ポビドンヨードうがいでCOVID-19は改善する?→まだ不明

やくそうです。
ポビドンヨードうがいでCOVID-19にかからないなんてことはまだわかっておりません。

事あるごとに行う手洗いと、手指消毒、マスクの着用、換気の悪い密室に長時間いないこと(特に会話が危険)は効果があるとされています。

今回は遅ればせながらこの話題

大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターによる新型コロナウイルス感染症患者への研究協力について

ツッコミどころいっぱいです。
1.こちらの広報にある「このたび、研究結果が取りまとめられるとともに」という表現は一般の人から見れば「世に出せて、一般人レベルで使える」という認識を持ちかねません。
2.こちらの研究は
 大阪府内で
 COVID-19にかかってホテルで宿泊療養をしている人が
 ポビドンヨードでうがいをした場合、唾液中のSARS-CoV2陽性頻度は下がった(比較対象はうがいをしていない人)
というものです。


2-1.唾液から検出されないってどういうこと?


 唾液中にはSARS-CoV2少なくなっている。
 じゃあ肺は?他の部位は?と思いますね。肺炎を起こすのは肺にウイルスが侵入して起こります。→肺炎が起こっているのか、どうかについての検証がなされていない。
PCRは陰性だが、症状は出ているのかどうかの検証がない。
実際に重症化しているのかどうかはこちらの資料ではわからない。

2.-2.ポビドンヨードうがい と うがいを全くしない人の比較である。
 

 うがいという行為そのものが効果があるのか、
 ポビドンヨードの効果なのか、検証できません。
(ポビドンヨードに効果がある場合は、水によるうがいとの比較が必要)
 

3.そもそも感染していない人に対する比較ではない

 この検証はすでにSARS-CoV2のPCR検査で陽性だった人に対する試験であり、感染していない人が感染しないようにするための研究ですらありません。

4.研究対象の人数が少ない

41名対象で、うがいしている人としていない人で「うがい以外の要素」はほぼ同じにしないといけないのですが、それができてるかどうかも不明です。



https://mainichi.jp/articles/20200804/k00/00m/040/278000c

松山晃文・同センター次世代創薬創生センター長は「うがいが唾液中のウイルスを減らす可能性がある」と述べたが、他人への感染抑制の実証については「これから」とした。体内にあるウイルスとの関係も不明だといい、検証が必要との考えを示した。

 研究として、何を目的としているのか全く見えないものであるのに、「効果があります」というような発表をしてしまったため、大きな問題になってしまった事例です。

 1.この研究にGOサインを出した人
 2.この研究結果を価値があると判断した人と、今は発表できる段階ではないですよと止める人が誰もいなかったこと

が科学的には問題があると考えます。


余談ですが、イソジンブランドはアメリカにあるムンディファーマのブランドで、日本ではシオノギヘルスケア(塩野義製薬の子会社でロート製薬が資本提携している)が販売しています。(シオノギもロートも大阪の企業ですね)

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