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"マーケティング戦略”の設計ステップ(前編)

 年度末が近づき、早い企業だと昨年末にマーケティング戦略が、完成していることでしょうが、来年度に向けて、戦略策定に追われている方も多いのではないでしょうか。
 毎年恒例のマーケティング戦略策定、新商品のマーケティング戦略策定、新規事業のマーケティング戦略策定と、さまざまなテーマ私も日々携わっているのですが、基本となる“マーケティング戦略”立案ステップを、2回に分けてお伝えします。

大切なのは一歩ずつ階段を登る様に戦略を構築していくことです。

図1

1. 事業目標と現状とのギャップを確認


“新たな顧客を見つけ売上を上げたい”、“新市場に参入する為の新商品を開発したい”、“ロングセラーブランドをV字回復したい”など、事業目標実現に対して、“新たな顧客を見つけられない”、“新市場参入に必要な商品開発できない”、“顧客にとって関心なくなったブランド”などといった現状課題を明らかにします。

この事業成長のあるべき姿と現実のギャップの解決がマーケティングの目的となります。組織間や社内パワーバランスなど影響するかもしれませんが、毅然と企業成長を実現する全社最適に必要な目標を設定します。

図4

2. だれを、どのように動かしたいのか?


ギャップを埋める為に、購入者やBtoBであれば購買意思決定者、または取り巻きとなるステークホルダーがどのように変化すればよいのか整理します。例えば、

 購買中心層の主婦に、ブランドに興味を持ってもらい、購買時に選択肢に入れて欲しい。
 BtoBであれば、情報システム部門の方が、商談に一度呼んでみようとお声がして欲しい。
 これまでの購買選択に疑問を持ってもらい、新ジャンルの商品を選択してほしい。

図2


この際に、こんな顧客像がターゲットだと細かく整理する方が多いですが、その方にどうしてほしいのか?を具体的に設計することが重要です。ターゲット像を細かく設定して満足している場合が多いのが現実だと感じます。
それなら、“AIDMA”(Hall, 1924)で設計していると考える方が多いですが、AIDMAはあくまでも、1920年代にアメリカの事業家が広告に接触した際の経験則に基づくシナリオでありこの整理では不適切です。(日本の不思議なAIDMA信奉問題は様々な方が発信されていますので是非検索してそちらをご確認ください。)

ではどの程度整理するべきかですが、消費者/ターゲットがどんな気持ちになり、どんな欲求が生まれるとその商品・ブランドを選びたくなるのか?といった視点で一度整理してみてください。難しく考えず、皆さんが個人として消費行動を起こしている際の心の中を見直すことが整理に役立ちますので、自分が仮想顧客像になった気持ちで、その心の中を表出化し整理してみてください。

図3

この際に、1点だけ重要なことがあります。

それは、“プロダクトアウト”にならないことです。どうしても自社の商品・サービスに自信があると“買いたくなるはず”、“欲しいはず”と想い込みがちですが、そこは冷静に、”そんなに欲しがってないよね“との心のブレーキを忘れないことが重要です。

3. どのように動かすことが可能か?


以上まで設計できたなら、設計した心の中のシナリオをつなげて、購買へ誘う為に、何をターゲットの心の中にインプットするべきか検討します。ここまでできれば7割終わった様なものです。

例えば、
 購買中心層の主婦に、ブランドに興味を持ってもらい、購買する選択肢に入れて欲しいのであれば、ターゲットにどのような情報をインプットできると興味を持ってもらえるのか?更に、購買時の選択肢に入るには、どのような情報をインプットする必要があるのか?
 ビジネスパーソンに、他社製品より自社製品の価値に気付いてもらうには何が必要か?更に、購買における選択肢に入るには何が必要か?
 これまでの購買選択に疑問を持ってもらう為には、どのような情報をインプットするべきか?更に、新ジャンルの商品にトライアルしようと背中を押すには何が必要か?

ここの設計が出来て、初めて理想とするターゲットを動かすシナリオが出来たと言えます。このターゲットをどのように動かすかのメカニズム設計が抜けているマーケティング戦略が多いのではないでしょうか。

この2と3のステップには多くの経験値が生かされる領域であり難しい場合が多いと思います。その際は積極的に前任者や経験者、更には社外の専門家に意見を求めることも大切と言えます。

次回は、最後の仕上げとなる2ステップをご紹介します。

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マーケティングコンサルタント。 マーケターにとって少しでも参考になること発信していきます。 企業経営に価値あるマーケティングを日々考えている、インテグレート執行役員 https://www.itgr.co.jp/
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