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お金を費やさずに合格したい、という贅沢

『これってお金かかりますか?』


「あー、また来たか」


正直、無料で教えを請おうとする人が来る度にこう思う。ちょっと舐めてるし、都合良すぎないか?と。


もちろん、それぞれにお金をかけられない経済的な事情があるのは百も承知で言っている。それは、分かっているつもりだ。


それでも、厳しいことを言いたい。お金をできるだけかけずに合格したい、なんてちょっと贅沢過ぎないか?


教育というのは、非常にお金がかかる。予備校に通うのだって毎年数百万円単位のお金を払うのが当たり前だ。無料で成り立つ教育なんて、日本にあるわけない。ボランティアであるわけじゃあるまいし。

昔、NPO(非営利団体)で無料で受験勉強の指導を行う組織が発足したが、長続きせず潰れてしまった。


当たり前だ。教育者にだって生活があるし、自分の生活を犠牲にしてまで他人に教育をできる人なんていない。慈悲に溢れているマザーテレサだって寄付金とかでエグいほど生活に余裕があった。それも何十億円ほどの単位だ。

自分に余裕がないと教育は成立するわけがないし、教育者として食べていけなくなるのなら職業を変えるしかない。


これは、僕たち自身が無料で教えてきたことがあるからこそ言っている。


無料で教えてきて良かったことはほとんどなかった。


・時間は取られる

・生徒の質問の質は低すぎる

・まじめではない

・受験をなめている

・突然返信がなくなる

・教えたことを実行しない


こういうことが横行した。


「お金がない」と目の前で嘆く人に手を差し伸べるのはキリがない。この人たちに時間を割いていても、収入的にも時間的にも僕たちがサポートできる立場にいられなくなるのは目に見えているし、あまりにも母数が多すぎて、これはもう国が解決する他ないと思っている。


こういった経験があるからこそ言えるが、


無料で教育を行うことは、お互いにとって何のメリットもない。


僕たちだけでなく、『あなたに』にとっても、だ。


そもそも教える側としても、無料で教えてほしいという人の望みを叶える義理はないのだ。ましてや僕たちの有料サービスを受けている生徒がいる中で無料ユーザーに多くの時間を割くのは、お金を払ってくれている生徒に申し訳がない。


そして、無料の場合教わる方も大抵『覚悟』がない。一番最悪なメッセージは、『この問題を解説してください。』せめて、どこが分からないのか具体的に説明するべきだし、解説なんて参考書の答えを見た方が早い。それでも分からないのなら学校の先生に聞けば良い。


それならば、お金を頂いて教育を行った方が断然良い。お金を頂くことで、お互いの意識が変わる。


・まじめである(本気)

・質問の質が高い(知りたいことをピンポイントで質問)

・言ったことを実行してくれる

・その結果伸びやすい

・教えてて楽しい


このような覚悟がある人だけに時間を使いたいのだ。一緒に成長して、一緒に喜びをわかち合うことに、僕らは大きなやりがいや魅力を感じている。


また最近は、『教育は信頼と契約によって成り立つ』と感じている。これがないと、おそらく教育は成り立たない。


信頼と契約の間には、お金が媒介している。


学校も予備校もそうだ。お金を払い、信頼と契約によって成り立っている。だからこそ教える方には責任が伴い、教わる方もやらないともったいないという使命感が生まれる。


信頼できるから、教えてもらったことを実践してみようと思うだろう。


もし誰かが正しいことを言ったとしても、その人を信頼していなければ耳に入らないことが多い。あなたの嫌いな人があなたに正しいことを言っても、果たしてあなたはそれを聞き入れるだろうか。



今、世の中には勉強法が横溢している。人によって、全く別の考えや経験を持っているだろう。まさに、百家争鳴だ。

正直、何を選んでいいか分からない、何が正解か分からない人は多いのではないか。そこで、1つ勉強の仕方を選ぶとしたら、誰を信頼しているかが選ぶ理由になるだろう。ただ、お金を介していない場合、それ本気で何ヶ月も続けようと思うかは、眉唾ものだ。

その理由は、『無料』だからに他ならない。覚悟もないし、やらないといけない使命感もない。


『無料でやってくれるんですか?』と質問する人に、逆に問いたい。

あなたは、無料で提供されているサービスを何ヶ月も利用したことがあるだろうか。

親を心配して、お金をかけたくないという気持ちは分かる。けど、それが親孝行につながるとは到底思えない。

独学に近い状態だと、浪人する可能性が高くなるのは火を見るよりも明らかだし、実際そのようなデータも出ている。長い目で見れば、浪人する方がお金がかかることは間違いない。


浪人した場合、1年間で予備校にかかるお金は平均100万円ほど(講習含む)。それ以上に、社会に出て働く年数が1年間減ることで、本来稼げたはずの何百万円分も損をしている。

もし現役で結果を出すことができれば、高給なバイトもできるだろうし、社会に早く出られることを考えれば絶対にそっちの方が効率が良い。


そもそも子供なんだから、親に迷惑をかけて当たり前。それをできる限り迷惑かけまいと出費を抑えて勉強しても、生産性のない毎日が続くだけだ。

親もそっちの方が心配になる。自分のせいで子供が苦しんでいるのではないかと思い始めるのではないだろうか。我が子の将来が少しでも良いものになることを願わない親などいない。


もっと言えば、頭の中にお金のことばかり浮かんで苦しくはないか?そんな悩みが勉強のプラスになるはずがない。迷惑をかけないように頑張る、ではなく、迷惑かけるけど、その代わりめちゃくちゃ頑張るから!という方が思い切り打ち込めるし成長できる。


自身の成長を第一に置くか、親に迷惑をかけないことを第一に置くか。


今一度、考えてみてほしい。


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早稲田大学商学部 金井幸平

高校はスポーツ校だった為、勉強とは無縁な生活を送っていた。しかし、サッカーをこのまましていたら、と考え始め13年やっていたサッカーを辞める。そこから、受験勉強に励むも、現役時代は失敗。浪人してから最初はバイトなどして適当に過ごしていたが、9月から本格的に気合を入れ1日17時間勉強する日を過ごした結果、早稲田大学商学部に入学。現在では、宇佐見天彗と共に受験生へ勉強サービスを提供している。


















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