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先生としての振舞い方について、考えること。

配属先に来てから変わらず、ずーっと思っていることがあります。

「学校の先生ってそんなに偉いの!?!?」

この一言に尽きます。まずはこれまでにあった、いくつかのエピソードを。


※ここからは少し自分の愚痴混ざりになってしまっていることをお許しください。

配属されてから、未だに私には理解できない、と思っている同僚の行動がいくつかあります。


その1、食堂でお昼ご飯が提供されない日、必ずお昼ご飯や飲み物を生徒に買いに行ってもらっていること。

自分がどうしようもなく忙しい時に、時々お願いするならまだわかります。しかし、大音量を流しながら何か動画を見ているときが多い気がします。

自分で買いに行けばいいのに。そして、その生徒に対してお金は渡しているけれども、お礼を言わずに受け取っている印象が強いです。当たり前のように思いすぎではないでしょうか。

同僚と同じ作業部屋が割り当てられていることから、ついそのやりとりが見えることが多いのですが、私までその場にいると少し気分が悪くなります。


その2、自分の授業で使うものを生徒に持って行ってもらっていること。

重いものを持っている時や、手がふさがっていてどうしようもない時ならまだわかります。しかし、大抵チョークの箱など、とても軽いものです。

それぐらい自分で持って行けばいいのに。

配属されてまだ初期の頃、私も同僚に軽いものを持たされたことがあります。最初はおおお?と思いながらもそれを持って、授業がある教室までお喋りをしながら一緒に向かいましたが、2回目はなぜ?と思い、早くもイライラしてしまった覚えがあります。


生徒が先生に敬意を示す姿は、その丁寧さに感動してしまうことがあるほどですが、それは流石に行き過ぎな振舞いなのでは?何でそこまでするの?と思ってしまうこともしばしばあります。

ザンビアでの先生の地位の高さや、先生になりたがる人が多いのも何となくわかるかも、と思ってしまいますが、そんな生徒の振舞いを見る度に、先生の偉さって何?と不思議に思えてきて仕方がありません。


そして、私も配属先では先生という立場であるため、職位がある方の部屋を訪問するときに(校長、副校長先生の部屋など)、生徒より先に通してもらったり、集会などで椅子が足りないときに、生徒に持ってきてもらったりと、普段の自分ならなんだか偉そう、と思ってしまう対応を受けている身分であることを、少しもどかしく感じてしまいます。

そんな丁寧でありがたい対応を受け取らないわけにもいかず、そういう時にはいつも生徒に感謝の気持ちを伝えるようにしています。

当然ザンビアで教育を受けてきたわけではないし、ザンビアの教育現場をボランティアの立場でまだ少ししか見てきていないこともあるため、やはりザンビアでの先生という立場については、まだまだ疑問ばかりです。


また、私は日本で教員経験がありません。

そんな私が何となく描いている自分の理想の先生像は、「生徒に寄り添って一緒に考えられる先生」というもの。

私から生徒へ、トップダウンのような授業をしたくはありません。

そのため、私は授業中に頻繁に「ここまで何か質問ある?」「もし質問があったら、手を挙げてね。」なんて言葉を使うようにしています。

良いのか悪いのかわかりませんが、前回のターム中には生徒に、「Mulengaはほぼ生徒みたいだね」なんてニュアンスのことも言われたことがあります(Mulengaは私の現地語ネームです)。

配属先ではそれぐらい生徒と対等な関係であれたら良いな、気軽に相談してもらえるような関係であれたら良いな、といつも思っています。


そして、そんな振舞いで授業をしていた今タームのある日。

生徒は前タームと違って、入学したばかりの1年生を持っている時でした。

PCを使った実技の授業で、PCの数に対して生徒の数が溢れる状態になってしまっていた時で、少しクラスコントロールが効かなくなって、コンピュータラボが賑やかになってしまっていて。

そんな時に、同じICT科の先生が教室に入ってきました。その時に、生徒に向かっていろいろと話をしてくださったけれども、「まずは静かにMulengaの指示をしっかりと聞きなさい」と言って、状況を収めてくださいました。

少し助けられたなあ、と思いつつも、先生として、私のあまりピシっとしているとは言えない授業中の振舞いはまずかったかなあ、と反省しました。

授業が終わって、しばらく片付けなどをしていたら案の定、その先生が私の所に来てくださって、いろいろとアドバイスをしてくださいました。

その時に、「全ての権限は授業をしているMulengaにあるんだから、何でも生徒に言うことを聞かせないとだめだよ」「言うことを聞かない生徒がいれば、罰を与えて何か仕事をさせるべきだよ」などと声をかけてくださって。

そうだよなあ、と思う反面、そこまで生徒にさせるのはなあ、そもそも生徒にそうさせてしまう状況を私が作ってしまったらダメだよなあ、と思ったり、やっぱり先生としては、多少怖いと思われても強く振舞うべきなのかなあ、それこそ少し偉そうな態度をとって、言うことを聞かせていくスタンスであるべきなのかなあ、なんて思ったり。

これからどうしていくべきなのかなあ、振舞い方って改めて難しいなあ、と、静かに反省をしていました。

そして、流石に最低限、生徒に舐められないように振舞う、という答えは出ました。良い生徒が多いので、簡単に調子に乗るような生徒はきっといないし、よっぽどのことがない限り大丈夫なのでは、と思っているのですが。笑


そんな出来事があっても、やはり私が目指していきたいのは、他の先生方と同じような偉そうな先生ではなくて、生徒に寄り添えるような先生。

先生としての私、普段の私、と言ったように、スイッチを切り替えなければいけないような、何かを演じているような自分ではいたくなくて、どうやったら自然体の自分で活動できるのか、これからも模索していかねば、と思いました。

振舞い方は何が正解なのかわからないし、正解を求めないように意識をしているけれども、自分が配属先で心地良く過ごせるポイントを探していきたいです。

そして、他の先生方の態度を見て、あまりイライラしない自分の感情のコントロール方法も探していきたいと思います。



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思い出したことを備忘録として少し追記です。

自分の配属先ではないものの、特にアフリカのPrimary schoolでは、まだまだ体罰文化がある学校もある、と聞いて、そこでも先生の地位や振舞いについて考えてしまうものがあります。

自分が今年1年間教える生徒は、後にPrimary schoolの先生になる生徒たちなので、絶対に体罰を行うような先生にはなってほしくない、と思っています。


私みたいに、生徒たちとなるべく対等な関係でありたい、なんて思っている先生は、もしかしたらザンビアではいないのかもしれません。

その辺りについても近々、自分の生徒たちと「自分の理想の先生像」というトピックで話をしてみるのも面白そうだな、と考えています。



※因みに使っている写真は、私ではなく、先輩隊員の配属先の小学校を訪問させていただいた時に撮影させていただいたものです。

なかなか自分が活動しているところの写真って、ないものですよね。

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