見出し画像

第5話 たどり着いた会場は特等席

代わりのバスがサービスエリアへと到着し、ガイドさんからのアナウンスでツアー参加者はぞろぞろと新しいバスへ向かっていく。

「あー涼しいー!!」

思わず声が出てしまうほど快適なバスの環境に感謝があふれる。ガイドさんも代わりのバスを運転してくださった運転手さんも、必死の思いで手配してくださったことだろう。

さらに、バスには1人1本ずつ飲み物が用意されていた。真夏のお出かけは、飲み物がいくらあっても足りないくらいなのでありがたい。よく冷えた緑茶を手に取って席につく。

だいぶ時間をロスしてしまったので、サービスエリアからはノンストップで花火大会の会場へ。無事に到着したのが開始時刻の1時間前。

あんなに大きなトラブルがあったにもかかわらず、余裕をもって到着できるスケジューリングがすごい。バスツアーのタイムスケジュールはここまで余裕をもたせているものなのかと、妙に感心してしまう。

駐車場から団体席までは、なんと30分ほど歩くらしい。小学生の集団下校のように列を作り、ガイドさんを先頭にひたすら歩いた。

たどり着いた団体席は、打ち上げ場所からほど近い位置。かなり迫力のある花火が見られるのでは!?と期待が高まる。

サービスエリアで買った芋けんぴをほおばりながら、「いやーなんとか無事に着いてよかったね」と友人と会話を交わしていると、心臓が震えるほどの爆音と共に一発目の花火が打ち上がった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?