カナダに激震が走った日。
今日の午後、カナダが揺れた。激震という言葉では表せないほどの衝撃がカナダを駆け抜けた。
あのカナダ・アイスホッケー界のドン、ドン・チェリー氏が(これはギャグではない)Saturday’s Hockey Night in Canadaから解雇されたのだ!
速報がネットで流れたあと、すぐにテレビをつけた。「お~」。事実だった。
それにしてもスポーツネットは思い切ったことをしたものだ。
ドン・チェリー氏は土曜にCBCで放送されるアイスホッケー中継番組Saturday’s Hockey Night in CanadaでCoach’s Cornerという自身のコーナーを持っているアイスホッケーのコメンテーター。
歯に衣着せない発言がアイスホッケーファンから支持され、絶大な人気を誇っていた。
しかしそれが時には行き過ぎることもあって、これまでに何度も物議を醸してきた。それでもここまで約40年間、しぶとくコメンテーターとしてアイスホッケー界に君臨してきたのだ。
それがとうとう解雇という形になった。御年85歳。
原因は9日の生中継でのコメント。新移民に向けた批判的なコメントが大激論を巻き起こした。
それはもう、アイスホッケー関係者やファンだけではなく、政界からも、メディアからも、財界からも、あちこちから批判が噴出した。
カナダと言えばアイスホッケー、アイスホッケーと言えばカナダと代名詞になるほどなので、はっきり言って国民総アイスホッケーファンだから全国民が持論を展開する。
今日はテレビもネットもわんやわんやの大騒ぎ。一日中この話題で持ちきりだった。
その多くがチェリー氏の“You people…”を批判するもので結局放送局側も、解雇という形でしか収集をつけられなかった。
それにしてもやはりカナダ国民のアイスホッケー愛はすごい。カナダではアイスホッケーではなく「ホッケー」だ。ホッケーをするのは氷の上。陸上でするのはフィールド・ホッケーなのだ。
CBCのSaturday’s Hockey Night in Canadaは、以前のテーマ曲が「カナダ第2の国歌」と言われたほどの大人気番組。現在はスポーツネットが権利を保有しているが、今でも番組はCBCで放送されている。
そんな大人気番組で看板コーナーを持っていたチェリー氏だけに影響は大きかった。
カナダでも競技人口がサッカーに抜かれるという昨今で、スタンレー杯優勝からも遠ざかるカナダチームだが、それでもやはりホッケー人気が根強いことを改めて知った一日だった。
そしてなぜかバンクーバーオリンピックでカナダ代表が金メダルを取ったことを懐かしく思い出してしまった。
写真:バンクーバーのNHL本拠地ロジャースタジアム
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