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体のトリセツ  #5~怪我が起きる仕組み<その1>と体の構造

こんにちは、パフォーマンスビルダーの三浦千紗子です。
今日は「怪我」や「体の痛み」について。
健康は資産、アスリートなどの特殊なパフォーマンスする人はもちろん、日々生活する上で、また様々な職業を全うする上で、体は生涯を共にする大切な相棒ですからね。「怪我」や「痛み」に困ることなく快適に過ごせることが大切だと考えています。
今回は「怪我」や「痛み」に対する私の考えを、2回に分けてお話してみたいと思います。


1、 健康は資産、体は全ての資本

私が考えていることのベースは、まずここにあります。

「パフォーマンスビルダーとは」にも書きましたが、私の仕事の目的は「怪我の予防」と「パフォーマンスの構築」です。「クライアントさんが、トレーニングをして大会で優勝するなど自分の目的は達成したけれど、その代わりに怪我をしてしまった」というのはパフォーマンスビルダーとしてはナンセンス、「NO~!」です。
ましてや、体を使うことを「生業:ナリワイ」としている人には、体を大切に扱ってもらいないなあと考えています。
なぜなら体は、簡単に交換できないものだから。物と違って「壊れたら買い替える」ということはできません。

例えば、MLBでは選手の入団前に体のメディカルチェックを入念に行い、怪我の既往歴等を把握し、それも含めて選手の価値を判断してから具体的な契約内容を提示するようになっていますよね。アスリートにとって、自身の体は商品としての価値でもあり、怪我に悩むことがなければ選手生命も長くなる可能性があります。それらの複合的な要素で、契約年数と年俸も変わってくるでしょう。


2、 怪我は防ぐもの

そしてその怪我に関して、私は絶対的に「予防ありき」の考え方です。

『怪我は防ぐもの』
防げるんです。

そこを声を大にして届けたい!!笑

もちろん、アクシデントとして起きてしまう怪我もあります。
例えばラグビーやアメリカンフットボールのように、絶対的にコンタクトを求められるスポーツ。スキーやサーフィンのように自然の環境の中で行うスポーツで、雪や波に足をとらえれて、スキーの板に引っ張られ膝の靭帯を伸ばしてしまうケースやサーフボードにぶつかってしまうケース。
なので「絶対怪我は防げる」とは言えませんが、いわゆる「慢性的な怪我」は防げるものと思っています。

怪我には主に2種類あります。
 ①先ほどの例のように突発的に、事故のような状況で起きてしまう怪我
 ②慢性的な疲労や痛みの積み重ねで起きる怪我
パフォーマンスビルダーとしては、この慢性的な積み重ねで起きる怪我に関する予防の観点が重要です。


3、怪我が起きる仕組み

なぜ怪我は予防できると考えるのか。それは怪我が起きる仕組みを考えてみるとわかりやすいと思います。

1、 怪我が起きる理由
これは絶対的にフォームが関係しています。
例えば、本来人間が走る時には大きなエンジンであるお尻の筋肉を上手に使うのがベストです(「パフォーマンスビルダー三浦の視点 #4 ~クロスカントリースキー」も参照ください)。

しかし、そのビッグエンジンよりも、ふくらはぎの小さな筋肉をたくさん使って走っていると、当然のことながらふくらはぎには疲労がたまり、一般的にふくらはぎの怪我であるシンスプリントや疲労骨折、肉離れ、またその付近にあるさらに小さなパーツである足の裏や足首にも悪影響を及ぼします。

「小さな筋肉ではなく大きな筋肉を使う」
ことが大事ですね。

その人が何千回、何万回と繰り返すフォームが間違っていたら、それは怪我の原因になることは確実です。
詳細は「パフォーマンスビルダーとは」という記事に書きましたので、こちらを参照ください。

2 、体のパーツごとの役割
1 でも述べたように体には各パーツに役割とセオリーがあるのです。
「パフォーマンスビルダーの視点 #3 ~クライミング:四駆の体づくり」にも書きましたが、人間の体の役割を大まかに解説してみましょう。

体の役割

まず、大まかにこのような役割があります。
下半身は大きな関節の安定性が高いので、大きな力を出すことが得意です。
特にお尻の筋肉がついている股関節は、その役割に適任です。
オリンピック等の世界大会を見ていると、トップアスリートはお尻の筋肉が発達している印象はありませんか??お尻はキュッと上がって大きく、ふくらはぎはキュッとしまってスラっと。やはり理に適った動きをしているから彼らが発揮できるパフォーマンスも素晴らしいものなのでしょう。
体のバランスや筋肉の付き方を見ると、だいたいどんなパフォーマンスをするのか想像することができます笑
選手の体つきを見て、こんな感じかな~と想像して実際の試合を見るというマニアックな見方が私のスポーツ観戦の癖になってしまいました笑

もう少し具体的に見てみるとこんなイメージでしょうか。

体の構造


画像引用:「イラストAC

このように体の各パーツには元々の体の構造から考えて、それぞれに任された役割があるのです。

例えば、「肩を脱臼した」という話は耳にしますが、「股関節を脱臼した」という話はあまり聞かないですよね??
どちらも同じ「球関節」と言われる構造で、太ももの骨、腕の骨の頭が丸くなっており、縦横斜め、自由に回転するような自由な仕組みになっています。

画像3

出典:「改訂版 身体運動の機能解剖」
医療の日本社

ただ、同じ球関節でも股関節の場合は骨盤という大きくて頑丈な骨に組み込まれているので、そのために自由に動きつつも、安定感を持ちながら大きな力を出せる仕組みになっています。一方で、肩の場合は自由な動きができるように、骨は浅くはまっており、細かい筋肉や組織が支えるような仕組みになっているため、自由な動きが保証されている代わりに安定性は弱くなっています。そのため「肩を脱臼した~」という事態が起きやすいのです。
このような特徴を持つことからも、上半身は大きな力を出す役割ではありません。
大きな力を出すのは下半身、細かい動きをするのは上半身というような大まかな役割分担が生じているのです。

●足(足部):体全体を支える全ての土台の役割
●下半身:走る時、ジャンプする時などのビックエンジンの役割
●体幹部:主に上半身、そして頭部を支えたり、
●下半身や上半身で生み出した力を伝え合う役割
●上半身:道具やボールに力を伝える、細かい操作をする、
    体の向きを変える役割

体は各パーツには役割があり、その性質に合わせて適材適所で役割分担をし、フォームづくりをすることが、怪我の予防に繋がります。


4、おわりに

今回は怪我が起きる仕組み<その1>でした。
<その2>へ続く~です。


画像引用:見出し「PIAXABAY

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