見出し画像

マスクの正しい選び方・使い方~あることでマスクの性能がUPする!?~

マスクが徐々に出回りはじめましたね。
一時高騰してた価格も徐々に下がってきており、日本企業もマスク製造に参入してきています。不織布マスクや布マスクなど様々なマスクがありますが、今回はマスクの選び方・使い方、性能の見方について解説します。
※産業用(粉塵)マスクやN95マスクについては一般的ではないため省きます。

マスクの種類

マスクと言えば、以前は「ガーゼマスク」でしたが、現在は不織布マスクが主流です。

ガーゼマスク
平型マスクの代表といえばガーゼマスクです。高い保湿性と保温性が特徴で、睡眠時やエアコンの効いたオフィスなどで、乾燥からノドを守るのに役立ちます。しかし、ウイルスなど小さい粒子のものをカットする効果は低いです。

ポリウレタンマスク
伸縮性のある柔らかく肌にやさしい素材のマスクです。立体型になっており通気性がよいのも特徴です。花粉やホコリをカットできると言われていますが、一般的にウイルスをカットする効果は低いです。


不織布マスク
不織布とは繊維を織らずにいろいろな方法で結合させたもので、不織布を重ねたりフィルターを使用することで目の細やかさを調整でます。そのため「花粉用」や「ウイルス用」などシーンに分けて使用することができます。また基本的に使い捨てとなるため衛生的に使うことができます。
形状としてプリーツタイ プや立体タイプがあります。

マスクの性能について

では、マスクの性能について見ていきましょう。
市販されている不織布マスクで「フィルターが99%カット」や「99%カットフィルター」と記載されている商品を多く目にすると思いますが、「何を」カットしているのかも確認する必要があります。

マスクのパッケージに性能を表すものとしてPFE・BFE・VFEがあります。

PFE(微粒子ろ過効率)
試験粒子(0.1μm)が捕集(カット)された測定値
インフルエンザウィルス、ウィルス単体、結核菌ウィルスなどが対象となります

BFE(細菌ろ過効率)
細菌を含む粒子(約3μm)が捕集(カット)された測定値
花粉や咳・くしゃみに伴う水分を含んだウィルスの飛沫(ひまつ)などが対象となります。

VFE(ウイルスろ過効率)
ウイルスなどの飛沫(約0.1㎛~5.0㎛)が捕集(カット)された測定値
インフルエンザウィルス、咳・くしゃみを伴う水分を含んだウィルスの飛沫(ひまつ)などが対象となります。

一般的にそれぞれの粒子の大きさは以下のようになっており、

スギ花粉:30~40μm
黄砂  :0.5~5μm
PM2.5 :2.5μm以下
ウイルス:0.1μm
水分を含んだウイルス:1~3μm

ウィルス性の感染予防にはVFEやPFEの数値がより高いものを、花粉の予防にはBFEの数値がより高いものを選択するようにしましょう。

さらに、医療用の不織布マスクはこの他に以下性能が求められる場合があります(ASTM F2100-11)※手術室で使用することを想定

・呼気抵抗(㎜H2O/㎝2)【⊿P】
 呼吸のしやすさ
・血液不浸透性(㎜Hg)【FR】
 液体(血液)が飛散した場合、どの程度の圧力にまで耐えうるか。
延燃性
 電気メスを使用する際の、炎の広がりにくさ。


また、ドラッグストアで手に入れることができる「家庭用マスク」の多くは全国マスク工業会で策定された「表示・広告自主基準」に則って、表示内容が統一されています。性能については「対象項目」において「風邪・花粉・ホコリ等と表示する」とされています。風邪と記載されているものはウイルス用として使用することができます。

マスクは隙間を作らないことで性能UP

いくらカット性能が良いマクスを使っても隙間があればそこから花粉やウイスルが侵入するため、十分な効果が得られません。顔にしっかりフィットするマスクを選びましょう

画像1

画像引用:http://www.jhpia.or.jp/product/mask/mask2.html

隙間があるマスクの上からナイロン製の布をかぶせて密着させると性能がUPするという報告もあります。

粒子濾過効率の観点からの標準的な外科用マスクの代替としての布マスクの評価
Quantitative Method for Comparative Assessment of Particle Filtration Efficiency of Fabric Masks as Alternatives to Standard Surgical Masks for PPE
Amy V Mueller, Matthew J. Eden, Jessica J. Oakes, Chiara Bellini, Loretta A Fernandez
doi: https://doi.org/10.1101/2020.04.17.20069567

こちらの検証では手作りの布製マスクの上からストッキングをかぶせてマスクを密着させたところ、カット率が約15~50%が向上したとあります。

同様に、不織布マスクでも性能を向上させるようです。普通に着用した場合のカット率が50〜75%だったのに対して、ストッキングで密着させた場合は最大90%だったそうです。
※プレプリントのため、今後数値が変更する可能性あり

ウイルスサイズの粒子を使って検証しているため風邪やインフルエンザなどにも効果がありそうです。

ストッキングはさすがになぁ・・・という方は、こんなものでも代用できると思います。


マスクの向きあってますか?

たまにマスクの向きが逆さまになっているいる人がいます。
このマスクのように、色がついているとわかりやすいのですが、裏も表も白いと間違えやすいですね。

画像2

正しいマスクの向きは、プリーツが下向きです。

画像3

逆にしてしまうとプリーツの隙間にホコリやウイルスなどが溜まりやすくなります。気をつけましょう

ウィズコロナでのマスクの役割

5月の連休以降、少しずつ感染者数が減ってきてはいますが、これからはWithコロナの生活となります。
新しい生活様式の実践例でも「マスクの着用」が記載されており、しばらくは着用をこころがけるようにしましょう。

マスクの大きな役割は、「他人にうつさないため・エチケット」です。
無症状のうちからエチケットでマスクをするなんで無意味だという見解もありますが、新型コロナウイルスに関しては無症状の人が感染拡大に影響しているのではないかとも言われています。 
また、マスクをすることで口や鼻に直接触れることを防ぎ、接触感染を防ぐこともできます。 

さらに、こんな実験もあるようです。

マスクでは100%感染を防ぐことはできませんが、こうやって数値化することで意識が高まりますね。

これからは暑い時期・・・。マスクを着用するのにはつらい時期ですが、咳エチケットや接触感染予防に関しては、通気性がよい布製やウレタン製のマスクでも効果が期待できます。着け心地を追求した「夏用マスク」なんかも人気のようです。

これからのマスク利用は目的やシーンによって使い分けるといいかもしれませんね。

感染予防のために手洗いも忘れず続けていきましょう!
それでは。

続きをみるには

残り 0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?