2020シーズン初戦 浦和レッズvsベガルタ仙台
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2020シーズン初戦 浦和レッズvsベガルタ仙台

ルヴァン杯 Bグループ第1節
浦和レッズvsベガルタ仙台 5-2。

—はじめに—

今年1年もよろしくお願い致します。

今季は1つでも多く自信を持って「送信ボタン」を押せるように、常に「見て・知って・学ぶ」姿勢を心がけます。

貴重な時間を割いて読んで頂ける事に感謝致します。

では、本題に入りたいと思います。


—スタメンと基本システム—

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—浦和レッズ—
・新加入選手ではレオナルドが先発起用。
・山中と汰木の左の縦関係、橋岡と関根の右の縦関係
・ボランチには柴戸と柏木。
・ベンチに復帰の伊藤やこの日登録された鈴木彩艶ら
・4-4-2を採用。

—ベガルタ仙台—
・広島から吉野、山口から復帰の佐々木が先発起用。
・昨季の優秀選手賞に選ばれたシマオキャプテン。
・厄介な道渕は右SH起用。
・ベンチには浜崎やパラといった新加入選手。
・核となる選手が続々と離脱してしまう厳しい事情。


—4局面で振り返る仙台戦と今季の見所—

どこから触れていけば良いのか分からないので、とりあえずボール保持時の主なポジショニングやタスクから見ていきます。

・ボール保持

[ビルドアップ:ポゼッションによるビルドアップ]

[ポジショナルアタック:5レーン理論に基づき内側のスペースを重要視した素早いアタック]


・サイドの縦関係は「同レーンにいてはならない」

先ずは左サイド。沖縄キャンプで山中が「SBとSHが同じレーンに入らないように大槻監督から言われている。」とコメントしたように、どちらかが外側で幅を取ったら、どちらかが内側に入るように徹底されていました。山中が内側に絞った時は、いわゆる偽SB(本当は使うのを好みませんが世間的に浸透して理解が早いので偽SBと称します。)としての役割を担って欲しかったんだと思います。

サイドの2人の関係性に「同レーンに入らない。」と1つルールを設けただけで、後方から前進する際に角度のついたパスコースが生まれますし、今回のようにミラーゲームであれば自分の正面に相手が立つことを避け、ズレを作ることができるので、相手に視野の確保を難しい状況に追い込むことができて、選択肢を突きつけることができやすくなりました。


右サイドの橋岡と関根の関係性も基本的に同じレーンに立つことはありませんでした。

右サイドに関しては、橋岡は外側の高い位置、関根は内側に絞らせることで基準をズラしていく形が今のところは1番ナチュラルだと感じました。橋岡が内側でパスを受けた後の質や狭いスペースでのプレー選択の質とかは反対サイドの山中と比較してしまうと、まだそこまで足りていません。この試合でも内側にポジションを取ることは見られましたが、不安定さやミスは見られました。

1年目はWBで起用されて攻撃に停滞感を生んでしまうことが多く、2年目は改善を見せて時間とスペースがあるところでは力を発揮できるようになった橋岡。そこを踏んでの3年目なので、ちゃんとそう言ったこともできるような劇的な曲線を描いていくんでしょうけど、今のところは左サイドのような複合的なものは求めなくていいと思います。

その代わりに先制点のように……
幅を取った橋岡がパスを受ける→内側のスペースからSBの飛び出した背後を関根が突くといった、下図のような流れは1試合の中でも再現性を求めていきたいです(下図)。

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↓↓↓続き続き

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あとはこの一連の流れ、関根に渡ってからの仙台のボックス内の対応はかなりエラーばかりでした。

なので、浦和にとって運び方は完璧でしたが、こんなに易々と決めさせてくれるチームばかりと対戦する訳ではないということは、引き締める上で理解しておく必要があります。

それでもレオナルドの記念すべき初ゴールですから、みんなの脳裏に焼きつくゴールになったでしょう。

ラインを越すパスを出したのは岩波。先制点の起点は完全に岩波。岩波凄い。 岩波!
ちなみに疑惑を含んだ2点目の杉本のスーパーゴールも起点は岩波からです。去年の私なら書いてました。今年は飛ばします。1番難しい選択肢を選ぶことができるのが岩波拓也。岩波が1、2点目の起点です。


