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歴史マンガセット 各社の比較(2020年版)

はじめに

歴史マンガセットの比較、2021年版を公開しました。この記事は2020年版で、古いものになっていますが、残しておきます。最新版はこちらへどうぞ。
 先日「歴史マンガセット 主要四社の比較+α」という記事を公開しましたが、いろいろ追加しましたので、新しい記事にします。講談社、タイムワープシリーズ(朝日新聞出版社)、成美堂出版、朝日学生新聞社の歴史マンガセットを追加しました。出版年が古い順番に並べてあります。

小学館「少年少女日本の歴史」(1988年、平成版は2018年)

 1988年刊行。このシリーズの最大の特徴は、全24巻と分量が多く、内容も最も詳しいことです。コマ内の情報量が多いこと!注釈も多いこと!「ビリギャル」で話題になりましたが、大学受験にも対応できます。内容紹介ページはこちらです。https://kids-km3.shogakukan.co.jp/

 当時の歴史学で「わかっていないこと」をはっきり示しており、学問的に誠実です。一方「わかっていること」は可能な限り入っています。1988年当時の歴史学の叡智を結集した、文句なしの大名作といえるでしょう。(画像は1巻)

小学館1巻中身

 非常に完成度が高いため、現代風の絵柄に変える動きがないのもわかります。歴史に本格的にはまった子には、より深い楽しみを教えてくれる、いわば「歴史沼」や「学問」の入口ともいえます。お子さんにより深く歴史を学んで欲しいと思う場合は、小学館一択です。

 ただこのシリーズは、明確な問題点もあります。とにかく絵もマンガ的技法も古いのです(1枚目、16巻)。2018年に出た平成編も2枚目ですからねえ(22巻。88年の本と統一感を出すためでしょうが)。今のお子さんに合うかどうか…。

小学館16巻幕末中身
小学館平成中身

 ただ、念のため付け加えますと、1988年版を手掛けているあおむら純の絵柄と表現は、いかにも昔ながらのマンガ的ではありますが、わかりやすく親しみやすいのは間違いありません。細部の描写も正確です。

 問題点その2は、詳しい分内容が煩雑で、登場人物も多く、内容をつかむのが簡単ではないことです。合わない子は徹底的に合わないかもしれないのですね。そのため、歴史に苦手意識を持っている子に最初に提案するのには、あまり向いていません。

 問題点その3は、2018年に追加された平成編22巻は、明らかにそれまでの巻や、角川版より見劣りすることです。作画は森本一樹。ご覧の通り、人物はあまり似ていませんし、描写もあまり正確ではありません。バブルの描写がものすごいのですが…これは皆さん直接見ていただきたいところです。

小学館24巻中身

 角川版が出来事の「理由」を、きちんと描いているのに対し、こちらは「結果」を示すことが中心になっています。「なぜそうなったの?」という子どもの問いに、答えられない内容なのですね。

 小学館版は、歴史マンガの金字塔なのは間違いなく、内容も文句なく高度です。その一方で問題点もあります。お子さんの状況を考えて、選ぶ必要があると思います。

利点と問題点
◎ 大学受験まで対応できる内容の高度さ
◎ 歴史学、歴史沼の入口としても有効
△ 表現が昔のマンガ的で今の子には合わないかも
△ 高度なため入門には向かない
× 平成編は明らかに見劣りする

<情報・購入リンク>
24巻セット税込み21758円です。
試し読みはこちら。→https://www.shogakukan.co.jp/books/series/B30010
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朝日学生新聞社「日本の歴史 きのうのあしたは…」(2010年)

 2006年から「朝日小学生新聞」に連載された作品をまとめたものです。日本の歴史を、小学生の男の子と女の子、案内役の妖精・レキシーが旅するという設定です。「小学生が見た/経験した歴史」を描いています。

 第一の利点は、絵柄がすっきりと現代的で、性を問わずに楽しめるところです。マンガは絵柄によって男性向け、女性向けと、ジェンダーがはっきり現れがちですが、この本はどちらにも偏っていません。絵が古いと感じられることもないでしょう。

