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断易占例:「兄弟喧嘩」

仲の良い兄弟であっても、人間同志。
相続問題などとなると、お家騒ぎや骨肉の争いなどという場合もあり
時に愛憎の念が甚しくもなるのが世の常です。

さて、今回は、「兄弟喧嘩」です。
依頼者は長男の人で、妹が一人、二人兄弟の間柄です。

それぞれ家庭をもち、自分の生活を独自に営んでおり、大人になってから互いに相手を気遣ってか、マメに連絡しあうほどの関係ではありませんでした。


今回、依頼者は母親を病気で失い、妹と接する機会が頻繁になります。
相続のことは、親の意向を汲んで互いにそれぞれ相手を思いやりながら整理がつきましたが、そのプロセスにおいて、どうしても兄妹であるが故の、双方それぞれが相手に対する個人的な感情のズレというものが出てくるのは致し方ないものもあり、積み重なっていたしこりはそう簡単には整理できるものではありません。

悪気はないにしても、互いに社会的経験の差や人生観の違いもあります。

兄としてはこれまでの生き方や人としてのありようなど
妹に対していくつか気づくことがあり
またこのままでは妹自身の夫婦関係や子供にも影響が出て来くるであろうと思えるような妹の態度について、

いわば相手への配慮のなさと自我の強さがどうしても目に余り、
他人を潰してしまうことになる言動がやけに気になっていたそうです。

そこで兄として、
余計なお世話になりますが
親を亡くした今
身内の者として
あたかも親代わりのようなつもりで
できればもっと人間的な深みをもって対処するような
何らかの形で人生における教訓を得て
今後の人生の生き方や態度などについて変化をもたらすような
成長を促せるきっかけができないものか

兄としての何らかの教育の責任を果たしたい思いもあったそうです。

当の本人である妹さんはそんなことは全く気にしておらず、目に入ってません。
自分は正しいという信念で生きています。

そんな中で、相続に関する伯母からのお願いに対応するやり取りで考え方の相違により、喪主である兄の考えを十分に組み入れぬまま妹さんは独自の判断で行動をし、そのことで揉めてしまいました。


兄としては妹のコミュニケーションのあり方と、
伯母に対する対処の方法とその配慮すべき内容について

妹さんが勝手に動いている割に事務的で誠実さに欠けていることを通し
これをきっかけに認識を変えたいと考えて妹の様子を見ていたそうです。

そんな中で、電話でひとつひとつ動機を正しながら
やり方について細かく問題点を指摘すると
お相手の妹さんは癇癪を起こし
兄に対して怒鳴り散らして一方的に電話を切ったとのこと

果たして、この後にこちらとして妹さんの態度など正したい点があるが
それを追求し仕掛けていくと互いの関係はどうなるのか?

兄弟関係にどのような展開がもたらされるのか
今後の兄弟関係を占って欲しいという依頼です。

子月癸巳日 午未空亡 得卦:地水師ー坎為水

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・用神は「兄弟」爻

・五爻の兄弟爻「亥」は旺相し、動いて世爻を剋している情を持つ

・同時に日冲かつ回頭剋となっており、自滅の様相を呈している

・対して兄自身を示す「世爻」は、休囚と雖も日併になって有気であり、かつ空亡で「空伏墓中に凶を避く」状態

・卦は同時に、之卦に「坎為水」と化している。六冲卦となり、これは相手の妹は分が悪いといえども、謝ってくる気配なく、互いに一歩も譲らず、しばらく疎遠になってしまうであろう

これは明らかに喪主である兄に分があることを示してはいるが、関係は悪化し、対立関係を回避する方法はほぼ見当たらない。

“確かに主張としてはお兄さまの言う通りで正論でしょうが、お相手の妹さんは自分で動いたことにケチをつけらえた感が強く、また強情なのでたとえ非が自分にあると思っても謝ることはせず、そのまま疎遠になることでしょう。”

やむなく以上のような占断を下しました。

兄は、それでも道理を通して、やることをやろうと決意した矢先、

妹さんからのメールが届き、自分は正しいことをしており、兄が何か勘違いしているとの主旨のツッコミどころ満載の内容を送ってきたようです。

その内容についての対案として、逐一問題点を指摘し、整理しながら妥当なあるべき判断と行動のあり方のメールを送ったそうです。


その後は占断の通り、3ヶ月経っても謝罪の言葉はおろか何の音沙汰もなく、あたかも自分は自己完結できているかのように態度を変えず、そのまま疎遠な状態が続いているとのことです。

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