・FWは片方が接着剤的タスクを担う

4-4-2なので2枚最前線にいることが今季の大きな変更点になりましたが、この試合では2人が横関係で、仙台の2CBと駆け引きをする機会よりも、1人が2CBと駆け引きして、もう1人は少し降りてきて、前線と後方が上手く繋がるような接着剤的なタスクを担っているように感じました。

その役割は最前線に残るのがレオナルドで、接着剤が杉本という方が多かったです。接着剤タスクは恐らく興梠の特徴を見越してだと思います。それを杉本にもやらせてみた感じでしょう。でも今回は杉本の色を出しながら良さも出せたのではないかと思います。


・安定したビルドアップを行う為のボランチのタスク

次はボランチ。個人的にこの試合の人選と仙台の特徴を考えた時に想定したビルドアップの構築は…

片方のSBがビルドアップ隊で数的優位を作り、片方のSBは高い位置を取った左右非対称な状況を作りビルドアップをするのではないかと個人的には予想、考えていました。

なので、試合を見たときは意外でした。

意外というのはつまり、SBではなくボランチがCB(岩波・大輔先生)の脇に降りてきて、数的優位を確保させた所から1列目を安定して越えていくような狙いが見えました。

(例1)

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▶︎柴戸がCBの脇に降りてきたのをスイッチに全体がポジションを取り(山中が偽SBになったり等)相手に選択肢を与えたり。


(例2)

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▶︎柏木が岩波の脇に降りてきて3vs2(柴戸含めて3+1型)の数的優位を確保をして前進を始めてみたり。

なとです。

というように、
①サイドの縦関係「同レーンにいてはならない」
② FWは片方が接着剤的タスクを担う
③ 安定したビルドアップを行うボランチのタスク

この①〜③が集約したのが4点目だと思い、次に詳細に触れてみたいと思います。


・今季の見本品となるような素晴らしい4点目

3点目は浦和レッズが3年計画時に強く掲げていた「アグレッシブさ」「縦に速く」とかを体現できた素晴らしいゴールでしたが、4点目の方もこの試合?今季?の狙いが良く出ていたシーンだと思います。

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▶︎大輔先生から岩波へパス。日常的。


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▶︎岩波から大輔先生へリターン。その時に柴戸はCBの脇で受けるためにバックステップを踏んで降りてくる。そのバックステップをスイッチに山中は列を越えてレーンを変えて内側へポジションチェンジ。


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▶︎柴戸が降りることで3vs2と数的優位を確保できたのが前半でしたが、1点負けている木山監督は道渕に積極的にプレスに行かせました。なので、大輔先生から柴戸のパスに制限をかけてきました。でも、柴戸はバックステップを踏んで前方の視野を確保できた状態でパスを受けたので、道渕が来るのは織り込み済みで、パスカットされないように外側にボールを運び汰木へパスを送りました。

その汰木に対してのSB蜂須賀の対応は完璧に後手を踏んでて良くなかったです。なので、汰木は余計に余裕を持ってパスを受けられました。汰木は右利き。山中はそれを分かっていて「汰木は中央にドリブルしてくるだろう。」と予測して、蜂須賀の背後に抜けました。万一汰木が左利きなら、汰木がパスを受けた時点で内側のスペースで留まってあげて、パスを受け取っていたはずです。

ということで、汰木は中央側へドリブルを開始。


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▶︎汰木はどんどん中央へ侵入することができ、そこから汰木→レオナルド→関根→柏木と短いパスを繋ぎサイドの山中へ展開。山中的には昨季では考えられない経路を辿ってお得意のエリアでパスを受けたことが1つ1つ読み取っていくとよく分かるはずです。

そして、中盤の中央で数的優位を生み出せたのも橋岡が高い位置を取ることによって関根が内側を取れたり自陣でのビルドアップで過度に人数をかけていないことによってもたらされたものだと考えます。昨季最終節のガンバ戦なんて5vs2で圧倒的な数的優位でガンバのプレスのラインを越えられているにもかかわらず、なぜかワザワザワザワザ戻ってバックパスを選択していたように腐敗しきっていたので、変化の一端が見られて良かったです。