朝日学生新聞社6巻1

 第二の利点は、章の終わりごとに音読コーナー、漢字書き取りコーナー、振り返りテストがあることです。ポイントを音読し、重要漢字を書き、テストで振り返る。知識を定着するための仕掛けがあるのです。これは他の本にはないものです。

朝日学生新聞社漢字練習

 第三の利点は、同時期の世界の動きへの言及がある点です。遣唐使が「シルクロードの終点」とされる背景、キリスト教伝来の背景となる宗教改革と大航海時代などが描かれ、日本の歴史をより深く理解できるようになっています。

朝日新聞出版社6巻P192

 第四の利点は、分量が少なめな分、内容の理解がしやすいところです。文字も大きく読みやすいです。歴史が苦手な子、流れをつかんでいない子には向いているでしょう。

 一方、第一の問題点は、ボリュームが少ないため、解説が駆け足になっている点です。出来事とその内容は語られますが、その理由や背景に関する記述は少ないです。

 第二の問題点は、近現代の分量が少ない点です。全7巻のうちの6巻後半と7巻で、明治、大正、昭和、平成を語っているのですから、相当圧縮されることになります。特に戦後はかなり駆け足です。

 内容とはちょっと離れますが、主人公の男の子が、感受性が強く、繊細な心を持っているのがよいのですね。また「きのうのあした(=未来)をよくしていきたい」という、作者の願いが現れているのも好感が持てます。

 出版されてからちょっと時間がたっており、内容的にも少し古いところもありますが、他のシリーズにはない良さもあります。歴史の入口に向いているでしょう。

利点と問題点
◎ 絵柄がすっきりして読みやすい
◎ 漢字練習コーナー、確認テストがついている
○ 世界史への言及がある
× 巻数が少ないため説明が少ない
× 近現代史が少ない

<購入・情報リンク>
7巻セットで9280円です。
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*Kindleなど電子書籍版は大幅値引きしていることがあります。

学研「NEW日本の歴史」(2012年)

 歴史マンガを現代風の絵柄に変える動きに先鞭をつけたシリーズです。全14巻。内容は、人物に焦点を当てているため簡潔で読みやすく、入門に向いています。オールカラーなのもとっつきやすいところです。

 マンガの作者はそれほど名前が知られていない人が多いですが、同人誌や商業誌で実力が知られていた人たちです。その力は1巻冒頭を読むだけでもうかがえます。試し読みを読んでみるとよいでしょう(今どきFlashなので要注意)。作家の一覧と代表作をまとめたのが次の表です。

学研作家

 問題点は、まず良くも悪くも分量が少ないことです。全14巻なので経済的負担も低めで、とっつきやすいのですが、その分、量も少なめです。中学受験には十分対応できますが、大学受験は難しいでしょう。特に問題なのは、太平洋戦争と戦後が一冊にまとまっていることです。角川や集英社に比べると、この時期はかなり少ないのですね。近年は戦後の事柄が出題される例が増えてきたので、他社のマンガを併用する必要がありそうです。

 二つ目の問題点として、巻ごとの絵柄のばらつきが大きく、巻によって好き嫌いが出る可能性があることです。10巻の伊藤博文が判断基準になるかもしれません。

利点と問題点
◎ すっきりして読みやすい。入門向き
◎ オールカラー
△ 巻ごとの絵柄のばらつきが大きく好き嫌いが出やすい
× 戦中・戦後史が少ない

<情報・購入リンク>
14巻セットで税込み16060円です。
試し読みはこちら。→https://manga.gakken.jp/
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角川書店「日本の歴史」(2015年)

 現在の日本のアニメやマンガをリードする角川の歴史マンガです。大きな特徴は、表紙を吉崎観音や小畑健といった、著名な作家が描いており、現代の子どもに受け入れられやすそうなところです。他社が菊判(A5より小さい)、ハードカバーなのに対し、ソフトカバーで軽く、小さい(四六判)のも特徴です。その分お値段もお安めです。

