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クアドラのプロデューサーに必要な素質とは? 3人の現役プロデューサーが語り合う

(2023年9月より、プロデュースチームはプロジェクトマネジメントチームと統合し、アカウントチームとなっています。アカウントチームについてはこちらの記事からご覧いただけます。)

広告制作業務において、総指揮を担うのがプロデューサー。道筋を立て、全体を俯瞰しながらチームを牽引していく必要不可欠な存在です。今回は、このプロデューサーの仕事について、ピラミッドフィルム クアドラ(以下、クアドラ)に所属する3名の現役プロデューサーにインタビューしました。登場するのは、入社4年目の​​師富、入社5年目の塚本、そしてマネージャーの溝渕です。クアドラという会社の魅力や求められる素質、スキルなど、求職者が気になる情報について尋ねます。


メンバー紹介

溝渕和則(みぞぶちかずのり)
プロデューサー / プロデュースチームマネージャー
広告業界のデジタル領域に魅力と可能性を感じ、2000年に当社の前身であるピラミッドフィルムへ入社。現在の代表取締役社長・篠原哲也らが立ち上げたデジタル制作部に配属された後、様々なデジタルコンテンツ制作に携わる。2007年に設立したクアドラに入社して15年目。

塚本貴洋(つかもとたかひろ)
プロデューサー
新卒で入社したテレビCMの制作会社ではプロダクションマネージャー、OOH専門の広告代理店ではメディアプランナーを経験。その後、改めて直接制作に関われる仕事がしたいと思い、デジタル全般の体験型コンテンツ制作をはじめ幅広いアウトプットを提案できるクアドラに入社。プロジェクトマネージャーを経て現職に至る。入社5年目。

師富玲子(もろとみれいこ)
プロデューサー
学生時代は芸術学部において、美術史やキュレーションについて学ぶ。 クリエイターに近い環境で、制作に関わる仕事がしたいという思いから、クアドラに新卒で入社。プロジェクトマネージャーを経て、入社2年目の下期よりプロデューサーとして活躍中。入社4年目。

クアドラのプロデューサーに求められるスキルは?

━━クアドラのプロデューサーに向いているのはどんな人だと思いますか?

溝渕_最新のデジタル知識やトレンドに強く興味を持てる人ですね。テレビCMのように専門性の高い領域を突き詰めるというよりは、価値観を刷新しながら新しいコンテンツをつくっていくことになるので。流行に対するアンテナの感度の高さはクアドラのプロデューサーとして重要な資質だと思います。

━━他には、どういったスキルや能力が求められますか?

溝渕_クアドラでは自社発信を積極的にしていますが、それ以上に力を入れているのがクライアントの抱える課題を解決する仕事です。
こうしたクライアントワークの多くは、受注段階で企画がどれくらい煮詰まっているのかが定かではないんですね。コミュニケーションプランからターゲットまで整理されており、技術的な部分でのフィジビリティ(実現可能性)を検証する案件もある一方で、ターゲットやKPIの設定から請け負うような案件もあります。

だからこそ、「相手の課題を解決しよう」という気持ちをしっかりと持ち、そのためにどう動けばいいか、どんなスタッフをアサインすればいいかを考え、マネージできる能力が重要になります。

━━抽象度の高いところから決めることもあれば、要件が固まった状態からスタートすることもあると。そうなると、どのような経験をしてきた方がクアドラのプロデューサーに向いているのでしょうか? 

溝渕_ものづくりに興味があり、さまざまな人と対話しながら一つのコンテンツをつくりあげた経験があるといいですね。相手の要望を聞き出して折衝したり、要望が難しいことであっても実現可能な提案を考えたりする必要があるので、自分の責任においていろいろ回している方、自分が主軸となって全部をマネジメントしている方は、業種を問わず相性がいいと思います。デザイナーやエンジニアなど、自分で手を動かしたい方は、プロデューサーよりもクリエイターの道が向いているかもしれません。

━━師富さんと塚本さんにも、プロデューサーに求められるスキルや素質をお聞きしたいです。

師富_プロデューサーはバランス感覚が重要です。社内のスタッフとやりとりしてモノづくりを進めていくのはもちろん、お客様に一番近いところにいるからこそ、双方の意見の折り合いをつけてプロジェクトをいい方向に導いていかなければいけません。そのバランスが取れることが重要ですね。クリエイター気質で作品にこだわりたい人よりは、いろんな意見を踏まえて道筋をつくっていける人が向いています。

塚本_確かに、調整力は大事ですね。各方面から意見を集約し、最終的にうまく結び付けられるファシリテーター気質のある方が向いていると思います。あと、制作における責任力も重要ですね。プロデューサーは最後の砦なので。

3人はなぜクアドラのプロデューサーになったのか?

