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深夜の雑談:生身の人間の価値高騰

昨日、スプラトゥーン3のフェスをやりながら友人と色々話した。
その中で面白いことがあったので、人に見せても良い範囲で記載しようと思う。

友人が言うには、現在生身の人間の価値が高騰しているとのことだ。
彼はゆるーく結婚を考えているので、毎週マッチングアプリで様々な女性と会っているらしい。
そうした生活を何ヶ月かする中で、感じた所感ということだ。
もちろん、友人を取り巻く環境に起因するだろうから、N数は多くはない。
また、マッチングアプリという狭い世界の話だと思っていただけると良いと思う。

現代は、Chat GPTなどを代表するAIがものすごい勢いで台頭している。
テキストベースであれば、(物凄く優しく温和な)AIと人間のように会話できる。現在はテキストだけだが、これは過渡期であって、どんどん進化していくだろう。
僕は人間の持つ5感という感覚器官が、当然人間にとっては大切なので、その辺りのインプット情報をAIに噛ませればとんでもない所まで行けると考えている。
それも時間の問題だ。

となると、なまじ人間とのコミュニケーションの価値は落ちていく。
LINEの既読疲れなど起こさず、深夜だろうといつだろうと気軽に話せて、絶対に秘密を漏らさず、いつでも優しく対応してくれるAI。
コミュニケーションの相手が人間からAIに代替えされるのは、当然だと思える。
と、思っていたのだが、マッチングアプリ市場では、どうもそうでもないらしい。

マッチングアプリで出会った結果、例えば男の場合は、支払いに応じることが多いと思う。
今後の関係を考えると、それなりに良い店に行くこともあるだろう。
となると、結構お金がかかってしまう。
おまけに、特定の相手というよりは、何人かと相性を見るだろうから、その分かかる。

これがネットなんてない時代なら、そもそも出会うのに一苦労だった。
そもそも手頃な所に好みの異性なんていないのである。
しかし、マッチングアプリであれば、ずらっと色々な人が載っていることになる。
もちろん、一人ひとりの好みはあるだろうが、リアルで出会おうとするよりは、かなり楽だろう。
コンビニにいる可愛いあの娘から、年齢や趣味を聞くことは難しいが、マッチングアプリならプロフィールに載っている。

なので、アプリ経由だと様々な人とマッチする時間軸も以前に比べれば早い。
気があった人とのリピートなどを考えると、どんどんお金がなくなっていくような気もする。
だが、友人曰く、恋愛以外の金の使い道がなくなったというのだ。
これについては、僕もその通りだと思う。

例えば、僕は資産をためて仕事を早めにリタイアしようとしている。
それを可能にしたのは、娯楽が物凄く安くなったからだ。
ほとんどお金の使い道がないので、その分お金も貯まる。
とはいえ、お金を大して使わなくてもネットやらサブスクやらで余暇を潰せる。
昔みたいに、お金がなかったら天井をじっと眺め続けるしかない時代とは違うのだ。

僕が学生の頃は、PC1台買うのに30万だの40万だのしていた。
けれど、今はPCなんて数万円で買える。
というか、今の若い人はスマホ1台あれば、全ての娯楽に通じるのかもしれない。
価格高騰などがあって、スマホもそれなりに高価だが何度も買うものでもない。
インフラの一部として絶対必要ではあるものの、一度買えば長く使い続けられる。

趣味に使う金額がなくなった分、お金が余った。
さてどうしよう。
そこで登場するのが生身の人間との出会いである。
また、それに付随する形で良い人と出会うための自分磨きだ。

エステとかサロンとか、そういった代謝を上げてきれいにするもの。
今やそこまで忌避感もなくなった、美容整形。
化粧品やメンテナンス用の薬剤など。

今では、男が化粧するのもそこまで珍しくなくなってきたように思う。
マッチングアプリ市場にいわゆる「高スペック」が溢れているので、それに合わせて自分のスペックを上げるというのは、別に難しい話でもない。
娯楽に使う金額が不要になった分、マッチングや、マッチングに付随する前段階にお金を払うのは、理解できる。

僕は、こういった世界からは離れているので、凄い世界だなぁと思ったのだが、改めて考えると僕の身の回りにも溢れている事に気がついた。

例えば、僕自身、美容ではないが健康には気遣っていて、整体や足つぼに通っている。
僕はあくまで健康のつもりだが、身体が良くなることで美容の周りも副次的に改善している。
猫背が治ったり、代謝が良くなることで肌質が良くなったりだ。
なので、大きく美容分野だと言われれば、それなりに金額を使っていることになる。

金額も整体は7000円程度。足つぼは6000円程度で、合計13000円。
週1で通っているので、5.2万円となる。僕が住んでいるところの家賃くらいだ。
ある程度、身体が治ってきたら頻度を下げたりするつもりではあるが、それなりの金額を健康に費やしている。
これも、他に使うことがないので出来ていることと言えるだろう。

また、近場で見ても同僚で脱毛している人は、それなりにいる。
ある程度は仲が良くないと聞けない話ではあるが、僕の少ない交流関係の中でも結構な割合の人が整形をしている。
度合いは大なり小なりだが、もはや脱毛の延長みたいな感覚の人も多い。

以前に比べて、そういった「美」の度合いも高まっているようだ。
生まれたままの姿ではなくて、テコ入れも可能になってきた。
方面が違うとはいえ、僕も衣食住でも娯楽でもない健康にそこそこの金額を使っている。
僕は、独身が気楽なのでそういった異性関係から遠ざかっているが、興味がある人にとって、美容やら出会いにお金を使うのは分からないでもない。

ちなみに、もう一つ驚いた話で言うと、結構な女性が専業主婦希望だとのことだ。
といっても、僕がアプリで直接確認した訳ではないし、友人が言っているだけだし、友人の好みの女性の中にその傾向が多いだけかもしれないが。
とりあえず、マッチングして実際にあった人のほとんどが専業希望とのことだった。
僕の仕事の周りだと共働きが一般的なので驚いたのだが、友人の周りではそうらしい。
また、学生時代の男友達も結構して子供が生まれたタイミングで奥さんが専業主婦になった割合が多いとのことだった。

他には、昨今不倫に対してのバッシングが凄いが、この辺りも関連しているのだろうかなど話した。
僕としては、他人の不倫がどうこうとかは別にどうでも良いだろうと思っている。
ただ、生身の人間の価値が高騰する中で、自分の身近でそんな事が起きてはいけないという忌避感などから、社会的悪としてバッシングしているのかな、といった話をした。
前述の僕の「叩きすぎでは?」と思うのは、そういった恋愛市場から離れているから思うだけで、自分ごととして発生する人にとっては、確かに大問題だろう。
他人のことだからではなく、考え方の軸としてこんな事は駄目だ! と表明することで価値観のすり合わせを行っているのかもしれない。

といったような事をスプラトゥーン3で塗り作業をしながら話した。

そういえば、一つ書き忘れていたことがある。
僕が健康にお金をつぎ込む理由だ。
AIの台頭によって、知的労働の価値は一気に暴落すると僕は考えている。
僕は現場ではなく、マネージャーなので、特に自分の地位は壊れていくだろう。
仕事ではなく、プライベートにしても、知的労働面での活躍は難しくなってくる。

となると、重要なのは、人間として残されたもので、それは生身だ。
生身の肉体としての価値が今後さらに上がると思っている。
そういった事を考えて、遅ればせながら整体や足つぼもそうだし、毎日食べるものや衛生面に気遣っている。

僕の経験からしても、生身の人間の価値は高騰していくように思う。


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