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パーキンソン病関連映画Awakenings(1991) レナードの朝

パーキンソン病関連映画Awakenings(1991) レナードの朝 再びみました。何十年ぶり。
この映画については多くの高名な本邦の神経内科医がいろいろなところで述べているので私なんかが感想をのべても怒られそうですが・・・
まずはあらためてみると思いっきりニューヨークの映画です。舞台は1969年、アポロ11号のアームストロングが月面に降り立った写真が通りのシーンに映っています。あの夏のもう一つの奇跡のストーリーです。
オリバーサックス原作の映画がこれはBased on a true storyであると最初のキャプションがでてしまうと、いやーこんなのはないだろうなとあちこち思うのですがそれは置いておきましょう。
当時のニューヨークの神経病院(先端恐怖症の患者さんもいて精神科の閉鎖病棟の構造です)や、セイヤー医師に理解をしめすベテランの看護師さん、トレムナータイプのハンマーで窓の枠をたたいて開けるところ、原因不明のアルツハイマー病と日本語キャプションがでているところが、dementia of unknown originとなっているところ(しょうがないなあ)、当時の脳波計、8mmでの動画撮影など細かいところに目が行きます。1920年代のEncephalitis Lethargicaの動画は本物なのでしょうか、気になるところです。当時のカルテにtreatment for rabiesとタイプ打ちされているのもみえて、いやあ面白い。
やはりダンスホールはニューヨーカーにとって世代をこえて最高の場所。食堂でダンスをするシーンではジャズピアノ、これってそのままニューヨークのダンス療法につながっていきそうですね。(やっぱりパーキンソン映画はダンスだよね)
パーキンソン病の映画となっていますが、嗜眠性脳炎後の遅発性のパーキンソニズムについてのストーリーです。人間的側面からのテーマとしては「アルジャーノンに花束を」に近い作品だと思います。
ところでマニアなのでメリットの第4版(1967年)と第6版(1979年)が手元にあるので読み比べてみました。第5版(1973年)は手に入っていないのが残念です。第4版にはLdopaの記載はなく第6版には登場しています。第6版によると1918-19に流行したインフルエンザA型との関連が述べられています。このあたりの歴史的記載の変遷も面白そうですが、本日はこの辺で。


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