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おのでら鮨アカデミー進行中 #16 #17:特別講義①

  • はじめに
    おのでら鮨アカデミー(OSA)全100回の7日目。今日(2024/9/26)の選択科目は「特別講義①」で2コマ分です。「銀座おのでら」の世界統括料理長の坂上親方の授業とあり、満席クラスでした。自分は混雑が嫌いなので、やっぱり少人数クラスがいい。ここでは「特別講義①」を自分が理解できた範囲で振り返ります。

  • 本日の学び
    座学でグローバルな視点で「鮨」を見た時の話かなと思っていましたが、がっつり料理長起点の調理実習でした。挨拶も早々に、シャリ仕込み→小肌の仕込み→アジの仕込み→料理長の握り見学であっという間の2時間半でした。

  • 口内調味
    「鮨」は口の中で完成する。だから口の中でどのようになるのかをイメージすることが重要だそうです。例えば、そしゃく回数が多い方が口の中で味わえるので米を固めに炊くや口の中では1mmの違いを感じることができるので、魚の仕込みをできるだけ身を残しボリューム感を出すなどです。一方で、人種によってもいろいろ好みが異なるそうで、迎合してしまえば江戸前鮨としてあるべき姿から外れてしまうため、客に寄せすぎないということも大事だそうです。

  • シャリ仕込み
    良いシャリを作るために、いくつかのtipsが共有されました。米はこまめに炊く、出来たのシャリはおいしくない(かならず少し置いてなじませる)、温度は人肌より少し温かいくらい、握りづらいシャリはまずい、シャリが置かれている環境をふまえてシャリを作る、米が熱いうちに酢を均等に混ぜることが一番大事、ダマは握る時に邪魔になるので除く、あおいで余分な水分をしっかり飛ばすとつやが出る、などです。

  • 小肌仕込み
    料理長の小肌の仕込みを見学後、各自で小肌3匹の仕込みを行いました。まずは3枚におろしていきます。うろこ・血・骨をしっかり取ること、良く水洗いすること、腹を洗うときは腹膜を壊さないようやさしく洗うこと、切る時は角を決めること、魚の骨の形を理解して刃を入れていくこと、小さい魚であればあるほど身をしっかり残すことが大事だそうです。今回の小肌は15cmくらいでしたが、新子などだと数cmで同じことをするので驚きです。3枚におろした身をざるに並べ、塩を裏表にします。ざるから50cmくらいの高さから粉雪が降るようにパラパラと塩をします。うっすら積るくらいの感じです。10分ほどおいて身に汗をかいてきたら、水で2,3度洗い、洗酢で1回洗い、白酢に5分ほど本漬けし、酢からあげ水気を切って2日間寝かします。実務では、塩や酢の塩梅は小肌の状態で細かく変えているそうです。ちなみに小肌は塩と酢をして寝かせないと、独特の臭みがあったり、小骨が気になってとても食べにくいそうです。食べ比べをするとはっきり分かるそうなのでいつかやってみたいです。

  • アジ仕込み
    時間の関係で、調理はなく見学のみでした。基本的には小肌をおろす時のポイントと同じです。光物(アジ、サンマ、イワシなど)は真水で洗うと光が失せるので、塩水につけて光を戻すことが大事とのことでした。3枚におろしてからは、旨味を引き出し臭みを抜くために塩をして(この塩は小肌の塩とは目的が異なる)数分おき、水で洗い流した後、皮を引きやすくするために酢氷水で洗います。何気なく食べていたアジ1貫の鮨にこんなに手間がかかっているのだと驚きました。

  • 握り見学
    手つきも鮨もあざやかで美しかったという感想につきます。鮨は高さがあり立体的な印象でした。飾り包丁もすでにあるものだけではなく、新しいものを紙で実験したりして考案し続けているそうです。ただ、味にはそんなに関係ないとのことでした(意外)。自分も食べる人から見て、料理長には程遠いとしても「握ってもらってよかった」と印象を残せるくらいには、技術を高めたいと思いました。

  • 先生と自分の調理比較
    調理比較はありません。リアルに集中しすぎて料理長の鮨の写真を撮りそこねました(反省)。

  • 改善点と次回の目標
    包丁の扱いが全然追い付かないので、今日の学びを生かして小さな魚の仕込みを家でもアカデミーでも数やっていこうと思いました。

  • おわりに
    料理長が「鮨」は「伝統文化」で「はやり」ではないという言葉が印象的でした。「はやり」を追うと大変だし、「伝統」を外してしまうと型なしになってしまう。「伝統」に沿った中で、日常のルーティンに疑問を持って変え続けていくことが道で、完成はない。だからこそ、仕込みのこだわりや「鮨」を提供する演出の美しさ(すべて見られてもいいようにすべてが整っている状態)への探求が重要だということで、あらためて自分がやりたい「鮨」のイメージを膨らませていくこと、基礎を身につけてしっかりやり込むことが大事だなと思いました。

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