J1開幕戦プレビュー 湘南ベルマーレvs浦和レッズ
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J1開幕戦プレビュー 湘南ベルマーレvs浦和レッズ

J1第1節 プレビュー
湘南ベルマーレvs浦和レッズ

開いて頂きありがとうございます。

2020シーズン J1開幕戦です。
誰に言われようとテンションは上がるでしょうから、早速プレビューを始めます。


ルヴァン杯仙台戦のレビューです。
おかげさまで好意的な感想を沢山頂きました。
読んでいない方は是非!


こちらは湘南のルヴァン杯大分戦のレビューです。

・開幕は是が非でも勝ちたい!
・昨季のような絶望的な想いは二度としたくない。

この2点の想いから内容の質は判断を委ねますが、
熱量を持って湘南の最新試合レビューを作りました。

湘南の最新情報を深く知れる内容になっています。
時間の取れる方はこちらも是非。


では、本題に入ります。


—開幕戦—

今回は開幕戦という特殊なケースなので、一生懸命に素人の出来る範囲で情報収集しました。
湘南vs大分のレビューを作ったのもその一環です。
しかし、あまりにも情報が足りなすぎるので、昨季の内容やデータも活用しています。ご了承下さい。


—2019シーズンの成績—

湘南:10勝6分け18敗 40得点63失点 勝点36 16位。
浦和:9勝10分15敗34得点 50失点 勝点37 14位。


—湘南ベルマーレ主な移籍選手—

・山崎凌吾(→名古屋)
・山根視来(→川崎)
・菊地俊介(→大宮)

・杉岡大暉(→鹿島)
・野田隆之介(→京都)
・秋元陽太(→町田:期限付き)
・フレイレ(→長崎)
・小野田将人(→山形)
・秋野央樹(→長崎)
・神谷優太(→柏)
・山口和樹(→琉球)
・若月大和(→FCシオン:期限付き)

実はまだまだいます。放出の選手がとても多いです。菊地や山根といった湘南の顔とも言える選手の移籍は衝撃を受けました。他にも実力者である秋元や山崎、若手の杉岡や山口、期限付きでプレーさせていた神谷や秋野を放出しました。


—湘南ベルマーレ加入選手—

・山田直輝(→浦和:期限付きからの完全移籍)
・石原直樹(→仙台)
・福田晃斗(→鳥栖)
・茨田陽生(→大宮)

・大岩一貴(→仙台)
三幸秀稔(→山口)
・タリク(→AIKソルナ)

・中川寛斗(→柏:期限付きからの完全移籍)
・岩崎悠人(→札幌:期限付き)
・馬渡和彰(→川崎:期限付き)

・谷晃生(→G大阪:期限付き)
・石原広教(→福岡:復帰)
・後藤雅明(→金沢:復帰)
・堀田大揮(→福島)
・舘幸希(→日本大学)
・畑大雅(→市立船橋高校)

新加入で11人スタメンを組めるぐらいに大量の選手が加入。鳥栖から福田や安心安全霜田産の三幸秀稔の加入は新志向を目指す分かりやすい補強。完全移籍で中川と直輝を残せたこともプラスでしょうし、なんといっても石原直樹の帰還はサポーターにとって特別なもののようです。

J1で控えが多かった選手を期限付き、新外国籍や、高卒・大卒からも戦力を獲得して、満遍ない層を集結させました。


—湘南ベルマーレの最近のスタメン—

・スペインキャンプTMの1試合(スタメン)

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多分合ってると思います。多分。
右WBは背番号的に所属選手にいなかったので練習生だと思われます。


(交代推移)

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馬渡を右WB、岩崎を左WBにコンバート。
石原直樹を投入。


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坂と大野を交代。ポジションはそのまま。


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齋藤未月、タリクを下げて茨田、指宿を投入。
最後に馬渡に代えて柴田を投入。

TMを詰め込んだうちの一戦なので、必ずしもこのスタメンがベストとは言い切れません。


・大分戦

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復帰・新加入選手を7人起用。
選手交代は石原直樹と梅崎が2トップに。
直輝が舘と交代して左IHでプレーしました。