━━塚本さんは過去に広告業界で2社経験されていますが、クアドラのどこに魅力を感じて入社したのでしょうか?

塚本_まず一貫して、制作に直接関われるポジションに就きたいと考えていました。なかでもデジタルコンテンツに将来性や可能性を感じていて、競争の激しい広告業界で生き残っていくためにも、デジタル領域を得意とする制作会社に絞って探していたんです。クアドラを選んだ理由は、Web制作会社という枠組みを超え、体験型のコンテンツづくりにも取り組むなど、幅広くアウトプットを提案できる会社だと感じたからでした。

━━新卒で入社した師富さんが、広告業界を選び、なかでもクアドラを選んだ決め手は何でしたか?

師富_会社にもよると思いますが、広告代理店だとクリエイターとの距離が遠い気がしたので、社内にクリエイターがいて、密にコミュニケーションを取りながら制作を進めていけるクアドラは魅力的でした。広告業界を志望したのは、クライアントの抱える課題をどう解決していくかによって、表現の手法がいろいろあるのが面白いなと思ったからです。

社内外の様々なメンバーをマネジメントするのがプロデューサー

━━ここからは、実際に仕事をどんなふうに進めているのかを聞かせてください。一つのプロジェクトにはどのくらいの期間がかかりますか?

塚本_単発で終わる案件は、お話をいただいてから1ヶ月以内で終わるケースもあります。量が多い案件や、プロモーションを年に何回も打つような案件だと、半年から1年かけることもありますね。

━━プロジェクトの規模にもよると思いますが、関わる人数はどれくらいですか? 

溝渕_プロデューサーの他に、制作進行、ディレクター、デザイナー、エンジニア(実装)と一緒に動いていきます。規模が大きいプロジェクトでは、それぞれの下にさらに数人つくことも。また、案件によっては外部のクリエイターに協力を仰ぎ、チームを結成することもあります。たとえば撮影が必要なときにはフォトグラアー、照明、メイク、スタイリスト。音声コンテンツのときはインタビュアーやライター……という感じで。最近だと、カプセルトイの案件は大人数でした。

師富_カプセルトイの案件は、企画出しから実制作まで全パートを弊社で担当したのですが、社内チームの他に、別会社の5〜6チームと協業しました。各社とコミュニケーションを取りつつ、利益相反が起こらないように慎重に調整しながら進めていくのが大変でした。

━━クアドラが請け負うプロジェクトは、ジャンルも規模も多様ですよね。

溝渕_はい。うちはミニマムな案件から大きな案件まで、とにかくバリエーションが多いのが特徴です。

塚本_溝渕さんが言うように、クアドラには決まりきったテンプレートが一切ありません。毎回オーダーメイドでつくることが多いからこそ、常に新しい感覚と知識が必要です。たとえばキャンペーンプロモーションのLPを制作する場合、毎回どういった施策にするか、誰とコラボするかといったいわゆるIP選定から入ることもあります。

━━過去に担当された案件で、これは面白かったなという体験談をお聞きしたいです。

塚本_コロナ禍でオフラインイベントができなかった時期に、SNSを活用した限定的なオンラインイベントを開催したことがあります。Twitterでトレンド入りしたり、ツイート数でダイレクトに反応が伝わってきたりして、やりがいがありました。テレビには視聴率という指標があり、Web広告やOOHも実施後にレポーティングで確認できますが、それらと比較しても、オンラインイベントはリアルタイムで今まさにどれぐらいの反応があるかが感じ取れて面白かったですね。

