メイキング『盛夏のひまわり』
作品のメイキングシリーズ第一回です。
今回は不透明水彩で描いた『盛夏のひまわり』(2020/8/10)という作品の解説をします。
画材
・ぺんてる 水彩絵の具
・パイロット クレオロール
・丸筆、平筆、水筆
・ペンチングナイフ
・ホワイトワトソン紙(はがきサイズ)
絵の具は不透明水彩(ガッシュ)を使いました。独特の濁りや厚ぼったさを出せるので、真夏のもわんとした空気を表すのにぴったりではないかな、と思ったのです。
クレオロールはゲルクレヨンといってスルスルとなめらかな描きごこちが特徴のクレヨンです。仕上げに使いました。
筆はすべてナイロン製です。
水彩画では筆よりも絵の具よりもとにかく紙が大事だと聞きました。へぇ~。
ということで、現時点で筆にこだわりのない私は、引き出しに眠らせていた安価なナイロン筆をとりあえず使っています。
ペンチングナイフはプラスチック製ですが、通販で間違えて買いました。金属製のほうがしなやかで圧倒的に使いやすいです。とはいえ、これもちゃんと使えるのでご安心を。
水彩紙は種類がいっぱいでお値段も張るので初めて使うときのハードルが高いかもしれませんが、はがきサイズは手軽に使えるのでおすすめです。
あと、写真を撮り忘れましたが、クサカベの水彩絵の具でマゼンタとジョンブリアンを使いました。たぶん。
メイキング
まずはマスキングテープで紙を固定します。
水をあまり使わないのと、厚みのあるしっかりした紙なので水張りはしませんでした。
今回は「花を描きたい」「橙色と青を使いたい」というざっくりしたことしか決めていないので、とりあえず背景を青で塗って橙色を基調におおまかな花の形をつくります。
この時点ではガーベラっぽいイメージでした。
塗っていくうちに「やっぱりひまわりにしよう」と思ったようです。
その昔、部活でひまわりの絵を描きましたが、当時は陰影や奥行きがさっぱりわからずのっぺりした絵になってしまい、顧問の先生から「黄色にもいろんな黄色があるんだよ」と言われたのを今も忘れられません。
黄色い花を描くには、赤も緑も青も使うのであります。出した絵の具は全色使いたいのです。
ということで
気がついたら背景が緑っぽくなっていました。でも最初より深みがあっていい感じです。
花びらだけでなく背景を重ねながら形を整えていきます。
形が決まってきたので、ここからはペンチングナイフを使ってモリモリ盛っていきます。
朱色と黄色をメインに、明るい部分にはジョンブリアンや白を混ぜ、暗い部分には茶色やマゼンタを混ぜました。
中央は茶色と緑を使って点描します。花びらに使った色を少し混ぜると、全体がなじむような気がします。
また、盛り上がった質感をつくるために固めに溶いた緑を点々と置きました。
あとで上から塗り重ねます。
拡大。ペンチングナイフで絵の具を延ばしたり、筋を入れるように軽く引っ掻いてみたりしました。
終盤です。つい夢中になってしまいまして、この辺の工程を撮り忘れました。
花びらの隙間の影を、赤やマゼンタを加えて重ねます。濃い色を入れるとぐんと引き締まって立体感も出てきます。
中央もさらに描き込みました。
濃く塗った上からハイライトを入れるようなイメージでジョンブリアンを点々と置き、より立体的にします。
内側は橙と赤、中心は先に塗っておいた緑を活かしました。
葉っぱはマジで描き方がわからなかったので雰囲気です。すみません。
明るい緑、中間の緑、暗い緑を用意します。
明るい緑には黄色や白、暗い緑には茶色を混ぜました。青も入れたかな。
中間の緑で形をとりベタ塗りしたら、乾かないうちに暗い緑で影をつけ、明るい緑で光を入れます。
ペンチングナイフの先で葉脈を表現したり、厚く重ねて花びらに負けない存在感を出しました。
追加で背景にピンク(ジョンブリアン+赤)や水色(青+マゼンタ+白)をベタベタと置いて、もわんとした暑い空気を表しました。これは思いつきでやったけれど結構気に入っています。
最後にクレオロールで花びらの境界や葉っぱの影など、細かい部分を引き締めるように描き足して完成です。このとき、あえて葉っぱにピンクを置いたり花びらに水色を置いたりして遊んだらなんかめっちゃ楽しかったです。
完成品
マスキングテープをはがしてサインを入れた完成品がこちら。構図を全く考えなかったので枠におさまりきっていませんが、楽しく描けたのでよしとします。
ちなみにこの作品はサイズと出来映えのわりに7~8時間かかりました。私は昔から制作が遅いです。
まあ、楽しく描けたらそれでよいではないですか。
長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
いつになるかもわからぬ第二回を楽しみに待ってくれる方がいたらとてもうれしいです。
それでは。
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