—湘南ベルマーレ開幕スタメン予想—

湘南だけはスタメン予想します。
理由は、大分戦とほぼ変わらずというのはあり得ないと思うからです。

湘南だけは他のチームとは違い、凄くアンテナを張ってシーズンオフを過ごしてきました。浦和戦では違うメンバーが濃厚です。

盛大に外れたら見逃して下さい。

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個人的に岩崎ではなく石原が最適だと思ってますが、ほとんどの情報で岩崎、タリクだったたので「当てる」という観点で岩崎。齊藤未月や新キャプテンの岡本が出ないってことは可能性としては低い気がします。ただ岡本はWBもCBもできるので予想難しいですが、大岩は外せないので岡本をWB。

松田天馬や金子は怪我らしいです。
情報源は湘南サポーターからです。

直輝や梅ちゃんも序列は低くないようなのでスタメンの可能性は十分にあり得ます。


今回のプレビューはこの予想スタメンを基に進行していきます。



—湘南プレッシングvs浦和ビルドアップ—

両チームの対戦で、まず注目したい局面が、
湘南の「プレッシング」vs 浦和の「ビルドアップ」です。

湘南昨季のPPDA(簡単に言うとハイプレスの強度を測る数値)はリーグ2位の9.56。つまり湘南は”前線から積極的にプレッシング・圧力をかけてくるチーム”という評価になります。

なので、湘南と対戦する相手チームは激しくプレッシングが来ることを前提に、それをどのように越えていくのか構築するのは他の試合以上に重要な事だと考えます。そして、仙台戦を見る限りでは浦和は1列目をクリーンに越えたい意図が見えたので、より論理的なビルドアップを用意してくれるのではないかと、
期待も持てます。

とはいえ、先ず昨季9月の両者の対戦から、その局面ではどっちが優位だったかを見ていこうと思います。

今回注目してみるのは「ボールロストの回数」です。

浦和は9月の対戦で1試合107回のロスト回数でした。

そのロストしたエリアをゾーン1〜ゾーン3で3分割に分けると浦和にとってのゾーン1(自陣側)では………

107回分の43%=46回ボールロストしていました。

46回。

多いのか少ないのかイメージつかないです。。。

なのでさらに調べてみて、昨季湘南が相手にとってのゾーン1でボールロストさせた回数を全試合数えました。

例えば、川崎や風間体制の名古屋とかは敵陣に早めに入ってボール保持することが多いチームなので、
ゾーン1でのロスト回数は群を抜いて少なかったです

逆に全エリアのボールロストが120〜140回ぐらいで浦和(107回)より20回以上も多いロストをしている清水やFC東京ですが、自陣でビルドアップを構築しない方のチームなので、ロストこそ多いもののゾーン1では少ない結果が出ていました。

で、、浦和の46回がどのくらいなのかと言うと、
34節中第3位の多さでした。

[1位]5月大分戦……49回
[2位]7月神戸戦……47回
[3位]9月浦和戦……46回 でした。

大分と神戸がゾーン1でロスト回数が増えるのはスタイルを考えれば納得です。しかし恐らく不名誉な1位になったであろう大分はそのプレスをひっくり返して藤本が決めて1-0で勝ってますからね。湘南のプレスを利用したチームと言えます。


ということで、大槻体制での初対戦では特に湘南のストロングポイントであるプレッシングを跳ね返すことができずにゾーン1でのボールロストが際立っていたという評価をつけました。

ルヴァン杯で、ある程度両チームの昨季から今季への変化というのを感じることができましたが、基本的には昨季ベースの見方でも楽しめると思うので、湘南のプレッシングに対して浦和がどのくらいロストしているのか、どのように回避しようとしているのかを注目してみると面白いかもしれません。オススメです。


—仙台戦のメカニズムを継続させるなら—

では、具体的に浦和がどのように湘南のプレッシングを越えていくのか、湘南はどのように制限をかけてくるのかを情報量が少ないなりに考えてみます。

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再度になりますが仙台戦のレビューを宣伝しておきます。ビルドアップにどのような意図があったのかも書いてます。