師富_私はイベントや体験型のコンテンツを担当することが多く、いろんな検証をしてきました。たとえば、QRコードを大きく印刷して、どの距離からだったら読み取れるかとか。発泡スチロールでジオラマをつくり、きちんとARが出るかとか。要件や使用する技術がまだ固まっていない段階で「こういうことを実現したいんですが、何か方法はありますか?」とご相談いただくからこその面白さだなと思います。

━━今のお話を踏まえて、溝渕さんにも「クアドラで働く面白さ」をお聞きしたいです。

溝渕_クアドラでは、毎回異なるオーダーに対して会社全体あるいはチーム全体で考え、試行錯誤しながら実現していきます。クライアントが求めている「まだ見ぬ」ものを実現すること、新しいアイデアを提案できることが、我々の楽しみだなと思います。

最新の情報をキャッチアップするだけでなく、デジタル領域ではルール自体が次々に変わるので、その変化に自身をアジャストしていく必要があります。その分のしんどさはもちろんありますが、同じことばかりやるよりも「毎回変化がある方が楽しい」と性分的に思える方には、ぜひクアドラに来ていただきたいです。

3人がやりがいを感じる瞬間は?

━━今度は、過去に担当した案件で「これはすごく大変だった」というエピソードもお聞きしたいです。

塚本_あるビールメーカーさんの見学ツアー内で流す、プロジェクションマッピングの映像コンテンツを制作させていただいたときのことです。映像制作の経験はありましたが、CG分野は経験が乏しかったので苦労しましたね。視察や検証、チェックも含めて実際に投影する場所へ何度も足を運びましたし、制作期間も限られるなかで、場所の仕様に合うようにつくるのは大変でした。多くの方にアドバイスを受け、CGの知見も身につけながら、手探りで進めました。

━━その大変さを、どうやって乗り越えたのでしょうか?

塚本_基本的なことではあるのですが、不明点をひとつずつ潰していくという地道な作業をしました。CGのような複雑な仕様が絡む案件では、わかったふりで進めてしまうと、やがて引き返せない事態になってしまいます。私含めスタッフ全員で、わからないところはひとつずつ潰して、二度と同じ「わからない」が起こらないようにしていくという基本中の基本の大切さを実感した案件でした。

━━テンプレートがなく、毎回新しいことをやっていかなければならないクアドラだからこそ、わかったふりで進めないことが大事なんですね。師富さんはいかがですか?

師富_昨年、「猫見障子」という自社開発プロジェクトを担当したんですね。普段はクライアントや代理店がいて、課題や実現したいことがすでにある状態からスタートします。でも、自社コンテンツはそういったものが何もない状態で始めるので、想像以上に大変でした。

途中、目指す方向がわからなくなったときがあったのですが、チームの中で一度仕切り直して、今つくろうとしているアイデアの一番大事なところ、アイデアの「核」を洗い出しました。

━━その企画の「核」は、何だったんでしょうか。

師富_「猫見障子」はモニターにCGの猫を映しているのですが、モニターの前にボカシの効いたアクリル板を挟むことによって、本当にそこに猫がいるような気配が感じられます。そこが面白みなんですね。「奥に空間が感じられることがこのコンテンツの核だ」とわかり、軌道修正できたことで、ロゴや展示もなんとか形になりました。結果的には、展示会で多くの方に楽しんでいただいて、社内でもアワードをいただくことができたのが嬉しかったです。制作過程もすごく勉強になりましたね。

━━自社開発プロジェクトならではの学びを得られたんですね。クアドラでお仕事をしていくなかで、どういう瞬間が楽しいと感じますか?

塚本_無事に終えられたときですね。毎回「乗り切れた!」という安心感がありますし、今までの努力が報われる瞬間です。お世話になった代理店の方々から「あのときは本当に助けてもらいました」と評価していただけるときも、やってきてよかったなと思えます。

師富_特に自社開発プロジェクトだと、展示会に出してリアルに人の反応が見られる喜びがあります。あとは、案件が終わった後、お客様から次のお仕事をいただくことができたときです。「前回のデザインがすごくよかったから、今回もぜひクアドラさんにお願いしたいです」みたいなお言葉をいただけるとすごく嬉しいですね。

個人の趣味嗜好を武器に

━━今回プロデューサーを募集していますが、入社して最初はどんな仕事から担当するのでしょうか?