余談をしましたが…

柏木→山中へパスが渡り→クロス→レオナルド→こぼれ球→関根→ファール→PKという流れに辿り着きました。それを杉本が決めたのが4点目です。

なので、決めたのはPKだけど、そこに至るまでのプロセスとして1列目をクリーンに越える為の運用の仕方(山中や柴戸のポジションチェンジ等)については大槻監督の練習通り、狙い通りだったのではないかと思います。

1列目をクリーンに越えること大事。
昨季は相手を褒める時だけに使っていましたが、今季は自分のクラブにそう言えるかと思うと楽しみが増えます。


・ボール非保持

[ブロック守備:4-4-2ゾーンディフェンス]

[プレッシング守備:守備的プレッシング]

昨季から大きく変わったのは4-4-2になりゾーンディフェンス要素が強くなったことではないでしょうか。
昨季はとにかく人、人で「浦和は食いついてくれるというスカウティングがあった」と色んなチームがコメントしていましたので。極端な感覚でいうと180度異なるアプローチと言ってもいいのかな。多分。不勉強です。

サッカーのピッチが大きく変化しない限り4-4-2は最もバランスと効率性に長けたシステムと一応言われています。ボール、そして味方を見ながら守備のポジションを取っていくゾーンディフェンスは、相手に操作されづらい分、縦だけではなく横にもコンパクトにすることが求められて、1つの集合体としての連動、奪いどころを共有しなければならないので、練度が強く求められて、一人がサボれば崩壊します。

そして。。

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まぁ、凄いざっくりですが、赤い枠線は基本的には相手にボールを持たせても大丈夫、もしくは一旦捨てなければならないスペースだといつの日か学びました。


片方のサイドにボールがあれば……

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反対のスペースは一旦捨てるのが定石になります。
そこをどのくらい捨てるのかはチーム事情や相手との関係によって微調整されていきます。


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上図2つは、2019シーズンのJ1と浦和の過去4年間のコンパクトさ具合が分かるデータです。J1の中では縦のコンパクトさは間延びしている方です。横幅は5バックを採用していたことが大きな要因だと思いますが過去の自分たちと比べても昨季はより広く取っていたのがよく分かります。広く取れば一人一人の距離間は遠くパスも通過されやすいですよね。昨季は沢山通させない方がいいところを通され続けました。

しかし、仙台戦のような対応を1年間続ければ、間違いなく昨季とは好対照なデータが出ると思います。
どっちが良い悪いはありませんが、昨季の明確な守備の基準や奪いどころが設定されていないことから考えると今季の方が期待を持てるのは自然なことですね。


で、この試合に限定すると綺麗なゾーンで守れていた方だと思います。柴戸がチャンネル間(CBとSBの間)を埋めた時の柏木の埋め方、身体の向きとかは良いと思えるシーンが多かったり、他の状況でも各選手に好感を持てました。

一方で、14分00秒のポストに弾かれる道渕の強烈なロングシュートのシーンは、汰木と柴戸のところで門になってしまいパスを通されてしまったところからですし、大輔先生も先読みしすぎて後手を取り、自由を与えない方が良かったのに道渕に余裕を持ってシュートを打たせてしまっているので、あれは、入ってしまったらゴラッソ!というしかないですが、完成形はそれをもさせないところだと思うので、課題として挙げておきます。

汰木と柴戸の間というところで言うと、後半にも通させない方がいいところで門になってしまい通されて明確な決定機まで作られているので、まだまだ上積まないという気持ちにさせてくれます。

そして、何よりも失点シーンは今季取り組もうとしている短所を突かれたようにも見えました。

1失点目に関しては、大外にクロスを上げられたこぼれ球を押し込まれた感じですが、よくよく見ると、この試合の高山主審はリスタートはちゃんと始めないとやり直しさせられていて、このシーンでもそうで、そこで汰木が騙されたというか、本来セットするべき位置から離れた状態から再リスタートされて、後手を踏んだ汰木と山中の切れ目のところからクロスを上げられているので、今後は上げさせてはいけない部分になりますが、今回は前後関係を考えれば、クロスを上げられるところまでは仕方ないと割り切っていいと思います。 ハーフタイムになってすぐに汰木は主審のところへ行って会話してましたからね。

大外のクロスはこれから多くのチームが狙ってくるはずで、山中側は高さ勝負だと厳しい部分が出てきてしまうかなと戦前予想していましたが、今回は橋岡のところでやられました。こぼれ球を拾える層を素早く形成することも大切だと思います。