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大分戦ではプレッシング自制気味だった湘南が浦和戦ではどのくらい高い位置から制限、圧力をかけてくるのか。個人的な予想と想定内を多くしておきたいという観点から、自制気味だったのは大分戦用であって、浦和戦ではもっと強烈な圧力をかけてくるだろうと予想します。

逆を予想していて、いざ出てきたら怖いですからね。

なので先ず試合序盤(20分ぐらいを目処)は湘南らしく襲いかかってくることを想定します。


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仙台戦のを完全参考させてもらうと上図のようなメカニズムを想定します。

①1枚のボランチ(柴戸)は相手2FWに立ち選択肢を与える。

柴戸を締めるなら他が空く。空けるなら柴戸へ通して前進。(大分戦では柴戸のようなポジショニングをしていた選手を2FWで締めていました。)

②もう1人のボランチ(柏木)は時間とスペースのあるCB脇へポジションを取る=前進の出口役に

③ ②によってSB(橋岡)は高い位置を取る。

④沖縄キャンプの山中「SBとSHが同じレーンに入らないように大槻監督に言われている」→仙台戦ではその通りに→SH(関根)は内側に移動。

①〜④のようなメカニズムで前進していくことが予想されます。 で、湘南の規制圧力を測る基準として、WBがどのくらい縦スライドしているのかは大事だと個人的には思っています。浮嶋監督が昨季就任した最後の6試合はWBにガンガン行かせたことが大きく影響して、ラスト3試合を1勝2分けの無敗という好成績を残した監督だと思っているので、ガンガン行こうとするのを躊躇させる、選択肢を与える意味でもWB(馬渡と岡本)の外、脇には常に誰か(SHとかSB)を立たせてピン留めしておきたいのが個人的な意見です。そこを留めれば浦和のビルドアップは機能する気がします。

ということで、①〜④から前進しようとする実際の例が下図になります。

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柏木のところまでパスが来たら、
・湘南は2FWのスライドで対応するか
・IH(三幸)が前へ出てくるか になります。今回は確率の高い三幸が出て来るを想定した図です。

接着剤タスクを担う杉本(興梠)が関根とポジションチェンジすることは仙台戦でも見られましたし、相手が出てきたら空くところは必ずあるので、柏木の的確な認知と確かな技術で1発でチャンスを広げる前進も可能になるかもしれません。

このようにして1列目をクリーンに越えていくのではないかと想定しました。


左サイドでも同様のことが考えられます。

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右サイドは橋岡が内側でのプレーの不安定さ、段階を踏んでいる最中であることは仙台戦のプレビューでも言及しましたが、左サイドでは山中はそこで違いを見せてきたSBなので、逆回りも想定できます。(下図)。

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まぁ、これは特徴的に汰木の所が長澤とかなら更にリアリティがありそうです。

とはいえ、想定してみると……

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CBから時間とスペースのあるところに降りてきた汰木に対して、浦和が1番警戒しなければならない齋藤未月のプレッシングが発動しそうになりますが、山中が自分の所に来るので「汰木に行くべきか?山中を抑えるべきか?」と齊藤未月に選択肢を与えることができます。汰木から前進していけます。

ただ、湘南のWBを縦スライドさせたくない観点からすると、汰木が降りたときにWB岡本も一緒についてくる可能性が出てきてしまう懸念もあります。

それなら山中と柴戸だけがチェンジして、汰木はWBのピン留め役に専念させるという仙台戦の4得点目と同じパターンならWBは出づらいはずです。

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(仙台戦)

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ここで一つ抑えておきたいのは湘南とのシステム上の噛み合わせは最初から”ズレている”ということです。

仙台戦は4-4-2ミラーゲームだったので、偽SBやCBの脇にボランチが落ちるなど自分たちからアクションを起こすことで、ズレを作り、前進することができていましたが、湘南とは最初の噛み合わせからズレができているので、仙台には良いとされていたものが、必ずしも湘南に良いと言うわけではないということです。

さらにダイナミックにポジションチェンジを行うには時間を要します。その時間を与えてくれないほど相手が強烈にプレッシングをかけてきたらどうするの? となりますよね。そして、今回が湘南だと考えると、時間を与えてくれない可能性が大いに想定できる相手なので、必ずしも前述してきたことが効率よく循環していくかは分かりません。

