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【新監事紹介】構造と市民性への両サイドへのアプローチの必要性 -佐藤暁子さん #ひろがれPIECES

認定NPO法人PIECESでは、2020年に4名の新理事・監事が就任いたしました。


先日は新理事 荻原国啓さん小野田峻さんのご紹介をしました。
今回は、ことのは総合法律事務所で弁護士をしながら人権をテーマに国内、さらにはアジアにおいても活動されている佐藤さんを紹介します!

まず最初に簡単なプロフィールを紹介します。

新監事 佐藤暁子さん

佐藤さん

佐藤暁子(Sato Akiko) さん

弁護士(ことのは総合法律事務所)

上智大学法学部国際関係法学科、一橋大学法科大学院卒業後にInternational Institute of Social Studies(オランダ・ハーグ)開発学修士号(人権専攻)を取得されています。2010年に名古屋大学日本法教育研究センター在カンボジアにて日本法の非常勤講師をされた後、2017年にはバンコクにある国連開発計画(UNDP)アジア・太平洋地域事務所でビジネスと人権プロジェクトに従事。認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウのメンバーとして、カンボジアにおけるビジネスと人権に関する調査に参加しています。人権デュー・デリジェンスなど責任あるビジネスに関するアドバイスを行っておられます。

■Business Lawyers掲載記事

PIECESと佐藤さんとの出会い

私たちが佐藤さんとお会いしたのは、昨年の秋、今回理事として就任された小野田さんのご紹介でお会いしたのが初めての機会でした。当時新しい役員体制について考えていた中で、小野田さんにも相談したところ、「それならピッタリの人がいる!」と真っ先に挙がってきたのが佐藤さんでした。

実際にお会いした最初の日、おそらく1時間半くらいの時間を共にしたかと思います。たったの1時間半ではありましたが、その会を終えたとき、その場に参加していた私(斎)と代表のいぶきさんは思わず「まさにピッタリの人だ!」と声を漏らしたのを覚えています。

佐藤さんに今回務めていただく監事には、業務監査と会計監査の2つの役割が求められています。そのうち前者については、一般的には、法人の事業活動が法律や定款に則って執り行われているかをチェックすることを示します。

監事としてはもちろんそれらのことも監査いただくわけですが、今回PIECESがこのタイミングでより重視したこととして、事業活動において、また法人の組織運営において、「人権感覚」「人権意識」というのをより高い水準に持っていきたいという想いがありました。

というのも、PIECESが取組むのは大きく言えば市民社会の変容です。一人ひとりの市民が他者に対して、自分自身に対して尊厳をもって関わっていくこと。その根底には「人権感覚」や「人権意識」と言ったものが欠かせないと考えています。誰かが良かれと思って行ったこと、無意識で行ったことが、他者や自分を傷つけてしまう。子どもの周りにはそのような現象がありふれています。

だからこそ、私たちは誰よりも、そのことについて絶えず問い続け、磨き続けていかなければならない。そんなことを考えていた中で、佐藤さんとだったら「市民社会における人権感覚」をアップデートし続けることができる。そこに取組む私たちPIECESの中にも、根付かせることができる。そんな確信をもって、今回新たなPIECESの一員として加わっていただきました。

世界基準で「人権」について問い続ける佐藤さんとともに、PIECESは5年目の歩みを踏み出していきたいと思います。

佐藤さんからのコメント

PIECESの監事に就任してくださった想いや課題意識について、佐藤さんよりコメントをいただきました。


人権の専門家の視点 PIECESの取組みのユニークさ

私は「ビジネスと人権」と精神障害者の人権といったテーマで主に活動しています。
いわゆる法律家になりたいと思ったのは、途上国で働きたいといった漠然とした憧れから国際関係に進み、その縁もあって弁護士になった経緯があります。

弁護士になる前、いわゆる「途上国」の生活を肌で感じたいと思い、カンボジアに住みました。カンボジアでは、経済発展が著しく、おしゃれなカフェなどが増えていましたが、15分も都市部から離れれば、ゴミ山で生活する家族や電気や水道も十分ではないという生活状況でした。都市部での経済成長が、結局は、周囲の地域やそこに住む人にまではプラスの影響を与えていないのでは、と経済発展の意義に疑問を抱くきっかけになりました。地元の人たちの交流や地方での滞在はとても貴重な経験で、私の原動力ですし、今でもカンボジアは第2の故郷のように感じる大好きな国です。

その後、札幌で町弁として家事事件や交通事故といった民事事件や刑事事件を扱っていました。しばらくして、オランダへ留学し、その後国連でインターをして、2018年に被災ぶりに東京に戻り、それからは現在のメイントピックであるビジネスと人権と精神障害者の人権に取り組んでいます。
ビジネスと人権の文脈で言うと、企業活動は社会にプラスになることを意図するものですし、多くの起業家はもともと社会への想いがあってやっているもの。ですが、人びとや社会に負荷を与えることも往々にしてある中で、人権という視点からできるだけ予防、軽減して、救済・リカバリーできるかということがすごく大切だと考えています。人びとの人権が尊重されることは、社会が持続するために必要ですし、もちろん企業活動にも必要です。国際人権と企業法務がミックスされる分野ですが、一消費者としてどういう商品・サービスを選択するかという自分自身の毎日の行動にも深く関係するからこそ、このような考え、視点を浸透させていきたいと思っています。
ただ、このような企業活動への切り口、社会構造の「構造」にアプローチするやり方だけでは社会が変わるまで時間がかかるというジレンマも同時に感じ、正直、もどかしい気持ちもあります。もっと、1人ひとりへのアプローチしていかないと、今あるギャップはなかなか埋まらないように思います。PIECESの皆さんの想いや活動に強く共感しているのは、その社会構造のなかでの1人ひとりというギャップや「市民性」という普遍的な側面に光を当てているところ。そこが面白いですし、まさに私も変化を実感したいと思っているところです。PIECESは、私の「市民性」、私が出会う人たちの「市民性」を改めて見つめる機会を与えてくれる、そんな空間です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

次回のnoteでは、新監事にご就任いただきました、長田さんのご紹介とコメントを掲載いたします!


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■6/21開催!「ひらかれたweの社会に向けて」と題して、アニバーサリーイベントを開催します
今回ご紹介した佐藤さん含め、新理事・監事のみなさまにも登壇いただくトークイベント。ぜひご参加ください!



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