BAG FIGHT

 手の震えを止めようとするが止まらない。足も震えていた。尿が漏れている気すらする。

 眼前に敵。全員俺よりでかく、俺を恐れもしていない。

 物語のような逆転勝利はないようだ。俺はここに来て初めて今ここだけが現実なのだと気がついた。手足の震えはいよいよ止まらない。


 一週間前

 最寄り駅を降りる。イヤホンをスマホに巻き付け通学カバンに突っ込む。イヤホンを付け公道を歩く者は愚かである。

 目線は下に。足は大股、速足で。同じ制服の他人をドンドン追い越し一人学校に向かう。通学カバンは俺の武器だ。素材の硬さと中身の重み、盾にも鈍器にもなる優秀な武器。

 前のあの娘がpopしたオッサンに絡まれたらカバンを振り下ろしK.O.だ。ラブロマンスが始まるかも知れない。しかしオッサンは現れない。

 朝から騒いでるあいつらに不良が絡みやしないか。カバンで拳を受けとめ、その隙に抜手を首に。俺はヒーロー、熱いブロマンスが始まる。不良は朝居ない。

【続く】


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