例えば「サイドの縦関係は同レーンにいてはならない」の原則に縛られるすぎるあまりに…

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山中「汰木は外だから俺は内か。」って内側にポジション取ったら、非常に窮屈なビルドアップになってしまうこともあります。5-3-2は基本的に中央でのプレッシングは強めに行きやすいのと齋藤未月の迫力で、ミスしてしまうかもしれません。


それならば………

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山中と汰木は同レーンにいてもいいじゃないですか。山中は幅を取ることで齋藤未月は直線ではなく斜めのプレスを求められるので福田や三幸もスライドしなければならず、反対サイドが空くよね?→使えるよね?という風にも繋がります。

今回は仙台戦しか情報源がないので、ベースはそれでしたが、必ずしも仙台戦で上手く行ったことが正しい訳ではないということは予め提示しておきます。

本当に具体的で中身のあるものをキャンプで構築できたのか。浦和への評価、新しい取り組みへの評価は、湘南戦からです。


—湘南の特徴を利用したい—

浦和が敵陣に侵入してからの攻撃は、まだファンタジーの世界というか、何も言わずにまずは見てみたい想いがあるので少しだけに留めます。

というよりも、湘南の特徴になります。
下図です。

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左WB馬渡は最後尾から結構先に動いて縦スライドしていました。上図のように大輔先生から橋岡へ展開されるのを抑止させるためだと思われます。大分戦はミラーゲームなのでこのような事は見られなかったですがスペインのTMではその傾向にありました。馬渡が出ることによって、敢えてシステム表記するなら4-4-2のような感じです。

浦和は馬渡の縦スライドを見ずに橋岡へ広げちゃって引っかかってカウンターを喰らうなんてことは絶対にダメですから、岩波や大輔先生たちは、そこも含みでパスを選んで欲しいですね!

またその特徴を利用するのであれば、仙台戦の1点目、2点目の起点が岩波だったように、湘南は馬渡のアクションとともに最終ラインのスライドが必須+
枚数は減るので、岩波からズドンと関根やレオナルドに刺しやすいのかなとも考えました。

良い攻撃が見られる事を楽しみにしてます。


—湘南のボール保持志向は整備中—

これまで湘南の情報でTwitterにアップしてきたのがこれらのものです(2月6日)



ということで、湘南はこれまでのスタイル+ボール保持志向にも着手しました。

そして、いざお披露目となった大分戦でも噂通りのサッカーを展開しました。

一例だと、昨季までの湘南なら最終ラインの3人は、ノープレッシャーであっても、ロングパスで前線を放り込むようなチームでした。

それを可能にできたのは「最前線で収められる、こぼれ球を作ってくれる選手がいた」からだと考えています。

空中戦の多さがリーグ1位だったことが、そのスタイルを物語っています。

しかし、それを担う絶対的だった山崎凌吾は名古屋へ移籍。指宿だと高さはあるけど他の所で足りないことがある。唯一石原直樹だけは後釜として計算できそうですが、浮嶋監督の選んだ変化は、前線を2枚に増やすことで高さ勝負ではなく、地上戦や背後へ抜け出せる機会を多く作れるようにしました。3-4-2-1から3-5-2への変更です。


大分戦のレビューを読んだ方は詳細な事を分かっていると思いますが、読んでない方の為に簡潔に湘南の新しい挑戦への進捗を伝えると、まだまだ上手く機能していません。

大分戦1試合のみの評価にはなってしまいますが、
参考となるデータを基に湘南の変化を見ていきます。

[パス数]
昨季平均が358回→大分戦が586回(1.6倍増)

[ボール保持1回あたりの平均パス数]
昨季平均が約3回→大分戦が約7回(2.3倍増)

[チーム全体パスに占めるロングパスの割合]
昨季平均が約13%→大分戦が約8%(約5%減少足元や近い選手へのパスが増加)

