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“マーケティング戦略”の設計ステップ(後編)


前回に続き、“マーケティング戦略”立案を担う方に参考となる策定ステップの後編をご説明します。

4. 理想の状態を実現する環境の設計

ターゲットをどのように動かしたいのか、つまりどのような情報をインプット出来ると、頭の中(心の中)が変化し、行動へ誘うことが出来るかを設計し終わった上で、その理想とする状態を実現する情報環境の構築へと移ります。

文章で書くと自分でも理解していると思われる方が多いのですが、前回も述べた通り、ここが一番難しく、勘違いしがちな点です。

 勘違いの代表例を説明すると、わが社の製品Aの優位性Xを伝えることで、魅力を理解してもらい購買へ促したい。だから、広告で優位性Xを訴求することで購買を促すことができる。つまりターゲットに接触する広告手法(手段)の探索と設計が最重要だと認識している状態です。

 モノ余りでなく、消費者がその新商品を知れば(認知すれば)飛びついて買ってくれる時代であれば、先の例で十分でした。しかし、今の時代は残念ながらそのようには行きません。

 前回説明して3のステップを設計した上で、理想とする状態を実現する情報環境の構築へと移ります。

ここで大切にするべき視点は広告メニューの選択という視点の脱却です。

広告メニューを探し、最適に組み合わせることが、情報環境の設計だと誤解している方が多いです。情報環境の設計もプロダクトアウト的に企業からの発信視点ではなく、ターゲットの視点に立ち戻り、ターゲットが日々接している情報源から逆算し、どこから情報が伝播していくことが理想なのかを一度整理し表出化します。

 その上で、広告はもちろん、第三者からの発信(PR)、クチコミ、対人コミュニケーション、ターゲット自らが行う情報探索活動(WEB検索)などあらゆる接点で出来ることを設計し、実行可能な戦略プランに落とし込みます。

5. 実行計画

ようやく実行計画です。
先に設計した実行可能な戦略プランを実行するに当たり、実行スケジュール化とKPIを設計します。

スケジュールはガントチャートなど活用し、着実に実行計画を遂行できる様に配慮する必要があります。この点においては皆さん日ごろから上手く進められていると思います。

一方で、KPIには多くの間違いが見られます。KPIは第一義的に目的の達成度を把握し次につなげる、つまりPDCAを実行する指標ですが、計測だけして満足しているKPIが多いのではないでしょうか。

重要なのは、KPIをツリー構造で設計することです。

図1

 実行施策の実行達成度や目的通り実行されたかを判断するKPIが最下層にあり、その上で、それらの施策の活動がどのようなKPIに寄与するのか、階層別に整理することが大切です。
 同時に、先ほど述べた通り、KPIはPDCAに生かせないと意味がありませんので、変化する指標をつど測定し取得する必要あります。

PVやUUは数字の変化は一目瞭然で、皆さんもご理解されていると思いますが、広告効果や情報発信におけるターゲットの頭の中の変化をどう指標化するのかを悩み、後回しされているケースが多いです。その場合、ターゲットの関心や理解、態度など計測可能な尺度を、7-11段階で測定し細かく変化を追いかけることが大切です。

各指標の変化をしっかり捉え、どのようにPDCAを回すべきか予め設計し、ようやく“マーケティング戦略”が完成となります。

“マーケティング戦略”はステップを踏んで一歩ずつ設計すれば難しいことはありません。これまでご説明した中で、3と5が抜けがちですが、このステップをチェックリストの様に活用いただければ幸いです。

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マーケティングコンサルタント。 マーケターにとって少しでも参考になること発信していきます。 企業経営に価値あるマーケティングを日々考えている、インテグレート執行役員 https://www.itgr.co.jp/
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