスを挟んで切り込みを入れて焼き上げ、たっぷりのシロップをかけた濃厚な甘さのお菓子です。ロクム(写真手前)は砂糖にコーンスターチやさまざまなナッツを加えて作る、求肥に似たもちっとした食感のお菓子で、バクラヴァと並んでトルコ菓子の代表格。英語では「ターキッシュ・ディライト(Turkish delight)」(トルコの悦び)と呼ばれます。
WORLD BREAKFAST ALLDAYではさまざまな国の料理のワークショップが開催されています。『世界の朝ごはん』を読まれた方は、ぜひワークショップにも参加して各国の文化にも触れてみてください。
(取材協力:WORLD BREAKFAST ALLDAY)
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