その直後に2失点目を喫しました。
正直なところ、1失点目から「あ〜」と残念がってピッチに視線を向けた瞬間にシュートが決まっちゃていました。不覚でした。ハイライトでもあまり収まっていません。

この失点に関しては、ボールの位置と汰木の制限に対する2CBのポジショニングのは少し気になりました。寄りすぎだなと。それによって橋岡が大きく中央に絞ることになって、偶発的な部分もありましたが、大外で余った選手に決めれたという感じですね。

昨季とは違い4枚の最終ラインと言うことで、大外は必ず狙ってきます。そして、そこからの失点もあるでしょう。その回数をいかに少なくできるのか。又はボックス内の対応では西川のカバーエリアを信用して大外を安易に使わせないようにすることも大切になってくるのではないでしょうか。

次の湘南、広島はWB採用チームですね。
必ず狙ってきます。
楽しみと不安な気持ち半分半分で見てみます。


次は話題を少し変えて、ボール非保持のプレッシング守備についてです。4-4-2コンパクトなゾーンを敷くことは確認済みですが、ラインの設定やプレッシングの強度で言うと、そこまで敵陣から積極的に追い込んで規制をかけに行くことはあまりなかったです。先ずは中盤のゾーン2辺りに綺麗な4-4-2をセットした感じでした。杉本がこの試合何度も両手を広げて、「ここが基準だ!」と言わんばかりのジェスチャーを送っていたのが印象的でした。1列目が基準を示してくれると後ろは守るのがラクになるので、そういった部分も構築できている感じが伺えて良かったです。キャンプ大事。

仙台のGKはあまり足元の能力が高くなく、行ける時はレオナルドと杉本キッカケで積極的にプレッシングしているシーンもありましたね。

じゃあ、今度はCBが質の高いパスを供給できるチームとの対戦ってなったときに、どのような対応を大槻監督が用意させるのか新たな興味も持てました。

とりあえず、キャンプで1番に着手した局面で好感を持てることが多かったので安心しました。
でも、まだまだこれから。

この守備を確固たるものにするには、時間が必要。
とにかく時間が必要。



・ポジティブトランジション

[ミドル/ロングトランジション:縦志向が強い]

次に守備から攻撃の切り替え(ポジティブトランジション)です。今回は自陣でボールを奪った後をポジティブトランジションの評価にさせて頂きたいと思います。(敵陣からは評価せず)。

この局面でも浦和レッズ3年計画のコンセプトや大槻監督のコメントに近いものを先ずは体現できたのではないでしょうか。昨季のシステムよりも4-4-2の方がコンパクトかつ後ろにも重たくならない分、カウンターへの移行は人数も迫力を増しやすくなります

この試合ではボール保持時同様に、4-4-2を形成したところから、仙台が攻勢を強めてきた時には4-4のブロックは保ちますが、4-4-1(杉本)-1(レオナルド)のような感じでFWは縦関係気味でした。

そうすることにより、奪ってからの1つ目のパスの出口はほぼ杉本でした。そこからレオナルドを使ったりSHやSBは次々に前方向へ走る約束になっているのでそこを使って、ゴール前まで迫るといったシーンが多く見られました。

この試合?今季?の浦和のロングポジティブトランジションの特徴は「中央の3レーン内で仕留めてしまうこと」のようです。少なくともこの試合ではそうでした。歓声が湧いた全てのカウンターが中央の3レーン内で完結されたものでした。最短で最速の完結を目指す

その象徴が3得点目ではないでしょうか。

3点目はハーフタイムの時にツイートした通り。

浦和自陣で奪われたところから関根が素早いネガティブトランジション(攻撃から守備の切り替え)で即時奪回(決定打は岩波のクリア)。そこからのロングポジティブトランジションで中央3レーン内で攻めることは前述した通りで、広い方へ広げつつ、山中が内側のレーンを猛然と走りこんできて、汰木と山中がマンチェスターシティのサネ&ダビド・シルバのような関係性で斜めのパスでボックス脇を取りクロス→ボックス内で仕事をするのはレオナルド→ゴール。

汰木の外側を回り3vs2を作って理想的なスペースであるボックス脇へのパスコースを創出したという意味では杉本の貢献度も忘れてはなりません。

このゴールの図は作成しませんでした。
感動的なゴールなので沢山ハイライトで見ましょう!
ようやく試合後にハイライトが見れますよ〜!


