私とオカマの話

最近LGBTなどの問題が提起されると、必ず中学生の時の親友のことを思い出す。
人付き合いが苦手で、中学生の時に自分が唯一心を開き仲良くできたのはあの人だけだった。

名前はけっこう男前だったけど、本人はその名前で呼ばれるのは大嫌いだったからいつも名字で呼んでいた。

「私は、大人になったら絶対景子って名前に改名するの!今から決めてるの!」
そう言って彼女は、何か名前を書く機会があるたびに「景子」と書いていた。

だから本人の名前は、ここでは「景子」と呼んでおく。
あれから10年以上経ったけど、無事に戸籍上にこの名前を綴ることはできているのだろうか。
どちらにしろ、整形を繰り返したあの顔に、中学生の時の面影はなくなってしまったことを知っている。

きっと次に街中ですれ違った時は、お互いのことを面識できないだろう。

嘘をつくことを躊躇わず、よく笑いよく泣き、冗談は驚くほどにキレがよく一緒にいて飽きることがなかった。


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