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薬の窓から

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記事一覧

日常の水分補給には経口補水液は不要

 やくそうです。

確か過去にも書いたであろうこのテーマ。今回は「食事を取っているなら水分補給は水分のみで十分」という根拠をお伝えします。

によると、日本人の推奨塩分摂取量は男性7.0g 女性6.5gですが、高血圧から腎臓病などの合併症を起こさないための塩分摂取量は6.0g以下とされています。

この数値をクリアするのは至難の業です。
ポテトチップス1袋60gで1.0g
麻婆豆腐のもとに入ってい

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カフェインをどれだけ飲んでいい?

こんばんわ、やくそうです。
今回は過量摂取が心配されるカフェインの話題。

米国食品医薬品局(FDA)では
成人では400mg
としています。

妊婦では、、英国食品基準庁(FSA)では200mgとしています。FDAでは300mg以上で低体重児が生まれるリスクがあるとしています。

では、お茶に含まれるカフェイン量はどうでしょうか。
ティーバッグやフィルター使用の場合
コーヒー 100mlあたり6

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「いつから出勤できるの?」2023/5/8からのCOVID-19感染後の療養基準の見直し

2023/5/8から、COVID-19が5類感染症扱いになります。これにより、患者の療養基準の見直しが行われます。(行政による行動制限の廃止、行政による患者に直接医療機関紹介などの支援がなくなるため)
 行政による隔離指示から、一応基準をあげとくよ、という形に変わるのですが、感染拡大予防の視点でこの基準が定められました。

5/8より、家族が感染していても、濃厚接触者の取り扱いはなくなり、通勤通学

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そもそも5類感染症ってなんだよ

こんばんはやくそうです。
2023/5/8よりCOVID-19が5類感染症に移行するわけですが、じゃあ5類って何か?という話をします。

1類から5類とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律で定義されている感染症の分け方です。類型によって行政が行うことのできる措置が異なります。
もとより数多くある感染症の中で5類までに指定される時点で国民生活に大きな影響を与える感染症であります。

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欧米でマスクを外す動きが強い驚きの理由

こんばんはやくそうです。

3/13からマスクの着用が個人の判断となるわけですが、
・医療機関受診時
・混雑したところに行くとき
・高齢者施設に行くとき
・施設(店舗・事業所)の管理者がマスクの着用を求めたとき
はマスク着用をお願いします。

マスクは自分が感染しないため、という以上に自分が他人に感染させないために存在します。
 というわけで、「この場所を利用する人にうつしちゃまずい」と思う場所に

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2023/3/13以降も病院や薬局、高齢者施設ではマスク着用をお願いします

 やくそうでございます。
2022/2/10にマスク着用についての方針が政府の新型コロナウイルス感染対策本部より出されました。
 マスク着用については「個人の判断とする」とされましたが、マスク着用を推奨とする場面も提示されました。

医療機関受診時
高齢者等重症化リスクが高い者が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等への訪問時
通勤ラッシュ時等混雑した電車やバスに乗車する時(当面の取扱)
 

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国産初のmRNAワクチン製造承認

第一三共株式会社プレスリリース
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンDS-5670の国内における製造販売承認申請について

https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202301/20230113_J.pdf

こちらのワクチンは
SARS-COV2ワクチン3回目以降の接種を前提としていま

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人生の場面に応じた健康を

先月原稿書き忘れました、やくそうです。

新年あけましておめでとうございます
今回は、健康の形は人生のステージによって異なるという話をします。

 糖尿病の治療ガイドラインでは年齢と認知機能と使用している薬剤によって目標とするHbA1cの値が異なっています。
65歳未満はこちら

 血糖値正常化を目指す場合 6%未満
 合併症を起こさないための目標 7%未満
 治療強化が難しい場合の目標 8%未満

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2022年忘年会の感染対策

こんばんば、やくそうです。
2022年、もし、忘年会をされる方がいればこちらの動画を参考にしてはいかがでしょうか。

上の動画は 大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)によるものです。
忘年会で気をつけるポイント
1.体調不良時は参加しない
2.食べるなら食べる、喋るならマスクをして別の場所で
3.共用の食器に触れるときは特に手指消毒を

基本対策は
1.こまめな手洗い
2.換気をしっかり

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薬剤師が行う残薬調整

 こんにちはやくそうです。
今回は「薬剤師が行う残薬調整」についてお伝えします。

「薬が余って処理に困る」
こういうことはありませんか?
ちなみに、9割のみ忘れがない状態であっても、1年も経てば1ヶ月分の薬が余ってきます。なので、1年以上飲んでいる薬で残っている薬が1週間ぐらいの方、非常に優秀です。ほぼ飲み忘れがないということですので、本当に厳重な服薬が必要な薬(種類はかなり限定される)でないか

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2022.09.15 療養期間短縮に関する注意

こんにちはやくそうです。

今回は、COVID-19感染後の療養期間短縮に関する注意を紹介します。

 COVID-19感染後の療養期間短縮について
発症後症状ありの場合10日→7日
症状なしの場合 7日→5日
と短縮されます。

しかし、実際には症状ありの人のウイルス排出は7日目を境に減少するとはいえ、8日目から10日目(症状あり)6-7日目(症状なし)も排出している人が1割程度います。

 で

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【2022.8.13現在】薬局で提供するSARS-CoV2抗原検査キット

 2022年8月13日現在、薬局で提供しているSARS-CoV2抗原検査キット の種類とその対象者をお知らせします。

1.若年軽症者への検査キット配布事業
年齢:12歳から49歳の基礎疾患がない人
(2010年(平成14年)の誕生日が来る人から
1972年(昭和47年)の誕生日前日までの人)
症状:微熱、咳など一般的な風邪症状のみの人
価格:無料
提供場所:薬局(完全予約制 まずは薬局に電話)

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水分摂取と冷房、命を守ろう

というわけでやくそうです。
今回は2年前の記事を引用して記事を書きたいと思います。

 今年の夏も非常に暑いです。しかも、節電要請という個人的には色々思うところのあるわけのわからない状況になっています。その上エアコンの供給が滞っている現状。
 毎年のように高齢者が冷房を嫌って熱中症で倒れて搬送されたり最悪の場合は亡くなった形で発見される事件が起こっています。たしかに高齢者は温度の調節機能が落ちて暑

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医薬品の供給不安定問題の現状とみなさんができること(2022/6/29)

 こんばんはやくそうです。

 昨今、薬局に行って同じ薬が出ているのに毎回メーカーが違うことありませんか。
 これが「医薬品の供給不安定問題」です。
一昨年の夏、あるメーカーが医薬品の製造手順に関し明らかに別の手順で製造し、別の薬の成分が入った薬を飲んだ患者さんが事故を起こす事件がありました。そこから、いろいろなメーカーで厚労省に出した手順とが違う方法で作っていたことが発覚し生産体制の見直しをする

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