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ギリシャ国旗の歴史とギリシャ国旗が表すもの

ギリシャを訪れるとあらゆるところでブルーと白の爽やかなギリシャ国旗を目にします。アクロポリスの丘の展望台にも、また近代オリンピック競技場ではギリシャ国旗とオリンピックの旗が風になびいています。今日はこのギリシャ国旗の歴史と国旗が表していることをご紹介します。

ギリシャ国旗

現在の国旗ができるまで

オスマントルコからの独立を得るためにギリシャ人が戦ったのが、1821年に始まったギリシャ独立戦争です。兵士を率いる各指導者たちは、思い思いに旗を作って士気をあげていました。作るにあたっては、トルコ人への憎しみ、ギリシャの歴史、伝統やキリスト教という要素が取り入れられていました。1821年トリポリでの戦いの直後、分裂したギリシャ兵を一つにまとめるきっかけを作った英雄パパフレッサは、手下の者に何枚にも重なるスカート(当時の民族衣装)から二枚ほど引き裂くように命令しました。そして自分が中に着ていた青色のシャツを破り、白地に青色の十字架の旗が作られました。この旗が後に公式のギリシャ国家の最初の旗のデザインとなります。1822年、独立に向けてのエピダブロスでの会議で、ギリシャ国家としての革命を表す一つの旗を作ることも議論されました。その結果、神、自由、祖国を象徴する意味で青と白色の十字架の旗を作りました。これがパパフレッサが作ったものと同じです。それ以来軍事政権までの長い間、白地に青の十字架のオリジナルのものと、色を反転させた青地に白い十字の旗を陸上用などまたすこしパターンを変え海上用として使用していました。1978年軍事政権が崩壊した後に、現在の青と白、十字と縞模様の国旗が制定されました。

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青と白の意味するところ

青は、ギリシャを象徴するエーゲ海を代表する海の色を表しているというのが定番の答えなのですが、空の青とも言われています。それ以外にも、ギリシャ神話知恵の女神アテネがつけていたベールの色に由来しているとか、アレキサンダー大王が使っていた旗が白と青だったからとも言われています。また、ビザンチン時代の役人の正装の青と白の色からだとか色々な説が言われています。一般的には、白色は波の泡の色からであり、独立を求めたギリシャ人の純粋さと崇高な精神を表すことからと考えられています。

ギリシャ国旗花

9つの縞模様の意味

9つのストライプもいろいろないわれがあります。ビザンチン時代、クレタをイスラム教徒から解放した二キフォロス・フォカス皇帝の旗には青と白の9本の横縞が含まれていたからだとか、ギリシャ神話の9人のミューズ(音楽の神様)を象徴しているとも言われています。しかし最も信じられているのが独立戦争の際のスローガン「自由か死か」という言葉の9つの音節数と、ギリシャ語で自由を意味するエレフテリアの9つの文字数です。ギリシャ人にとってオスマントルコからの独立は非常に大切な歴史で、自由の精神の象徴でもあります。

独立戦争時の旗

十字架

十字架はギリシャがギリシャ正教会を国教とする国であるということを表しています。聖パウロがギリシャにキリスト教を布教して以来、ギリシャ人のほとんど大半の国民がキリスト教の一派ギリシャ正教会の信者であり続けています。

最後に

現在のギリシャ国旗が作られた時の公式の文書には、この旗の持つ意味が記載されていません。したがって正式に断定して言えないということで、まだまだ秘密が隠されているのかもしれません。しかし、ギリシャ人にとってギリシャ国旗は自分たちの誇りを表しています。3月25日の独立記念日には街中に、また各家庭のベランダにギリシャ国旗が挙げられます。近代オリンピックの開会式ではオリンピック発祥の国として一番最初に世界の人々が目にするのがギリシャ国旗であり、ギリシャの選手団なのです。この国旗がギリシャの歴史、独立解放への自由の精神を表しているのです。(Written by Yuki)

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