 量的には本編15巻と、集英社、小学館には及びませんが、すらすら読めるように工夫されているので、歴史の入門に適しています。また最新の学習指導要領の改訂にも対応しているので、受験にも十分対応できます。

 第一の利点は、集英社版と違い、表紙と中身のギャップが少ないことです。表紙とマンガの作者は違いますが、表紙絵に近い絵柄で描いているのです。また巻ごとのばらつきも少ないです。全体的に現代的な絵柄で、今の子どもにも広く受け入れられると思います。一番目の図は1巻の表紙、二番目の図は中の絵、三番目の表は表紙の作者と中のマンガの作者を示したものです。

角川1巻表紙
角川1巻33p
角川表紙&中身

 もう一つの利点は、別巻のうち「よくわかる近現代史」が非常によくできていることです。戦争に至る流れが十分に説明されていますし、戦後の政治状況や国際関係もわかりやすいです。ここだけ追加で買ってもいいですね。内容の紹介はこちらをご覧ください。スタッフを見てみると…シナリオを書いているのは戦前・戦中史の専門家ですし、マンガのコンテを作っているのは、知る人ぞ知るといったマンガの名手です。なるほどわかりやすいのも当然です。

 目立った問題点はありませんが、強いて挙げるなら分量が少なめ、ハードカバーではないので本が傷みやすい、他社より本が小さい、といったところでしょうか。

利点と問題点
◎ 表紙は今人気のマンガ家
◎ 表紙と中身のギャップが少ない
◎ 表紙も中身も現代的な絵柄
◎ 近現代別巻3巻が非常によい
△ 本が小さい

<情報・購入リンク>
全巻まとめて税込み16720円です。
試し読みはこちら。→https://mangagakushu.kadokawa.co.jp/nihonnorekishi/lineup.html
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ほぼ同内容の文庫版はこちら。→https://a.r10.to/hVkIJQ
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近現代の別巻セットはこちら→https://a.r10.to/hbP1IO

集英社「日本の歴史」(2016年)

 学研角川の新版発行を受けて全面改定。最新の内容に対応し、全20巻と分量も多く、取り上げる内容も詳細です。中学受験だけでなく、大学受験にもある程度対応できます。

 重要な特徴は、表紙絵を描いているのは岸本斉史、荒木飛呂彦、久保帯人、椎名軽穂、樋口大輔などの、ジャンプ系を中心とする著名なマンガ家ということです。荒木飛呂彦が歴史マンガの表紙を描く…読んでみたくなりませんか? 表は表紙絵と中身のマンガの作家の一覧です。

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 もう一つの特徴は、全20巻のうち、明治以降の近現代が8巻を占めることです。最近の受験は、中受も大学受験も、近現代の割合が大幅に増えています。学校や塾の授業ではフォローしきれないことが多いのですが、集英社版では対応できます。

 ただ、このシリーズには大きな問題点があります。なんといっても、「表紙と中身の絵が全然違う」巻が多いのです。画像は18巻。表紙は荒木飛呂彦ですが、中身はたなかじゅんによるもので、大きく違います

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 画像は10巻。表紙は「東京喰種」の石田スイですが、中身は藤田竜介によるものです。読んだ人は驚くかもしれませんね。

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 画像は、集英社版の表紙絵の作者、中身のマンガの作者、そして筆者が感じたギャップの大きさをまとめたものです。表紙絵と中身が同じなのは、8巻の樋口大輔のみです。

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 全体的にキャリアが長い作家が多く、マンガとしてわかりやすい巻が多いです。また6巻(幡地英明)、8巻(樋口大輔)のように、絵も見せ方も非常にうまい巻もあります。一方16巻(海野そら太)のように、テーマと絵柄が今一つ合っていないのでは、と感じる巻もあります。巻ごとに大きなばらつきがあるのですね。

 表紙絵に著名なマンガ家を採用するのは、その作家のファンである親の目を惹くためでしょう。ですが実際に読むのは子どもです。表紙と中身のギャップを、子どもはどう思うでしょうか。子どもに違和感を抱かせるような編集方針を受け入れられるかどうかで、判断が分かれると思います。

