■読書日記<第14回> 小説改稿の醍醐味と読書の「新たな可能性」を知った夏
ウクライナ戦争と新型コロナウイルスの蔓延は、いったい世界をどこへ連れていくというのでしょうか。いろいろと考える材料を読書に求めてはいるのですが、なかなか難しいですね。とはいえ、「世の中に片付くなんてものは殆どありゃしない」と『吾輩は猫である』執筆中の自身に重ね合わせて、後年の夏目漱石は『道草』(1915年/『朝日新聞』連載)の最後に主人公・健三の言葉として記しています。家庭的にはペシミスティックな人間である漱石の言ではありますが、これはこれで真実であるのかな、と思えます。なか