ARBのドラッグエフェクトと降圧強度を比較してみる
カンデサルタン、バルサルタン、オルメサルタンは構造内に「カルボキシル基」を持ち、その部分がAT1受容体結合部と推測され、受容体と乖離しない一つの理由。
ロサルタンにはこのカルボキシル基がない(ので、他のARBと比して降圧効果が小さいと推測できる)。
また、バルサルタンはバリン基も有しており、これが AT1 受容体“選択性”
に強く関与していると思われる。
オルメサルタンはカルボキシル基に加えてヒドロキシル基も有しており、この 2箇所がAT1受容体に結合し、より強力な作用を示すと考えられている。
テルミサンルタンは他のARBと構造的に若干異する(テトラゾール基がない、イミダゾール基を2個持つなど)が、血中半減期が ARB の中で最も長いのが特徴である。
それぞれの降圧強度は、Dr.によって経験上の解釈は様々だとは思われるが、下記表のように考えるのが一般的か(2013 年 5 月現在)。
仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。