利点と問題点
◎ 表紙は今人気の作家
◎ 分量は多く内容も十分
○ マンガとして面白い巻がある
× 表紙と中身のギャップが大きい
× 巻ごとのばらつきが大きい

<情報・購入リンク>
全巻20巻まとめ買いで税込み19800円です。
試し読みはこちら。→https://www.shueisha.co.jp/rekishi/
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朝日新聞出版社「歴史マンガ タイムワープシリーズ 通史編」(2017年)

 小学生に大人気のマンガ、サバイバルシリーズ。このシリーズは、「歴史マンガサバイバルシリーズ」として刊行された本を、学習指導要領に合うよう増補したものです。

 サバイバルシリーズに共通して、①子どもが主人公、②子どもがトラブルなどに巻き込まれる中、解決・対策手段を見いだしていく、③フルカラー という特徴がありますが、それはこのシリーズでも同じです。

 最大の利点は、常に「子どもの視点」で歴史が描かれ、あたかも自分がその時代に行ったような感覚になることです。そのため歴史への「親しみやすさ」は、ほかの歴史マンガより抜群に高いです。

 二番目の利点として、絵柄が非常に現代的でかわいらしいことです。性や好みを問わず幅広く受け入れられると思います。

タイムワープ5中身

 三番目の利点として、歴史の出来事がマンガ全体のストーリーに組み込まれ、非常に理解しやすいことがあります。低学年から読んでもOKでしょう。

 ただ欠点もあります。まず、描かれることは「登場人物が体験したこと」になるので、描写が客観性に欠けるのです。一応対立している陣営両方から描くようにはしていますが。

 そして最大の欠点は、分量が圧倒的に不足していることです。コラムなどで学習指導要領に対応してはいますが、マンガだけでは受験に求められる知識を得ることはできません。

 あとは全体的なノリが、サバイバルシリーズらしく、ヤンチャというか、子どもらしいというか…まあ下品なんですね。まあ読むのは子どもなので、お子さんが判断すべきだと思いますが。

 このようにこのシリーズは、歴史の入門や、苦手な子が流れをカバーするのにとても向いています。一方、このシリーズだけでは受験に対応できないので、別のマンガを併用する必要があります。

 なお、このシリーズは大きく「通史編」と「テーマ編」に分かれており、BOXとして売られているのは「通史編」です。「テーマ編」は現在も続刊中です。

利点と問題点
◎ とっつきやすい。歴史の流れを理解しやすい。
◎ 絵柄がかわいく性に関係なく受け入れられる
◎ 低学年から読んでも大丈夫
△ 独特のノリは好き嫌いが分かれる
× 分量が少なく単体では受験に対応できない

<情報・購入リンク>
通史編BOXセットは15冊で税込み17160円です。
内容紹介ページはこちら。→https://publications.asahi.com/original/shoseki/rekishi/tw/
Amazonでの購入はこちら。→https://amzn.to/2IMxw9E
楽天での購入はこちら。→https://a.r10.to/hbaPzY

成美堂出版「マンガ日本の歴史」(2019年)

 成美堂出版から全8巻で出たこのシリーズ、これまでの歴史マンガとは明らかに一線を画しています。表紙を見ればお分かりかと思いますが、すべて「極端に今風の絵柄」になっているのです。

成美堂出版一覧

 試し読みのページを見てみますと…皇極天皇と蘇我入鹿がこういう絵柄で描かれています。強烈な衝撃を受ける方もいらっしゃるのでは? 髪型? 考証? 細かいことは気にするな、という感じでしょうか。

成美堂中身1

 成美堂出版は、歴史人物をすべて今風の絵柄で示した「日本の歴史人物事典」などを出しています。マンガ好きな、オタク気質のある子どもに受けそうですね。その流れで歴史マンガも出したのだと思われます。