とにかく参考例が1試合しかないので、鵜呑みにしすぎるのもよくありませんが、ボール保持志向に着手していることは、これらのデータでも分かります。特に[ボール保持1回あたりの平均パス数]が3回から7回というのはかなり顕著です。

一方で、、、

[チームのパスに占めるバックパスの割合]
昨季平均が約13%→大分戦が約16%(約3%増加)

[チームのパスに占める横パスの割合]
昨季平均が約33%→大分戦が約45%(約12%増加)

現代フットボールではバックパスや横パスも非常に重要なものであり、必ずしも多いからと言って悪ではありません。ただ、試合を見た限りで湘南サポーター的に停滞を感じた要因は、この辺りのデータが証明しているのではないでしょうか。

要は「パスは繋げるけど効果的に進めていない。」「パスのためのパスになっている。」 です。

まぁ、いきなり上手くいくことは難しいですからね。
なので、湘南が歯車が噛み合う前に対戦できることは浦和にとってラッキーかもしれません。

そして、忘れてならないのはスタメンが多数変わったら解決できちゃう部分があるかもしれないことです。


では、具体的に湘南のビルドアップを見ていきます。

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大分との噛み合わせの違いでやり方も変わるかもしれませんが、IHは積極的に最終ラインまで降りてきてパス回しに参加していました。それが効果的な助けにはなっていなかったです。さらに、中央を閉じられているのに対して、外からどのように前進していこうという意図も見えづらかったです。新たなことに取り組むには時間が必要です。


浦和目線で考えると、仙台戦同様にラインの高さは、そこまで高くせずにリトリートの意識で良いと思います。前からハメに行ったのを外す術と技術はそれなりに構築されているのがスペインのTMでは伺えました。大分はリトリート型のチームだったので、待ち構えられた相手を上手く越えるほど特別なものはない状況なので、積極的にプレスに行くってなると良い面も出るでしょうが、湘南としてはやり易いのかなと想像します。彼らには最後にはロングボールで逃げれるって志向がまだ強く根付いているので余計にそう思います。

ただ、仙台戦と大きく違うのは…
・システムにミスマッチが生じていること。
・湘南がWBを採用しているチームであること です。

幅を広く使われて外から攻めていこうとする機会を増やされると、浦和もまだ4-4-2ゾーンディフェンスに着手したばかりなので、それなりにエラーが起きて質の高いパスが出せる三幸とかから上手く攻略される可能性もあります。(下図)。

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サイドチェンジで顕著な特徴とも言えるのが中央CBでスタメン濃厚の坂のロングパス傾向です。
坂は右WBへのサイドチェンジを得意としています。確認した限りでは、WBへの展開は左WBはほぼなく右WBが九分九厘でした。参考までに。


さらに大分戦で気になったのは、IHが積極的に降りることの影響からかWBは高い位置を取り続けることが多かったです。

なので……

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というように、大外からWBが斜めに背後を狙っていくシーンもありましたし、スペインでの練習試合でもスピードスター岩崎がポジティブトランジションになった瞬間に背後へ飛び出して受けたというシーンもありました。ミスマッチの切れ目を縫って背後を狙ってくることが想定されるので、その辺りは注意深く警戒したいですね。

一方で、非保持では最終ラインに撤退するWBがボール保持では高い位置に居続けるということは、浦和が守備からポジティブトランジションに移行したときは明確にCBの脇は空いていることになりますから、
仙台戦では中央の3レーン内でカウンターを完結させた浦和でしたが、1つ目の基準点・プレスを回避する出口という意味ではCBの脇である外側のレーンも湘南戦では効果的使えるといいかもしれません。



—ストロングポイントにも変化が起きる—

湘南の昨季までの攻撃の特徴はクロスが多かった事。「ロングボール→セカンド回収→広げる→手数をかけずにクロス」が最も定番でした。

昨季のクロス回数ランキングでも非保持ベースのチームながら湘南は6位の多さをマークしていることからもそれが分かります。精度と成功率は少し落ちます。

ところが、ところが。

ボール保持志向になってしまったことで、クロスにも変化が起きているようです。

[クロス回数]
昨季平均が15.8回→大分戦9回(約6回減少)

