なぜ高齢者からワクチンを接種するのか
お久しぶりです。やくそうです。
今回は、SARS-CoV2ワクチンの優先接種の順位についてです。
接種する順位です。
1.医療従事者
2.高齢者(65歳以上)
3.基礎疾患を持つ65歳未満の人、介護施設職員
4.上記に当てはまらない人
となっております
医療従事者を優先するのは「治療する人が感染したら助かる命も助からないから」「程度の差こそあれ、COVID-19患者に接する確率が高いから」です。
これは病院でも薬局でも、従事先によって患者と接する確率は一般の人よりは高いです。
最近蔓延している変異ウイルスは若年層でも重症化しやすいので若者を優先すべきではないか、という言説が出ますが、医療体制を考慮するとやはり高齢者優先ではないかと考えます。
その理由は
肺炎としては危機を脱しても、その後の体力の回復が若年者よりも遅く、入院期間が長くなりがちであるためです。
ベッドに寝ているだけで、筋肉は落ちます。
1周間寝たきりになるだけで15%も筋力が低下する例があります。もともとの体力がある若者と、あまり体力のない高齢者では同じ15%でも大きな差があります。そのまま寝たきりになってしまい、家には戻れない状態になったり、戻れても介護が必要になる事例も珍しくありません。
入院期間が長いということは、ベットが空かないということなので、別の誰かが病気や怪我をしても入院する場所がないということになります。手術がおっくれて病気が進行したり、本来なら治療できる人が治療できないことに繋がります。
家族介護が必要になるということは、高齢の家族の世話をする人が必要になってきます。自宅にいながら高齢者の全生活を業者に任せることは難しいので、働き手が奪われることにも繋がります。
つまり、高齢者が一人入院することで、若い人の暮らしにも影響が出ることになります。
それだけではありません。若い人は感染防御策をとりつつ体力維持ができますが、高齢者はそれが難しい状況にあります。
また、不幸にもCOVID-19で亡くなってしまった場合、葬儀はできますが、だいぶ違う様相になります。
死に化粧ができません。
ご遺体の顔を見ることはできます。ただし、納体袋の管理をしっかり行う必要があります。
むしろ、大変なのは本来喪主をするべき人が濃厚接触者に当てはまる場合です。本人は葬儀に参加できないですが、オンラインでの参列になる場合があります。
近所にCOVID-19で亡くなったと知られたくないという話も、このご時世ですから家族で葬儀をひっそりと済ませました、とすれば誰も深くは立ち入ってこないと考えます。
薬局のサイトにリンクしている記事としてふさわしいかどうか難しい内容ですが、意外と知られていないことなので解説しています。
と、色々ややこしいことが若い人よりも起こるので高齢者優先にしたとされます。
といいますが、65歳以上の人の人口は2019年10月1日現在で3589万人。
日本の人口の28.9%。医療従事者と合わせるとこの時点で3割余裕で超えます。
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