 ですからこのシリーズの最大の利点は、「今風の絵柄が好きな人」に強烈にアピールすることです。「古い絵柄は全然ダメ」という子にも向いていると思います。

 またマンガ自体の描写はあっさりしていますが、コラムなどで学習指導要領の内容はクリアしています。中学受験には対応できます

 欠点その1は、全8巻なので、内容がかなり圧縮されていることです。中学受験でも最上位校はちょっと不足で、ほかのシリーズとの併用が必要となるでしょう。
 欠点その2は、巻ごとの絵柄のばらつきが大きく、マンガとしてもこなれていない表現が多く見られることです。表紙の雰囲気は統一されていていいのですが…。

 今までの歴史マンガとはまったく雰囲気の違う、衝撃的なシリーズですが、私はこれはこれでアリだと思います。歴史マンガの役割は「歴史に親しむ」こと。その役目は十分に果たしていると思います。

 表紙だけ現代的な集英社、10年ほど前に活躍した作家を集めた講談社と違って、明らかに「新しい」絵柄を志向しています。また角川とは新しさのアプローチが違います。こうした「多様性」を求める動きは、応援したくなりますね。

 「こういう絵柄がすごく好き!」というお子さんには、非常に強く訴えると思います。一方内容的にはかなり薄口なので、ほかのマンガとの併用も考える必要があります。お子さんに合わせて選ぶ必要があります。

利点と問題点
◎ 絵柄が新しい!
○ 学ぶべき内容はクリアしている
△ 分量が少ない
× 絵柄や内容にムラが多い

<情報・購入リンク>
8巻セット税込み8360円です。オールカラー、四六判で他社のものより一回り小さいです(角川と同じ)。
セットの紹介ページはこちら。→http://www.seibidoshuppan.co.jp/product/9784415327891/
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講談社「講談社の学習まんが 日本の歴史」(2020年)

 恥ずかしながら、講談社が歴史マンガに参入するという情報をキャッチしそこねていました。2020年6月5日刊行とのことなので、これからの発売になります。

 全20巻、売りは「最新の研究に携わる若手研究者が監修」「最新の学習指導要領に対応し大学受験にも対応」です。中公新書「応仁の乱」がヒットした呉座勇一らが監修に加わっているので、内容的にはかなり高度になると思われます。

 もう一つの売りは、週刊誌連載の経験がある作家が中心になっている点です。表は担当作家の一覧で、14人中10人が週刊誌連載の経験があります。「週刊少年マガジン」で活躍した作家が多いですね。

講談社作家

 講談社のページに紹介されている内容見本は、石垣ゆうきによるものです。
http://rekishimanga.jp/

講談社内容見本

 見たことがある絵柄ですよね? そう、「な、なんだってー!」で有名な「MMR」の作家さんですよ!

 内容見本を見ると、欄外の注も、下段にあるマメ知識も豊富なようです。小学館、集英社、角川に劣らない専門性と知識量がありそうです。これは期待できそうです。

 ただ、作家陣を見ると、10年ほど前に「週刊少年マガジン」で活躍していた方が多いです。ちょっと絵柄的には古く感じられるかもしれないですね。出てから中身を確かめてみたいと思います。

<情報・購入リンク>
全20巻税込み18700円です。内容紹介はこちら。→http://rekishimanga.jp/
まだAmazonや楽天での予約は始まっていないようです。

おわりに

 今のところセットで出ている歴史マンガをすべて読んでみましたが、内容の多様さには驚かされます(特に成美堂出版)。日本のマンガ文化の裾野の広さを実感します。受験対応については、どれも学習指導要領に準拠しているので、中学受験には対応できると思います(タイムワープは補強が必要)。また本文には書きませんでしたが、どのシリーズも政治的に右にも左にも偏ってはいないと思います。ですから選ぶ基準は、「お子さんと歴史との関係(好きか嫌いか、親しんでいるかそうでないかなど)」と、「絵柄との相性」、あと「予算」になるかと思います。書店で直接見てみて判断するとよいでしょう。

 個人的には、歴史が好きな子には小学館、あまり得意でない子には角川、おたく系女子・夢女子には成美堂出版かな、と思います。あとタイムワープシリーズを小2ぐらいから与えるのもよいかな、と思います。

 あと、今買うべきでないシリーズについては、前の記事をご覧ください。

 皆さんの判断の一助になれば幸いです。

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