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境界線を越えていく #わたしとPIECES

みなさんはじめまして。PIECESプロボノのしんめんです。普段はメーカーの海外事業部門で働いています。2018年に、コミュニティユースワーカー(C for Cの前身プログラム)4期生に参加した後、今は、寄付者の方々とのイベント企画運営をサポートしています。

PIECESには、学生の時からNPOなどの団体に参加して社会課題と向き合ってきた方が沢山います。一方で私は、大学で社会学を専攻し、格差論や近代家族論に関心を持っていたものの、ボランティア経験がないまま社会人となりました。

そんな私がどのようにPIECESと出会い、今も関わり続けているのか、つらつら書いてみたいと思います。

ボランティアに感じていた壁

PIECESのことは、望月優大さんが書かれたこちらの記事で知りました。

当時のPIECESは、孤立した子供たちと関係性を紡ぐ大人たち=「伴走者」育成を理念としていました。それまでボランティア経験がなかった私は、支援を巡る関係性が「支援される側」と「支援する側」という二項対立で語られることに違和感を覚えていたので、PIECESの打ち出す「伴走」という優しい目線―子供たちと他愛のない日常を共有し続けることで、子供たちの居場所を一緒に作っていく―に惹きつけられました。

その頃、私は、社会人としての年数を重ねるほど、「社会課題と向き合う」ことにエネルギーも時間も使えなくなることに葛藤していました。
学生時代に憤りを感じていた貧困の世代的再生産や近代家族の閉鎖性について、何もアクションを起こせないまま、会社の中での自分の有用性を高めることだけに注力していくのか?
・・・ずうっと心の片隅にくすぶっていた想いが、PIECESという団体を知ったことで表面化し、説明会に参加するに至りました。

コミュニティユースワーカー(現C for C)として学んだこと

半年間のプログラムで、たくさんのことを学びました。

第一線で活動されている方々のお話を聞いたり、子どもと関わる上で知っておくべき発達心理学やコミュニケーションについての知識を学んだり、PIECESが連携している現場での実地研修をしたり、更には研修での子どもとの関わりを「リフレクション」という技法で振り返ったり。
現在のプログラムは、更にパワーアップしていると思います。)

参加者は、学生団体でバリバリ活躍している大学生から、私のような会社員まで様々でしたが、経験値の違いがあっても、理念から実践までフォローしてくれる細やかなプログラムでした。

ボランティアではなく、プロボノとしての関わりを選んだ理由

卒業生は、様々な形で、子どもの居場所づくりに関わっています。
けれど私は、プログラムでの学びを踏まえて、PIECESの組織を支える裏方としての道を選びました。

先日、PIECESの活動説明会に参加してくれた友人から、以下の質問を受けました。

プログラムで学んだことを実践の場でどのように活かしているのか?
受講後、どんな変化が起きるのか?

・・・私の場合、前者の質問については、「ボランティア」という枠組みで見ると“活かせていない”ことになります。子どもたちとの関わりを重ねる中で、私の性格や仕事とのバランスを考えると、実践者であることは難しいと判断しました。そして、会社員としての経験を多少活かすことができる、プロボノとして活動することを決めました。

では、どんな変化が起きたか?
そんなこと?という印象を持たれるかもしれませんが、私は、自分がどれだけ「会社の論理」で物事をジャッジする癖がついていたのかに気づかされました。プロセスを効率化して規模を拡大することが評価される世界。お互いを画一的で同質的な存在であるとみなすことがスマートであるとされる世界。そのような価値観に覆われていると、「子どもの孤立」という社会課題の現実を、まるごとそのまま受け取れないのでした。

人間は、自分が見たいと思うものしか見られない。
眼差しの解像度を上げるには、自分が今いる小さな日常を囲む境界線を出てみるしかない。境界線の外側で感じる気まずさ、いたたまれなさ、無力さを体感することで、ようやく、私はどうやってこの社会課題と向き合っていけるのだろう?という私なりの「実践」の入り口に立てたように思います。

最後に、PIECESのかっこいいところを紹介

一度、PIECES理事3人の経営会議にオブザーブ参加したことがあります。
そこで印象的だったのが、今後の事業計画を考える上で、何ができるか(can)ではなく、お互いのわくわくすること・こんな社会だったらいいのにという願い(want)から対話をスタートさせていたこと。

きっと3人にとっては当たり前のことだったと思うのですが、私にはとても眩しく映りました。「できるかどうか」を制約にしない。社会のありたい姿を描き、それぞれの強みを活かしながら、前へ進んでいく。まだ見ぬ未来を信じる力、個々の内側からその未来を生んでいこうとする力、に引き寄せられて、様々な方たちが集まり、PIECESのできることが増えていく。

PIECESに関わるようになってから、少しずつですが、境界線の内側と外側を行き来する筋力が発達してきた気がします。境界線は、何かと対立する為に引かれるものばかりではなくて、自分を守る為に引くものでもあるので、なくしてしまうのはまだ無理そう。
でも、いつか。境界線の代わりに、優しい間(ま)を広げられるように。自分なりの実践を重ねていきたいと思います。

しんめん


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