この変化は、恐らく手数をかけずに前へ攻めていた昨季に対して、ポゼッション志向になり、ゴール前まで上手く進めていないので、そもそもクロスを上げる機会が減少したのが1つの要因だと思います。

もう1つの要因が下図です。

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昨季までならWB(岡本)はこの状況なら間違いなくクロスを上げていました。しかし、スペインでの練習試合や大分戦を見る限りでは、簡単にクロスを上げるのではなくサイドに複数人が集合して、ショートパスで更に怖いスペース、深いスペースを狙うような姿勢が見られました。その1つが上図のボックス脇でした。

高さのあるターゲットが減ったとはいえ、結構変わっていて驚きました。この辺りは現実的に勝ち点3を奪い合うリーグ戦なので修正してクロスを積極的に上げてくるシフトに戻すかもしれません。

なぜなら、浦和は仙台戦でクロス対応で不安定さを露呈したからです。まだこちらも構築には時間を要しますから当然湘南も狙ってくるでしょう。


お互いに新たに着手した局面がちょうど対立しているので、もしかしたら我慢比べの1戦になるかもしれません。

湘南が焦れながらボール保持し続けて浦和も我慢強く待つというような試合に。

とはいっても、昨季の2度の対戦のボール支配率は、いずれも湘南の方が高いんです(①51%、②52%)。
湘南が昨季2試合とも相手よりボール支配率が高かったのは浦和戦だけでした。

そう考えると、更に今回の試合もボール支配率では、湘南が上回ってくることが想定されます。


ということで、結果的に現状の湘南で1番脅威となるのはロングボール→セカンドボール回収→素早くゴール前に迫る→クロスと局面が行き交うカウンターだと思うので、まぁそういう湘南で来た方が浦和は、戦いづらいと思います。

特に曹貴裁体制ではゴールキック等のロングボールのセカンドボールを拾えるような仕組みができていたように思いますし(競り合うFWを正方形で包囲する)、齊藤未月や福田といったセカンドボールを回収する準備や能力に長けている選手たちが湘南には多いので、その攻防や局面を繰り返されると浦和はしんどくなりそうです。

どのようなプランと変化で挑ませるのか。
両指揮官の采配に注目です。


—浮嶋監督が蘇らせた湘南スタイル—

曹貴裁さんが作り上げ、根付かせたものがあまりにも大きかった為に緊急で後任となった高橋コーチは非常に難しい責務だったと思います。しかし、敵目線の安易な考えですが、高橋コーチがシーズン最後まで続投していたら湘南は「残留」を勝ち取っていなかったと思っています。清水0-6、川崎0-5後から就任したのがユースで監督を務めていた浮嶋監督。結果的にこの決断は成功だったように思います。

その浮嶋監督でも、一度途切れてしまった穴を即座に埋めることはできずにマリノス(1-3●)、G大阪(0-3●)と連敗スタートでしたが、代表ウィークなどの長期休みが重なり、整理する時間が取れたことにより、みんなが想像する「湘南スタイル」を蘇らせました。

その中で明らかに変化したのは「インターセプト」数です。(※ボールを奪い切った数は勿論、ロングパスの跳ね返しなどもそれにカウントされます。)

[インターセプト]
曹貴裁監督 平均…41.8回。
後任の高橋コーチ…34.5回
0-6の清水戦は24回、0-5の川崎戦は33回

それに対して、、、
浮嶋監督が就任して以降の平均は53.2回。

曹貴裁監督より約10回、高橋コーチでは約20回も多い記録となっています。浦和の場合は38.4回

現実的な残留の為に「ボールを切れるところは明確に切ろう」といったメッセージがあって増えたのかもしれませんが、この変化は間違いなく残留に影響を与えたと思います。ちなみにルヴァン杯大分戦では56回と更に多い数字を記録。よって、浮嶋体制の湘南の 特徴として「インターセプトの多さ」を挙げておきます。

