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すべて素晴らしすぎる

先日高橋幸宏さんの50周年記念ライヴ"LOVE TOGETHER 愛こそすべて"があった。その直前にはライブアルバムのIT'S GONNA WORK OUT ~LIVE 82-84~が発売され、同時に一部にだけ販売となっていたMETAFIVEのMETAATEMも出て、アニヴァーサリー本のLOVE TOGETHER YUKIHIRO TAKAHASHI 50TH ANNIVERSARYも発売となった。METAATEMがラストアルバムというのも残念だが、今回のコンサートも私は病気があり二の足を踏んでいた。しかし友人が私の分もチケットを取ると意気込んでくれ、取れれば行きたいなくらいの気持ちにはなった。しかし私の携帯はデータSIMで、電話番号がないのでe+というチケット販売のSMS認証ができないので無理だった。彼がわざわざ時間を割いて行動してくれたのに抽選すらこぎつけることはできなかった。ほとんどの人はそれでチケットを取れるのだから切り捨てられても構わない。病気のこともあるしね。認証が必要な限りその方法が一番なのだろう。申し訳ないのは外れているのは私の方だということ。色々な面でこの世から外れてる。そんなことはまあいいや。

それはそれとして病気療養中でリハビリに励んでいた幸宏さんは今回は間に合わず出られなかったようだ。しかし高野寛さんを中心とした多数のミュージシャンがコンサートを盛り上げ大成功のようだった。ああ、行きたかったな、この体、この距離、なんて思った。直前に高野寛さん中心のスペシャルユニットWALKING TO THE BEATSがトリビュート曲のLOVE TOGETHERが公開され聞いていた。そのLOVE TOGETHERでもそうだが、ステージは細野晴臣さんを始め舞台でのパフォーマンスを見たい人ばかり。いちいちは書けないが誰が幸宏さんのどの曲を歌をどう表現するのか、興味は尽きない。Twitter等で行った人のTweetを読むとありがたく嬉しい。それが全貌の砂粒ひとつの情報だとしても、それでも嬉しくありがたい。過去幸宏さんのツアーに行ったことを思い出す。最近では、いや最近でもないけれどMETAFIVEのライブだった。その時もその友人がチケットを取ってくれた。病気もあったがどうにか高速バスで地元へ帰ったな。それを思い出すとやはりステージで感じたかった。でも一方ではレコードでもいい。以前幸宏さんがそのようなことを言っていたような気がする。ステージをしなくなっても、レコードをリリースするだけでも、ファンの人は支えて喜んでくれるのだろうか。というようなことだった。それは記憶の違いで別の人の発言かもしれない。でも私はレコードを聞けるだけでも嬉しいのだ。ステージとの優劣は感じはしない。生でパフォーマンスを見たいし支えたい。それはある。でも私がもう動けないとしても、レコードがあれば、まだ、どうにか耳の奥の頭の中では世界が開ける。例えばライブ配信があれば支える気持ちも満たされるとか。だから目を閉じ耳を澄ましレコードからの音に集中する。それでもいい。

その場所への肉体の存在と不在は発売されたボックスのIT'S GONNA WORK OUT ~LIVE 82-84~を聞いても思うのだ。そこにいた頃やその光景、あの時。自分に蓄積している音楽、いや自分の中に根を張っている音楽だ。今回のライブを思うと同時にその時のツアーを思い出す。一二枚目は音源としては初なのかな、WHAT, ME WORRY?のツアーで新宿厚生年金会館のライブを収録している。音楽殺人、ニウロマンティック、WHAT, ME WORRY?からの選曲でYMO時代にあってやっぱり幸宏さんの世界がすごい。新宿厚生年金会館のライブには行っていないし行けたわけもないが、今聞けるというのはとても嬉しいことだ。そして三枚目のtIME and pLACEリマスターは当時HAPPINESS IS HAPPENINGが聞きたくて買ったのを思い出すアルバム。これを何度も聞いていたが、こうしてまたリマスターで聞くととてもいい。薔薇色の明日を中心としたライブでDRIP DRY EYESはサンディさんのバージョンで始まった。そうだ。これだった。押し寄せる思い。どちらも、METAFIVEも、どの曲も言いたいことはたくさんある。しかしそれをするとキリがない。それだけ高橋幸宏さんを浴びていた。朝も昼も夜も、寝るときさえも。そしてビートルズで幸宏さんが好きなジョージのIt's All Too Much。もちろんイエロー・サブマリンに入っている原曲も素晴らしいのだけれど、LSD的な倒錯、多幸感があるような原曲よりよりも、WHAT, ME WORRY?に入っている幸宏さんのカヴァーはもっと素晴らしいと思わせる仕上がりだ。もし幻覚剤的な麻薬的な幻想の世界の上にできている曲とするならば、幸宏さんのバージョンは多幸感ではない幸福そのものと感じる。その曲を全て素晴らしすぎるとした幸宏さんのことをずっと思っているんだ。そして皆さんも思っている。また幸宏さんのパフォーマンスが見たい。ライブでもスタジオでも自宅でもどこでもいい。それを待っている。そしてその日々も素晴らしくして行きたい。

最後に幸宏さんの曲を載せたい。今聞きたい曲を選ぶとすると、たくさんありすぎるし日々違うが、今ならこういう曲なのかな。

Extra-Ordinary/非・凡 - 高橋幸宏


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