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漢方製剤に含まれる甘草による偽アルドステロン症のリスク因子は何ですか

〇はじめに
医療用漢方製剤の7割に甘草が含まれています。処方されている甘草の1日量は方剤により1~8gまで様々です。

甘草1gには40mgのグリチルリチンが含まれ、抗アレルギー作用など種々の薬理作用を有していますが、ミネラルコルチコイド作用に起因する偽アルドステロン症を発症する場合があります。ナトリウム貯留とカリウム排泄促進が起こり、高血圧・末梢浮腫・低カリウム血症などを呈します。

どのようなメカニズムで起きるのでしょうか。偽アルドステロン症を発症させるリスク因子はあるのでしょうか。

本記事では2021年に発表されたレビューを中心に、漢方製剤に含まれる甘草による偽アルドステロン症のリスク因子について概観します。

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