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『不安な時代に踏み出すための「だったらこうしてみたら?」』誕生秘話

5月22日発売の新刊、『不安な時代に踏み出すための「だったらこうしてみたら?」』。本書が誕生した経緯を、著者の熱い想いを交えながら担当編集者に語ってもらいました。

若い世代に読んでもらえる本をつくりたい

 前作『「どうせ無理」と思っている君へ』が、12刷5万部を超えるロングヒットとなった植松努さんは、北海道赤平市の㈱植松電機で、本業のバッテリー式マグネット開発のほかに、ロケット開発、宇宙開発に取り組み、池井戸潤さんの原作でドラマ化もされた『下町ロケット』のモデルとも言われている方です。
 今回、『不安な時代に踏み出すための「だったらこうしてみたら?」』をご執筆いただくにあたって、植松さんが東京にお越しの際に、「ぜひ、第二弾をお願いします」とお伝えしたところ、「誰に向けて出すの?」というご質問をいただきました。そこで、「前作同様、小学校高学年以上だったら誰でも読めるように、ふりがなをたくさん振って、中学生、高校生をはじめとした若い世代に読んでもらえる本をつくりたいです」とお伝えしました。すると「そうだよね、若い世代に読んでもらえる本、つくりたいよね」と、即OKをくださったのです。
 というのも、植松さんは講演会に引っ張りだこで、開催するとなれば、大勢の大人で会場はぎっしり満員、リピーターが多いことでも有名です。もちろん、大人の方にも植松さんのお考えは有益ですし、ぜひ、知っていただきたい。けれど、植松さんがご自身の考えを本当に伝えたい、それを人生の役に立ててほしいと願っている人、それは、子どもたちをはじめとした若い世代にほかなりません。

何がやりたいのかわからない、夢があっても叶わない……

 見回してみると、虐待まではいかなくても、いじめられていたり、生きにくさを感じている子どもたちは大勢います。自分の本当の夢がわからなくなっている子どもたち、夢を諦めさせられそうになっている子どもたちに向けて書かれたのが、前作『「どうせ無理」と思っている君へ』でした。
 発刊後、植松さんの許には、本の感想がたくさん届いたそうです。そして、そのなかには、「何がやりたいのか、自分でもよくわかりません」「何かやろうとすると、必ず邪魔が入ります」「お金がなくて大学に行けないので、夢があっても叶いません」「わかってくれる人に会いたいけれど、チャンスがありません」などの質問もたくさんありました。また、修学旅行などで、植松電機のロケット教室に参加された小・中・高校生たちからも手紙が寄せられて、個別の質問も届いていました。植松さんはできるかぎり返事をしているそうですが、追いつかないほど。そして、質問のなかには多くの人が抱えているものもありました。
 そこで今回は、その質問のなかから多くの人が抱えているもの、植松さんがこれだけは伝えておかなければと感じているものを厳選して、お答えいただくことにしたのです。

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これまでの常識がまったく通用しない時代

 植松さんはいつも、人口が急激に減る日本において、いまの子どもたちをはじめとした若い世代は、これまでの常識がまったく通用しない時代を生きていかなくてはならないとおっしゃっています。にもかかわらず、多くの大人は、自分たちが教えられてきた常識で彼らにこの時代を乗り切らせようとしてしまう。それは、どだい無理な話です。
 これまでは、言われたことを、疑問を持たずにそのとおりにすることができる人たちが優秀と言われてきました。人口がどんどん増えてモノが足りない時代には、モノをつくれば、たとえ、目新しさがなくても売れた時代にはそれでよかったのです。けれどいまは、違います。似たようなモノをつくっていては、価格競争にさらされて淘汰されてしまう。自分の頭で考えて、新しく変えていくことができる人でなければ、生き残れないのです。
 経済活動だけではありません、環境問題や食糧問題、COVID-19のパンデミックなど、問題は山積みです。

自分の力で前に進んでいくために

 植松さんはこの本の「はじめに」において、「この本を読むと、僕がどうやって問題を解決しようとしているかという、僕の考え方を知ることができます。それはもしかしたら、君の問題の考え方の参考になるかもしれません。僕はこの本で、元気が出るような言葉や、励ます言葉で君を安心させるのではなく、君が問題を乗り越えて、自分の力で前に進んでいくための『考え方』を伝えたいです。この本が、君の役に立ったら、とても嬉しいです」
と、書いています。
 まずは、植松さんの壁を乗り越える方法、『不安な時代に踏み出すための「だったらこうしてみたら?」』を読んでみてください。その考え方を学んだ若い人たちが、次は、ご自身の考える「だったらこうしてみたら?」を考え出すことができるようになる、そのお役に立てる本がつくれたとしたら、編集者として、こんなに嬉しいことはありません。
この本が多くの若い世代の役に立つよう願ってやみません。

                    PHPエディターズ・グループ
                        書籍編集部 見目勝美

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