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「ナッジ理論」・・・「できない」・「しない」を「できる」・「する」に変える!医療現場でももっと活用できそう。

 ナッジ(nudge)とは、「肘でそっとつく」ことを意味する。
 「ナッジ理論」とは、「小さなきっかけ(気づき)を与えて、人々の行動を変える戦略」と言える。
 「さりげなく」という単語もしっくりくるかもしれない。
 下の具体例を見れば理解しやすい。
 意図的か否か分からないが、日常のいたるところで活用されているよう。

 <ナッジ理論を活用している具体例>
〇 産業保健師の現場にも使えるナッジ理論
〇 「ナッジ理論」とは?具体例6選!人を操る現代の魔法
〇 明日から使えるナッジ理論

 産業保健の検診受診勧奨の現場ではすでに活用されてる理論のよう。

 医療現場でも、
・ 薬を正しく飲んでくれない
・ 定期的に受診してくれない
・ 食事療法、運動療法を実践してくれない

 といったことは良く経験する。
 そういう時にこのナッジ理論を使えないだろうか。
 どんなふうにすれば「ナッジ」になる??

 上記のような患者を見て見ぬふりしてる医療者に対しても、もしかしたら使えるのでは?ナッジ理論。・・・奥が深いかも。

 ちょっと具体性を示すことで、誘導する・・・みたいな感じか。
 でも、今の医療は患者主体なので、例えば「薬は飲ませるのではなく、(自分の意思で)飲んでもらう」という意識で患者対応をしなければならない。
 具体性を示しすぎると、強制力が働くので薬を「飲ませる」ことになってしまうカモ。

 単刀直入に「どうすれば飲み忘れないと思いますか?」と患者に質問をして、飲み忘れない対策を自分で考えてもらうように誘導すれば、ナッジ理論を応用してることにならないだろうか。
 食事療法・運動療法なども同じ考え方でいけるかも。

 3スターファーマシストを学んでた時(2015年頃だろうか・・・)、京都大学の岡田先生が言われてた「患者さんから質問されても僕は答えを言わない。『どうしたらいいと思いますか?』と質問で返す」という言葉を思い出した。
 上記の考えと妙にリンクする。
 岡田先生はこの時すでにこのナッジ理論を応用してらしたんだろう。

 ナッジ理論・・・目の前にある思い通りに動かないものを、少し視点や考え方を変えることで動かしてしまおうとする理論。
 うまく活用していきたい。

仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。