今回の事件は、ジェネリック医薬品の信用とは別問題

小林化工、異変検出も混入気付けず
薬に睡眠導入剤、1人死亡134人被害

 抗真菌薬「イトラコナゾール」の製造過程で、誤って「リルマザホン塩酸塩」を入れてしまって大きな事態になっています。

 服用した人に被害が出たかどうか調べたのは、薬局や医療機関の薬剤師の役割で、それが働いたために発覚してから被害の人数がこれだけ多くわかっているともいえます。

 薬局では以下のことも管理しています。
・卸から購入した医薬品の購入日と有効期限とLot番号
・誰にどれだけ調剤したのか
・患者の連絡先
 最近は上記の情報もコンピューターを用いて容易に調べることができます。また、SNSで情報を得られるので、MRが来るよりも先に有害事象の情報を得ていることも少なくありません。

それに加え、薬剤師なのでリルマザホン塩酸塩を飲んでしまった場合の有害事象は想像つきます。その症状を把握し、患者さんに連絡し症状の有無を確認しています。

 さすがに、製造工程で違う薬が混入されているとは思いもよりませんから、薬を渡す前に気づくのは無理です。しかし、飲んだ患者に対するフォローが行われているので今回の事件が発覚したと言えます。(この場合は、処方した医師が処方した複数の患者に異変があることに気づいた)

こういった健康被害に対処できるように、

 医療機関や薬局には正確な連絡先を伝える
 連絡先が変わったらそれも伝える
 医療機関や薬局から連絡があった場合は無視しない
 古いお薬手帳も捨てずにとっておく

をお願いします。

 「こんな杜撰な管理体制、だからジェネリックは信用できない」ということを主張する人もいますが、これはメーカーや担当社員の行動が問題です。この企業がジェネリックメーカーかどうかは別問題です。あるとしたら、薬価が安いため、利益を出すために無理な効率化をなされていた可能性です。

 薬を製造するときは、行政に提出し、承認を受けた手順書通りに行います。それがなされていない上に、製造後の試験で検出されなかったとのことです。これは、企業の管理責任が問われて然るべき問題です。

製造後の試験で成分の量や性質が基準に入っていないので回収する、という類の医薬品回収はメーカー問わず起こっています。特定のメーカーでやたら発生しているが、これはこのメーカーの体制の問題です。


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薬剤師のやくそうです。普段は薬局にいたりその周りの地域に出かけています。何を選んだらいいかわからない医療情報をわかりやすく、公的情報や根拠に基づいて紹介します。薬剤師とは何をする人ぞ、紹介します。