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私の好きなミルクさんの歌 001

あまりネガティブな文章ばかりが並んでも面白くないので、気軽に自分がいいと思ったミルクさんの短歌を一つずつ紹介していこうと思います。
作られた時期やブログに投稿された時期などがずれていることもあるかもしれませんが、そこは大目に見てやって下さい。

まずは爽やかな比喩も映える季節感たっぷりの一首です。

・ 風をよみ耳をあてるよ欄干は青い五月のステソスコープ

すぐに調べましたよ。ステソスコープ。
「聴診器」のことでした。
欄干が青い五月の聴診器って、なんだか素敵な歌詞のような一節です。
もうこの歌全部が歌詞の一部になっていても何らおかしくない気がしてきまして、丁度よい音楽は無いかなと探していたところ、山下達郎さんの「風の回廊」が一番しっくりきたことを思い出します。

幼い頃に鉄の欄干に耳をあてた想い出、些細な風の音も何だか不気味な音で伝わってきて怖かったけれど、目の前にあるのは五月の緑に揺れる水面だけ。風とは言えないような空気の流れでも、静かに耳を傾ければ感じられるというミルクさんお得意の気付きに満ちた一首だと思います。
ノスタルジーもあり、爽やかさもあり、気付きもあり、語感もリズムもいいのでとても気に入っている大切な歌です。

ミルクさん 短歌のリズムで  https://rhythm57577.blog.shinobi.jp/