茨城空港が"東京"の名を冠する意味はある

 お久しぶりです。今回は少し政治的かつ私の趣味を絡めてお話をしていきたいと思います。私は昔から鉄道や飛行機が好きで、その分野において若干関心が高いので以下のような記事についても拝見しました。

 茨城空港が東京の名前を冠することについて、私の意見を述べていきます。Twitterのトレンドにも上がるくらい、なかなか批判されています。「東京の名前がつくことで、茨城としてのプライドを失う」「外国人が本物の"東京"と勘違いしてしまう」「シンプルにダサい」など様々な意見が見受けられます。
 結論から言うと、個人的には茨城空港が東京の名を冠することには賛成です。では、その理由を述べていきます。

首都圏第3空港構想

 それについて述べる前に、まずは「首都圏第3空港構想」というものに触れておく必要があります。

 ソースとしてウィキペディアをあげるのは少し抵抗がありますが、よくまとまっているので概要としては悪くないと思っています。

 要は羽田、成田空港の需要が多すぎて空港や飛行機の通るルートなどの容量がひっ迫している、そのため2003年ごろに第3の空港を設置する構想ができました。

 そんななかで航空自衛隊百里基地に民間共用化という形で、茨城空港が2010年に開業しました。そのためこの茨城空港は首都圏第3空港の候補の一つとなったわけです。

 そんなわけで航空需要が増えていくなか、成田と羽田からあぶれた路線は茨城空港に流れるのではないかと考えています。


"TOKYO" の知名度と「新東京国際空港」の前例

 つまり茨城空港の需要を拡大させる云々の話は、最早茨城だけの問題ではなく日本の航空業界の中でも重要なものになってきます。茨城空港の需要を拡大させない限りは、羽田と成田の需要を抑えることができなくなりつつあります。

 羽田は都心にかなり近いためできるだけ利便性の高い便を増やそうとします。そのため国際線(現:第3)ターミナルにサテライト、サテライトのサテライトを建設したり、第2ターミナルを拡充して国際線に充てたり、できるとこまで空港を拡張していますが、なかなかそれでも追いつかないくらいに航空需要は増える一方です。

 また、成田はそもそも長い間周辺住民による過激な反対運動があったり、現在もそれは続いています。滑走路も平行滑走路が2本しかないという問題を抱えています。

 そのため茨城空港の国際化は割と重要な問題になってきます。その際に "IBARAKI" という名前で海外にアピールするより "TOKYO" の名を冠したほうが外国の方もピンとくるのではないでしょうか。

 前例として成田空港が「新東京国際空港」という名前だったのはご存じでしょうか。成田が東京を名乗るなら、茨城が東京を名乗るのもうなずける話だと思います。または東京の名を入れるのを "IBARAKI" という名前が海外で定着するまでの一時的な策とするのもアリだと考えてます。10-20年くらいは「東京茨城空港」として、そのあとまた「茨城空港」に戻せばいいのです。

 また、地理的に遠い分には問題ありません

 以上の記事の通り100kmもその空港の名前の市から離れているところもあるくらいです。そもそも成田もかなり遠いと思います。

 よって茨城空港の拡張、国際化のステップとして永続的、もしくは一時的にでも、「東京」の名前を冠することが有効になると私は考えています。


茨城空港の拡張、国際化における課題

 しかし、茨城空港を国際空港として機能させるには、様々乗り越えなければならないステップがあります。

 まず、滑走路問題です。現在、中型機が発着できるような平行滑走路が2本ありますが、このうち片方は自衛隊が利用しますし、そういったことがあるため民間機は1時間に一本しか飛ばすことができないそうです。そのため現在(コロナ感染拡大前)の本数が容量ギリギリであったということです。
 また大型機や欧米線などの長距離路線(燃料による重量増加のため)は、滑走路の長さ的に飛ばすことが難しそうです。とはいえハワイ便が飛んだ実績もありますし、中型機が飛ばせるだけでもかなり成田、羽田の便数緩和に貢献できるはずです。

 そして空港アクセス問題です。東京から500円で乗れるバスがあったり、空港駐車場の利用が無料であったり、現在でも利便性向上には力を入れていますがそれでも難ありといった感じです。
 県内主要地からはバスが出ていますが、長距離が路線バスで高かったりする場合もあり、県北にはバスが出ていないので、便利とは少し言い難いです。
 つくばエクスプレス茨城空港まで延伸する計画がありそうですが、これが実現すれば、かなり利便性が良くなるのではないかと思います。

 これらの問題を考えた際、茨城空港をLCC(Low Cost Carrier)専用空港にしてしまってもいいかもしれません。LCCでは大型機を採用している航空会社も少ないですし、空港使用料も羽田、成田より3割ほど安いとのことなのでLCC向けな空港だと思います。
 JALグループで新設した新しいLCC、ZIP AIRが主に発着するハブ空港として茨城空港を利用させるというのもいいかもしれません。

茨城空港の魅力、最後に

 茨城空港は私も何回か利用しましたが、空港自体がそんなに大きくなく便数も少ないので到着時に預けた手荷物が返ってくるのが早いです。
 また、羽田や成田のように巨大なターミナルと違って、空港内の移動が少ないので疲れがあまりないです。羽田、成田だと食事したりお土産買ったり休憩買ったりして搭乗口に行くまでかなり歩き回りますが、茨城空港はコンパクトなのですべてが近い位置にあって使いやすいです。
 おまけに無料Wi-Fiがあるので、仕事を進めたり暇つぶしで動画を見たりすることもできます。誰でも使えるテーブルには電源も完備されています。

 このように魅力の多い茨城空港の知名度をもっと高めるためにも、「東京」の名前を冠することを推し進めていただければと思います。

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