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佐渡のハナシ vol.1

私はこれまでに2度佐渡に訪れた。なぜ佐渡か。それは興味本位ほかならないのであるが、実は佐渡に興味があった訳では無い。佐渡でやるプロジェクトに興味があったのだ。しかし、今となってはプロジェクトより佐渡そのものに魅力を感じてるわけだが。

そのプロジェクト…それは「古民家DIYをする。そしてそこをどう活用するか考える」というもの。以前から古民家そのものにも興味があったし、DIY、リノベーションにも興味があった。そしてさらに!地域活性について大学で学ぶ中で、使われてなかった古民家が地域の拠点となる事例をいくつか見ていた。もしかしたら、今回のプロジェクトで私は地域活性の拠点となる場所を創設するコアメンバーになれるかもしれない、という想いから、参加したい!するしかない!という想いがどんどん増していった。だから、そのプロジェクトの場所が、佐渡島と言われても「全然行く!」というような感じで、プロジェクト参加に悩む時間は長くはなかった。

こうして、3月に佐渡島に渡り古民家DIYを行うことになった。実際行って見てみた古民家、それは想像していた古民家とはかけ離れていて、床は抜け今にも崩れそうな廃墟に近い建物だった。これをDIYとは…何年かかるんだろう、と思いながら作業に取り掛かる。DIYに興味はあってもDIYに関する知識はゼロ。それに中学の技術のノコギリを使った制作でさえもガタガタで上手く作れなかった私が、ノコギリで家の一部になる木を正確に切るなんて、出来るわけがなかった。とはいえ、なんとか大工経験のある方に教えてもらったり、同じプロジェクトに参加してるメンバー達とワイワイ作業をしていると、時間はかかるが着実に作業は進んでいた。私も最初は出来ないと思っていたが、やってみると意外と出来るもんである。大変だけどやりがいはあるし、とても楽しかった。

その日の夜、大工経験のある方が朝にとったイカを食べさせていただくことになった。とても新鮮なイカを捌いて、イカそうめんにして食べるらしい、と聞いていたが…この時、まさか自分が捌くとは思ってもみなかった。お風呂上がって現場に行ってみると、「捌いてみる?」と言われた。私は中学の理科の解剖の実験で豚や鳥の頭の解剖をした時、貧血を起こしていた。だから、イカを捌くなんて無理だと思ったが、周りに後押しされて半分しぶしぶ教わりながらやってみた。すると、少し難しかったけど、意外とできた。よく考えてみるとイカは内臓がないから私も平気だったのだ。今回は1匹のみやらせてもらったが、もう少しできるかもとか思ってしまった。おかげさまで、イカの捌き方を学んだ。

夕食後、今度はみんなで古民家に移動し大宴会。この古民家はDIYしている古民家とは別で、がやラボと呼ばれる場所。もともとは空き家だったこの古民家を複数人が共同管理し自由に使用することができる。この場所にプロジェクト参加メンバー約10人ほどが集まりワイワイガヤガヤ。この日に初めて会った人たちばかり。しかし、皆フレンドリーでさまざまなことを聞いてくれ、深い話もたくさんした。

1回目の佐渡で学んだこと、それは何事もできないと決めつけてやらないのではなく、やってみるということ。そして、もう一つ。これが私を変えたと言っても過言ではない。それは、人とのつながりである。今回のプロジェクトは人が人を呼びさまざまなところから人が集まっていた。誰かは誰かをもともと知っているが、全員が共通の何かで繋がっていたわけでない。こんな体験は初めてであった。しかし、同じ目的のもと佐渡へ来て、その日初めて会ったメンバーばかりでも1日通すと、同志というか、なんというか特別な存在になる。私は初対面の人に自分を出すのには抵抗がありとても苦手だった。しかし、なぜかこのプロジェクトメンバーには素直に出せていたし、考えていることを真剣に聞いて肯定してくれたり、アドバイスをしてくれたり、時にはもっと深く考えさせてくれたり、本当に特別な時間であり特別な人たちと出会うことができた。

この経験は私に新しい気づきを与えてくれた。コロナ禍で人との繋がりが薄れてしまっていたけど、コロナ前も表面上の付き合いだった人が多かったのではないか。そう気づけたことで、これからの関係性についてどうするか。それは、不可抗力により少ない人としか関わることができなかったとしても、その中で密な関係性になることができれば、充実した関係性になるのではないか。そのためには、真剣に人に向かい、真剣に話を聞き肯定するだけでなく意見も言う。最初は怖いことかもしれないけど、勇気を出してやってみる。そうすることで、相手も自分に意見してくれる。そうすることで信頼関係も築けるのではないか。

そしてもう一つ。今回の経験の感動そのままに、新しいコミュニティに飛び込んだ。そして、団体を発足させた。まだ方向性が決まっていないけど、これからどんどん進化させていく。何か公に企画することも近い未来だと思う。その時に、いかに人の繋がりを大切にできるか。まだ未知だけど、経験を応用させていきたい。

まさか、1回目の佐渡ハナシだけで一つ投稿することになるとは思っていなかったけど、濃密すぎて削れなかった。ということで、2回目の佐渡で学んだことはvol.2へ続く。

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