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【Assort】について

2023年6月25日発行 【Assort】

〔【Assort】について〕

2023年6月25日 『悠久の超新星』新刊 R-18 
悠脹小説本 【Assort】
カバー付き文庫サイズ 594P 26万字程度
5つの話(内2つはWeb公開済)と1つの短編収録

カバー・表紙デザイン:S_D様(@s_design33)
本文組版・デザイン:9Q9H 音桐様(@9Q9H_design)
サークルロゴ:さち様(@sachi_work)

印刷所:Print-on様

加工:RGBカラー小口印刷(29mm)
   表紙箔押し(レインボーゴールド 25㎠以内)
   カバー変形裁断(115mm)
(本文幅29mm 背幅32mm)


カバー:NTパイル パールホワイト#95
表紙:ミランダスノーホワイト 170kg
本文:淡クリームキンマリ 72.5kg
遊び紙:てまり 金・銀

【Assort】:「詰め合わせ」だけとは限らず、
「様々な種類を取り揃えた」「各種取りそろえた」「各種の」
宝石箱のように、お菓子の箱の中のようにいろいろなものを詰め込んだ本、という意味で名付けました。

〔装丁与太話〕

上記理由により、おもちゃ箱やおかし箱のような表紙デザインをしてもらおうかなと夢想しつつも、イベント自体がジューンブライド・フェスということで結婚・プロポーズの方へ舵を切ることに決めました。
サイズは作ってみたかったのと収納スペースの関係で文庫サイズに。

一番最初の草稿といたしましては、半透明のトレーシングペーパーカバー、三方小口染、箔押しの予定にしておりました。
この本は元々、三方を銀で小口染し、表紙を宝石のような形で結婚指輪を見立てて作る予定でした。
(プロポーズの指輪のイメージですね)
ですが、銀の小口染は手にすごく付着するというご意見を拝見し……。
別の小口染にしようかと思っていた矢先に小口印刷を拝見し、印刷所様へ問い合わせたところ小口印刷はRGB印刷で基本的には手に付かないとのこと。

そしてトレーシングペーパーカバーが可愛いなと思っておりましたが、どうしてもページ数の都合上、この本は持っていただく時間が長くなることが想定されました。
しかしながらトレーシングペーパーカバーによる反り・折れの考慮に入れると踏み切れず、しかし半透明の感じは出したかったのです。
ですのでNTパイル紙という、紙ではなくてプラスチックをカバーに使用しております。
これにより格段に長時間の持ち運び・反り・折れの問題は解決したかなと思います。

表紙の紙はキラキラさせたかった……。
ページ数の問題上、140~分厚くとも160kgの表紙にしたかったのですが、お取り扱いがなく。
本文も62kgが良いとは存じておりましたが、同上の理由により一番薄い72kgに相成りました。
ですが、意外と開きにくいこともめくりにくいこともなかったような? 気がいたしますので、印刷所様がご助力下さったものと思います。
(あとは後述の組版いただいた余白の絶妙さ加減によるものと思います!)

実際の写真はこちら↓

〔デザインについて〕

この本の特徴は何と言ってもデザインの美しさ!
そして小口印刷の美しさ!
だと思っております。
(※私は何もしてません※)

デザイナー様の超絶技巧と、印刷所さまの超絶技術が合わさると素晴らしいものが出来上がるのだなと痛感しきりです。
いろいろな方にお褒めのお言葉をいただいたり、隣の(別のCPの方でした)サークル様にお話掛けいただいたり、芸術品のような仕上がりでございます。
表紙のデザインをお願いした時には、「推しの色が橙から紫なので、“朝焼け”と”夕暮れ”、始まりと終わりのイメージ」「光(ないし後光)」「(上記理由により)宝石」「プロポーズの花束(デザイナー様の神解釈により、カスミ草へ)」とお願いいたしました。
テザイナー様のご配慮により雲と海が足され、これぞ天と地、とむせび泣きました。

タイトル部分が箔になるように、そのタイトル部分が宝石を芯にしたお花を束ねるリボンにしてくださり、脱帽でございます。
言い当てて下さった方もおられましたが、私のイメージした宝石は、バイカラートルマリンでした。

今回初めてデザインカバーをお願いさせていただきましたが、素晴らしいものですね……。
どんどん形になっていく過程の楽しいことたのしいこと。
こんなところまで見せていただける!?
こんなことまでご相談下さる!?
と、あんなぼんやりとしたお願いだけで作り上げられていく芸術品に、モチベーションをいただいておりました。
しかも告知用の画像も多種ご用意下さって……至れり尽くせりです。
非常に贅沢な時間を頂戴いたしました。


全体図です。

〔組版のこと〕

こちらが実際作成していただいた章扉です。
一番のお気に入りです。
タイトルに合わせて、装飾を猫の尻尾のようにして下さったとのこと!
天才でいらっしゃる……。

そして【Assort】は、久しぶりに本を作る身として、組版に不安がございました。
昔本を作った時とは全く違う現状、そしてページ数。
迷うことなくプロにお願いいたしました。

そして大成功でしたことをお伝え申し上げます。

お願いいたしましたのは、「ともかくページ数を減らして欲しい」「でも可読性は損なわず」「綺麗めで」
(あとは装丁的な問題で、天地はみ出しはOK・小口はみ出しNGでしたが)
たったこれだけです!

だというのにあの解像度の高い章扉……。
そしてヘッダー装飾やページ番号なども、「クラシカルで可読性を損なわぬものを選びました」とのお言葉。天才ですね。天才でいらっしゃいます。
ぜひ納期とご予算に余裕があるのならば、組版をお願いするのも一つだと思います。
是非またお願いしたいものです。
自分の作品の二次創作を作っていただいている気持ちになります。

実際のイベントの設営の写真。

〔思い出話〕

・本文の幅が30mmを超える場合、小口印刷が出来るかどうか印刷所様内で審議になるとのことでした。
30mm以内に収まって良かったです。

・諸事情で2~3日で600P弱を読んで組版をお願いしている方へ修正点をお知らせして、修正して帰って来たものを読み返してまたお知らせして、を計3ターン繰り返すこととなり、旅行の移動中にも自分の原稿を読むこととなりました。
立派な眼精疲労になりました。

・到着した本が400gほどあり、厚みも32mmほどありました。
ので、準備していたブックカバーが入らない。
準備していたブックスタンドに乗らない。
代替えで写真立てに乗せてみたところ、写真立てが曲がり倒れる。
という珍事がイベント直前に起こりました。
こういうハプニングが起こるのもイベントという感じがいたしますね。
(実際設営の様子も、アイアンの写真立てにボードを挟んで見本を置いているのが分かります。本は入らず・ボードが無いと倒れるのですが苦肉の策でした)

・印刷所様からは「小口印刷部分が本文に滲み過ぎるかもしれない」とのことでしたが、確認しました分に関しましては遊び紙や奥付、中扉に滲みが少しある程度でした。
すごい技術です。

・後に別の印刷所様に同じくらいのページ数の見積もりをおねがいしましたところ、「全ていたしかねます」とのお返事を賜りました。
その節は印刷所様、誠にお世話になりました。


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