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気持ちの芽みたいなもの。「やりたいから、やる。」と「やらされる」の間の無限。

ボランティアをやってる人たちや、その仕事を見てて思うのは、ちょっとした気持ちのスイッチのこと。紙一重の、ちょっとした関わり方のモードみたいなものが、なんというか心地良い。わたしは、人の気持ちのスイッチみたいなものに興味があって、ついついそういうのを観察してしまう。

たとえば「持ち寄る」みたいなイメージ。あまって溢れた分を少しずつ。気持ちや言葉や行動のおすそわけ。強いられる訳ではなく、自ら進んでやること。それは自分が満たされていて初めてできることかもしれない。でも不思議なことに、ちょっとした言葉や気持ちのやりとりで、少し足りなかったお互いのコップを満たし合うことができる。出すことで、満たされることもある。

反対に、やらされるとか、義務感というのは、人の気持ちを消費者モードにしたり、損得勘定とか幾多のモヤモヤを生む。こっちのコップの方が少ない、いや私の方が足りてない、被害者度が高そうな方が、免れたり逃れられたりする。ギスギスして、いつも何かが足りない感じ。求めれるほど、満たされない。

みんなが少しずつの気持ちを持ち寄るように、公共に関われたら、いろんなスキマが満たされていくのかな、と思う。

ボランティアこそ、気持ちが大事。

賃金労働であれば、それに見合った対価としてお金が支払われて、ちょっとくらい嫌なことでも、「しゃーない、ちょっと頑張ってやりますか〜」とかなるけど(ならない仕事もあるでしょうが)、それも含めて、わかりやすく、お金が媒介される。

けど、ボランティアは、時間をお金で売り買いしたり、成果をお金で売り買いしたり、そういう交易ではない。もちろん活動にかかる実費や、多少のごほうびがもらえることもあるけれど、基本お金が介在しない交易。

公園そうじも、町内会や自治会や子ども会も、学校のPTAや保育園幼稚園の役員も、通学路の見守りも、災害支援も、オリンピックのサポートも。どんなボランティアだって同じ。絶対的に大事なのは、気持ち。やらされるんじゃなくて、「やりたいから、やる」という気持ち。あと、「やらない自由」。

気持ちの芽みたいなものを、大切にしたい。

出たばっかりの小さな芽、育つのをゆっくり見守って、自分から動く時を待つ。育つスピードはそれぞれだし、動き出す大きさもそれぞれだけど。

育つ前から刈り取られる恐怖感や圧迫感はキツイ。まだ準備できてないのに「そろそろだよね」的に声をかけられるのも、キツイ。たとえそろそろな頃だったとしても、むしろ逃げたくなる。拒否モードに入ってしまう。

「あ〜宿題そろそろやらなきゃな〜」と思いながらグダグダしてる時に、「宿題やったの〜!?ちゃんとやりなさいよ〜!」と先に言われて、やる気完全喪失するあの感じに近い。

気持ちの芽を摘み取るべからず。宿題はボランティアじゃないけれども。「自分からやる」と「やらされる」は、ぱっと見、同じ「やる」という行動に見えるけど、全然違う。気持ちの入口が違うから。そこはとっても大きくて、モードが違うと、やる気が断然違ってくる。楽しさも気持ちも正反対。前向きか後ろ向きか。パフォーマンスもきっと全然違う。

子育て世代と公園ボランティアは相性がいい。

地域の小さなボランティアは、ゴミ拾いも、ビーチクリーンも、花育ても、ご近所の声かけも、町内会通信も、愛があるなあと思う。でも、いろんなものの中でも、相性っていうのはある。その点、子育て世代に公園は最高だったりする。

道や駅前だと危険が多いし、注意しなきゃいけないことが多すぎて目が回る。そして歩きながらゴミ拾い〜なんていう活動の場合、完全についていけず出遅れたり立ち止まったりして、必中必殺で離脱せざるを得ない。

でもその点、公園なら、基本クルマは来ないし、移動せねばのプレッシャーもないし、遊んでいられる。飽きたら、遊具もあるし、何の気兼ねもなく走り回ったりできる。そもそも遊ぶところだから、遊んでいてくれたら、それでいい。大人が気持ちがラクというのは、本当に大きい。

子どもだって、自分たちが遊ぶ公園をキレイにするのは結構楽しい様子。

町歩きが楽しい人なら、道をずっと歩きながらゴミ拾いをするのもいいし、海のいろんな楽しみを広げたい人ならビーチクリーンもいい、山でも川でも花でも、なんだっていい。

みんなが少しずつ自分のやりたいことの近くで、気持ちを持ち寄ったら、少しずつ温かくなるんじゃないかな。満たし合うように、楽しくなるんじゃないかな。余裕がなくても、ちょっと余裕ができたり、笑って誰かと関わる時間ができるんじゃないかな。そして公共のスキマみたいなものが満たされていくんじゃないかなと思う。

言葉をかけあうだけでも。きっと。そう思って今日も言葉をかけよっかな。


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