昨季までならWBを採用していたので、スピーディなカウンターはどうしてもサイド(大外)を経由しないと成立していませんでした。

とは言っても、中央の3レーン内は相手にとっても1番人数を固めて前進させないようにも構築されているので、今回のように簡単に越えさせてくれなくなるでしょうし、パスカットやミスの確率は高くなるかもです。しかし、そこの差し引きの部分で今季からはぶち抜いていきたいという表明を土田SDや大槻監督はしているので、とりあえずこの試合、仙台には通用しました。今後どうなるでしょうか。


ネガティブトランジション

[即時奪回+被カウンター対策で遅攻]

次は攻撃から守備の切り替え(ネガティブトランジション)についてです。今回は特に敵陣で攻撃していたところからのネガティブトランジションについてです。

先ずは即時奪回の意識が凄いあったと思います。
特に意欲的に取り組んで実行できていたのは関根や杉本ではないでしょうか。関根は敵陣でも6分00秒のシーンで素早い切り替えから即時奪回して、敵陣で即座に攻撃を再開することに貢献しています。前述した3点目も関根のネガトラからです。

昨季までの浦和なら、奪われてしまうとボールホルダーへの制限も甘く、基本的に人に釣られていくので、カウンターが上手いチームが相手だと大凡自陣まで攻め込まれていました。前へ出て、戻って、前へ出て、戻ってを繰り返すのは体力がキツくなりますから、奪われたら即座に奪い返した方が効率的ではあります。

浦和レッズ3年計画で掲げていた「攻守に切れ目のないプレー」というのは、元々フットボールに明確な切れ目はないでしょうけど、まぁ、「失ったボールはすぐに取り返すんだ!」という意味合いでしょうから即時奪回はキーワードになってくると思います。

そして、必ずしも即時奪回を果たさなければマズイ!という訳ではないのが今季の浦和の特徴だと考えます。それはつまり、浦和はキャンプで非保持の4-4-2ゾーンディフェンスに最も時間をかけて構築し、その局面を現状では最も強みにしていくはずだからです。

なので、敵陣で攻めていて失ってから、浦和が4-4をセットされる前までに攻め切られなければいい!というイメージになります。

この試合でも確かに試合開始40秒のシーンで、仙台が浦和の攻めを防いでから、前線に大きなロングパスを放り込んできたセカンドボールを道渕が回収してクロスまで上げられてしまったといったように、浦和の帰陣よりも相手の出足が速く、4-4をセットする時間を与えさせてくれないほど速い攻撃を仕掛けてくるチームと今後対戦していかなければなりません。

なので、攻撃をしている時でもできる限りの被カウンター対策を打っておきたい。

それを今季の浦和ならできるかもしれない!と垣間見れたのが仙台戦の大きな収穫でした。

それが、山中の偽SBとしてのタスクでした。

6分00秒〜シーンを例に見てみます。

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▶︎関根が素早いネガティブトランジションで即時奪回をして柴戸へ渡したところからでした。柴戸は柏木ともパス交換をしましたが、仙台のFW佐々木が強いプレスをかけてきたので、柴戸は1度岩波に避難。柴戸はもう一回ポジションを取り直して、この試合の狙いであるボランチがCBの脇でパスを受けるという状況がここでも生まれました。


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▶︎しかし、佐々木がしつこく再度柴戸にアプローチしてきたのと、仙台が的確にパスの出所を消していたので、柴戸は追い込まれて闇雲気味に蹴ったら道渕に渡ってしまいました。


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▶︎しかし道渕の前にはSBの山中が立っていました。そうです。攻撃時の原則で「SBとSHは同レーンに立たない」なので、関根が即時奪回をしていた辺りでアイコンタクトを取り、汰木は外側、山中は内側とポジションを確定させていました。

偽SBとしてのタスクを担うことで、ネガティブトランジション時に相手の最短でゴールへ迫れる綺麗な花道を防ぎやすく(被カウンターへの予防線を張ることが)なるといった長所もあります。このシーンはまさにその参考例だと思い取り上げました。


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▶︎結果的に道渕は山中の存在があったので、前には進めなかったことはもちろん、どんどん横方向にドリブルしていき、最終的には逆サイドまでドリブルしました。その間に浦和は関根や橋岡たちを素早く帰陣させて4-4-2を形成できました。素晴らしいです!