インターセプト=湘南 でも連想されるのは齊藤未月だと思われます。まさにその通りでCBの次に多いインターセプト回数を記録していました。注意深く。


—槙野智章とファーストゴール—

浦和サポーターなら気づいているかと思いますが、
槙野智章選手がチームのシーズンファーストゴールであることが非常に多いです。

[2019年] リーグで2試合無得点が続いた後のACL開幕戦のブリーラム戦でチームシーズン初ゴール。

[2018年]リーグ開幕FC東京戦で同点ゴールとなるチームシーズン初ゴール。

[2017年]最初ではありませんがACL開幕のシドニー戦で3点目のゴール。

[2014年]G大阪との開幕戦で決勝ゴールとなるチームシーズン初ゴール。

興梠とかなら納得感はありますが、基本的に最終ラインの選手がシーズンファーストゴールを決め続けるのは凄いですね。しかも全部セットプレーからです。


さらに古くを遡り、広島時代を調べてみると、
[2009年]開幕戦のチーム最初の得点者は佐藤寿人、、と思いきや槙野選手でした。

生まれ持ったものかもしれません。
張り切り過ぎているのかもしれません。
とにかく開幕戦で魅せる選手です。

槙野の本来の実力を知っている分、昨季のパフォーマンスは非常に難しく苦しいシーズンだったので、今シーズンこそ素晴らしき1年になるよう、恒例行事として2020Jリーグ初得点者となるか注目してみます。


—湘南終盤の強さと大槻体制最大の課題—

今コンテンツを日頃から読んで頂いてる方はご存知の通り、大槻監督就任後の前半と後半戦の失点の差が、約3倍です。

[リーグ戦] 前半…8失点 後半…25失点
[ACL] 前半…1失点 後半…7失点

逆に考えると前半は物凄く抑えられていると思うんです。それだけに後半の失点数の多さが直らずにシーズンを終えてしまって残念でした。

アウェイの鳥栖戦が好例でしょう。興梠欠場という難題に戦い方を変えたのが功を奏して前半2-0で折り返しましたが、知将・金明輝監督がハーフタイムで論理的かつ具体的にやり方を変えたのに対して対抗策を講じられずに一時は2–3までひっくり返されました。
前半無失点→後半3失点。

そして、湘南との昨季の対戦を振り返ってみると……

[ホーム戦:オリヴェイラ体制]
前半2-0。後半0-3。合計2-3。

[アウェイ戦:大槻体制]
前半1-0。後半0-1。合計1-1。

特にアウェイ戦は内容はずっとボロボロだったのに、結果だけは良く1-0で折り返せたのに後半追いつかれた試合でした。

浦和の昨季の成績のお手本となるような結果を湘南と演じてしまっていました。


一方で湘南は昨季全40得点のうち43%の17得点75〜90分に決まったものです(17得点のうち3得点が浦和戦)。

90分を6分割すると16.66%になるので、43%がいかに高いかと言うことと、湘南の得点時間傾向が把握できました。

大槻体制の最大の”課題”と湘南の”執念”が実る後半戦特にラスト15分の得点数を噛み合わせると、今回の開幕戦も最後の最後まで目が離せない試合になることが分かると思います。最後まで目を離さずに食いしばって見守ろうと思います。


—両指揮官の平均選手交代時間—

後半に起こり得ることで重要なイベントとして…
選手交代」があります。

本来、12人目、13人目、14人目に出てくる選手のクオリティやそれ以外の手持ちを考えても浦和に勝れるクラブはそうはいません。だからこそ、後半で失速するのが理解に苦しむのと悔しいんです。

ということで、今回は「選手交代」を2つの視点から見ていきます。

大槻監督:リーグ21試合+ルヴァン仙台戦=22試合
浮嶋監督:リーグ戦6試合+PO+大分戦=8試合

この試合を参考に今回は3人の交代の平均時間を調べてみました。

結果はこちら!

