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尿中に排泄されたカリウム量で、腎機能を推測できる?

 血清Kが3.5mEq/L以下になった状態(基準値3.5~5.0mEq/L)が低K血症。
 細胞外のKは細胞内の約2%程度しかなく、体内K量は体内水分量におおよそ相関する。
 体重60kgなら体内水分量は約36L、血漿水分は3Lなので、細胞内K量は約100mEq/Lくらい。
 まずは尿中カリウム量によって推測する。
 採血せずとも尿採取である程度推測可能。
 尿中K量<20mEq/Lなら、細胞内移行、摂取不足、腎以外からの喪失の可能性がある。
 尿中K量≧20mEq/Lなら、腎からの喪失の可能性が高く、採血をして血清Kを確認すべき。
 さらに偽性低K血症の可能性も考える。
 これは採血した検体を室温に放置すると、血球成分(主にWBC)がKを取り込むことにより起こる(採血後できるだけ早く血球分画を分離すれば防げる)。

仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。