というように、まだ初戦なので評価はできませんが、「攻撃の時には守備のことを、守備の時には攻撃のことを」なんてよく言われますが、長所もあれば短所もあるので、これが完璧!とは言い切れませんが、具体的なアプローチを大槻監督は用意できたのではないでしょうか。今後は更に精度の高いチームとの対戦が待っています。


—その他—

被セットプレーはGGRで北九州戦のハイライトを見た通りにゾーンディフェンスを新採用。VAR導入+プレー中でのゾーン要素が増えたことが変更への大きな要因でしょうか。


今回は仙台目線は書いてないですが、道渕は流石なものを感じました。道渕は2019個人的ベスト11でクエンカと道渕の2択で最後まで悩んだほど私的には評価している選手です。オフザボールでのポジション取りなどは、渡邉晋産としてのインテリジェンスをこの試合でも感じました。関根や汰木にとっても参考にすべき選手の1人です。


試合のハーフタイムに浦和の守備が機能している旨を書き次にこんなツイートをしました。

ゾーンディフェンスとオフサイドは密接な関係があると誰かが話していた気がするので、呟いてみました。

なので調べてみると、この仙台戦ではオフサイドを取れた回数は3回でした。昨季は1試合平均1.59回

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調べることに苦労はかからないので2016〜2019調べました。ミシャがハイラインで挑んだ2017年はやはり例年より多く2回台を叩き出しています。

ちなみにとても分かりやすい参考例として、超ハイライトでお馴染みの横浜FMの昨季は5.82回でした。
データは嘘をつきませんね。

仙台戦の3回がどれほどものなのか。
昨季3回以上だった試合は34試合中9試合。

ただ、オフサイドにも色々あってシュートのこぼれ球がオフサイドだったとか、自分たちは分裂していたので勝手に相手がオフサイドになっていたとか、FKでオフサイドとかいろんなオフサイドがあります。その中でも仙台戦で取れたオフサイドというのはゾーンディフェンスを遂行していく中で、意図して取れたオフサイドだったと感じました。だからあのツイートをしました。つまり、相手に操作されることなく、相手がどこを動こうと知ったこっちゃないからです。なのでオフサイドが多ければ強いチーム!って訳ではないですが、今季の経過を見ていく上では重要なデータかもしれません。


・総括

試運転レビューはどうだったでしょうか。
仙台の情報がほぼなかったように、仙台側も浦和の情報は限られた中での試合だったはずなので、とりあえず相手の対策は一旦置いて、自分たちのやりたいことをトライしてみよう!という戦いの中で今回は浦和が圧倒的に上回れたというイメージを持っています。
なので、両チームのプランの中での駆け引きや時間によっての変化を言及することを今回は避けました。湘南戦からはそう言ったことがメインのレビューになります。

今は5得点!勝利!というお花畑な思考ですが、仙台に2点返された時から後半序盤のPKを獲得するまでの間は「これは去年のようにヤバいんじゃないの?」と思ってしまった感情を忘れないようにします。90分完璧な試合運びはできませんが、あのように途端に失速、雰囲気が悪くなる回数や機会は減らさなければなりません。

試合前に最高でも最悪でも浮かれることも悲観することもないようなツイートをしましたが、試合を見て、ハイライト見て、選手のコメント見て、まぁ、ニヤケますよね。

幸いなことに1日早い金曜開催なので、現実的な真剣勝負をすぐにできるので、すぐに切り替えられるので良かったです。改めて日常が帰ってきたのだと思わせてくれます。

あとはこの2ヶ月近く非常に上質なフットボールを見続けてしまったので、まだできる要素や物足りなさは感じました。そこと比較するなよ!って思うかもしれませんが、最高峰のフットボールの速さや完成度に決して見劣りしないマリノスやセレッソといったところと、これから対戦していくわけなので、もっともっとできる、できなければと向上心の気持ちで成長していって欲しいと思います。

サッカーを知らなすぎて学びたいと思ってプレビュー&レビューを書いていますので、読んでくれる方は暖かい目線で1年間お付き合いして頂けると幸いです。そして、浦和レッズのフットボールを前のめりに一緒になって楽しみましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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