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・3人の交代ともに浮嶋監督の方が早く切ってます。
・大槻監督は前半に負傷者が出て1人目を代えたのも
カウントしているので、実際もう少し遅いかもです。
・浮嶋監督は1人目を代えるのが非常に早いです。
ハーフタイムに代えることも多いですね。


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そして、上図は両者のルヴァン杯時の交代です。
浮嶋監督はほぼ平均通りに交代。大槻監督はだいぶ遅い交代になっていたようです。

本当は21項目あって、もっと詳しく言えるのですが今回は一先ず平均時間だけをお伝えしました。


—交代選手の得点数と失点数—

続いて両指揮官の交代選手が決めた得点数と対戦相手の交代選手が決めた得点数を見てみます。

浦和大槻監督から。

(得点数)
川崎戦 森脇良太
鳥栖戦 杉本健勇
G大阪戦 ファブリシオ

合計3得点 大槻体制全24得点中の**13% **が交代選手のゴール。

(失点数)
大分 小林成豪
鹿島 伊藤翔
湘南 梅崎司
C大阪 田中亜土夢
鹿島 セルジーニョ
川崎 小林悠
FC東京 田川亨介
G大阪 福田湧矢

合計8失点 大槻体制全33失点中24% が交代選手のゴール。

勝てばスタメンだろうが、交代だろうが誰かが決めてもらえれば!なので1つの基準でしかないですが、
途中交代の選手にこれだけ沢山決められているのは知りませんでした。完璧なる対策、相手の交代を読むことは今季重要になるかもしれないですね。


続いて浮嶋監督。

(得点数)
松本戦 野田隆之介
1得点 浮嶋体制全4得点中25% が交代選手のゴール。

(失点数)
松本 阪野豊史
1失点 浮嶋体制全9失点中**11% が交代選手のゴール。 **


流石に材料少ないので昨季全試合分。

(得点数)
鳥栖戦 梅崎司
浦和戦 菊地俊介
浦和戦 菊地俊介

神戸戦 指宿洋史
札幌戦 野田隆之介
磐田戦 山田直輝
浦和戦 梅崎司
大分戦 野田隆之介
松本戦 野田隆之介

9得点 湘南全40得点中23%が交代選手のゴール。

(失点数)
仙台 ハモンロペス
磐田 ロドリゲス
G大阪 食野亮太郎
札幌 アンデルソンロペス
鹿島 伊藤翔
川崎 長谷川竜也
松本 阪野豊史

7失点 湘南全63失点中11%が交代選手のゴール。


浦和はオリヴェイラ体制を含むと交代選手の得点は、0得点で、失点はまさに湘南の菊地に2点。広島の渡に1点決められた3失点でした。


ということで、そろそろオチをつけます。

湘南vs浦和 昨季2度の対戦でともに湘南は交代選手がゴールを決めています(埼スタ:菊地×2 BMV:梅崎)


終盤に強い湘南vs後半失速の大槻浦和を象徴するデータがここでも現れてしまいました。


ここを浦和レッズ変えられるか。注目です。


最後に超ポジティブな点を2つ。

・ルヴァン杯仙台戦で5点目を挙げたのは交代出場のマルティノス

さらにさらに!
・仙台戦での後半の失点数は0。

今季は絶対に改善できる!を示してくれたのかな?


一方で湘南も大分戦の決勝弾は交代出場の梅崎
しかも後半48分

こちらは最終盤の強さは継続しているようです。


交代選手からゴールは生まれるのか。
最終盤はどのような結末が待っているのか。
楽しみに見ましょう。


・さいごに

データは昨季ベースになったので、どうしても浦和を悲観的に見ることしかできない情報ばかりで不快に思われた方もいるかもしれませんが、今季変えることができれば好対照な比較ができて、今季の凄さを語ることができるようになります。そうなることを信じています。

この試合は唯一の金曜開催。
昨季の開幕戦がそうだったように、試合中に多くの知識人、素晴らしき視点の持ち主たちがこの試合をリアルタイム分析してくれるはずなので、もうそれでお腹一杯で特別感を出せる隙間なんて存在しませんが、 レビューも頑張ります。是非!

プレビュー→試合→レビューに一貫性を持つことが、今季の目標なので、是非プレビューの内容を念頭に置きながら試合を見て頂ければ幸いです。

今季も試合を楽しむ情報の一端に今コンテンツを利用して頂ければ何よりです。

面白ければリツイート等々で拡散、宣伝して頂けると嬉しいです。感想もお待ちしております。

読んで頂きありがとうございました。

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