溝渕_半年から1年ほどは、制作進行の業務に取り組みながらプロデューサーとしてOJTを受けていただく予定です。同じ業界の完全な競合から転職した場合は別ですが、それ以外の場合は業界の慣習やコンテンツ制作の流れ、提案の仕方などを把握していただく必要があるためです。

━━他の広告代理店や制作会社と迷っている求職者の方に、クアドラの何を一番アピールしたいですか?

塚本_デジタル系の会社は他にもたくさんありますが、我々は「新しいものを提供すること」においては抜きん出ています。だから、決まりきった仕事はしたくないと考えている方にとっては、すごく合っているのではないでしょうか。自由度も高いですし、自分の得意分野を活かせます。制作会社でありながら自社開発プロダクトをつくって積極的に発信している会社はあまりないので、そういったところでの知名度も強みとして挙げられると思います。

師富_体験系のコンテンツを上流の企画から実装までワンストップでつくれるのもクアドラの強みですね。予算面も含めてプロデューサーにはわりと柔軟に裁量できるので、社風としてはかなり自由だなと思います。

溝渕_クアドラは、ある意味で会社としての色がありません。自分の好きな趣味やコンテンツに関する提案を自由に提案入れてもよくて、これが刺さるのではないか、楽しいのではないか、お客様にとって有益なのではないかという裏付けが取れれば、どんなものでも会社として許容しています。

また、クライアントとプロデューサーの相性によって、ありとあらゆるトンマナの制作物がつくれる可能性があるのも魅力ですね。プロデューサーが「これが好き!」と言い続ければ、関連する案件のお声がかかることもあります。

━━同じ案件を頼むにしても、依頼するプロデューサーによってまったく違うアウトプットになりますよね。

溝渕_そうですね、属人性はあります。というより、お客様に「この人に頼もう、この分野はこの人に相談しよう」と思ってもらえて、しかも継続していただけるのは、むしろ属人性を買ってもらっているんですよね。それだけでやっていくわけにはいかないので、全般的な知識やスキルの底上げはしていますが、個人個人の趣味嗜好を仕事にも活用して、武器にしていけると考えています。
だから、最初に申し上げたトレンドのキャッチアップも、「ある領域については特に詳しいんだけど」という場合でも大丈夫です。それはプロデューサー個人の強みでもありますし、会社としての強みにもなります。もちろん得意分野以外のお仕事もできなくてはいけないので、自分が好きなもの以外の領域にも興味を持つようにはしてほしいですね。

自由度が高く変化も多い。「色がない」がクアドラの強み

━━それでは、読者のみなさんへ向けてメッセージをお願いします。

塚本_クアドラは自由度が高い会社です。日々の制作仕事のなかでも、これはやっちゃダメ、あれはやっちゃダメというのがない。お客様の要望に従うのはもちろんですが、こちらに委ねられているときは本当に自由に提案ができます。ときには企画のアイデアから出しても問題ないですし、縛りがまったくないのがいいところです。

師富_自分一人の仕事内容だけを見ても、毎年やっている仕事が違います。変化が多いし、いろんな人から学びながらみんなで考えてつくっていくというのがずっと続いているので、すごく楽しいですね。

━━最後に、クアドラという会社はどういう組織でありたいと思っているのか、溝渕さんにお聞きしたいです。

溝渕_クアドラには、いわゆる「この人こそ、ピラミッドフィルム クアドラだ」みたいな人はいません。それはある意味いいところでもあって、代表的な一人の人の色に影響されたり制限されたりせず、個人個人のやりたいことができます。「やりたい」と言い続ければ、会社も「いいよ」と言ってくれます。個人がやりたいことを主張したら、それをその人の性質のまま受け入れて伸ばすのがクアドラの魅力ですね。

能力さえあればどんどん上に上がれるし、予算も含めてプロデューサーの裁量権がどんどん大きくなります。他の会社に比べて、その辺のスピード感は早いと思います。やりたいことがある方、のし上がりたいという野心がある方、今の会社でも活躍はできているけれども同じことばかりやっているなと感じている方、一つのことに専門性は高いけれどももっと幅広いことをやりたい方は、ぜひクアドラに来ていただきたいです。

(この記事の内容は2023年3月3日時点での情報です)


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