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デザイナーがビジネスをつくる時代へ―顧客のビジネスを創り出す”新時代のデザイナー”とは

今回は当社の社員に、自身のキャリアとチャレンジについて話を聞いてみました。 

パンスールのビジネスデザイン部(通称BD)で働く水野俊也さん。現職に就くまでは長年グラフィックデザイナーとして活躍していました。デザイナーから第二のキャリアとして「ビジネスの創出」という新たなジャンルへ挑戦する水野さんに、「新時代のデザイナー」像についてお聞きしました。

PROFILE 水野俊也さん 
パンスール BD(ビジネスデザイン)部 課長
建築系専門学校卒業後、インテリアデザイナーの道へ。数年後、転職しグラフィックデザイナーに。その後寺嶋社長と出会い、パンスールへ入社。デザイン部門にて従事し、制作部統括責任者を経て現職へ。

時代に求められる「デザイナー像」の変化

──長年パンスールでグラフィックデザイナーとして活躍された水野さん。
新部署「ビジネスデザイン部」への大抜擢は驚きでした。どうしてジョブチェンジしようと思ったのですか?
 
ビジネスデザインとは文字通り、お客様の事業構造や仕組みをデザインすること、つまりビジネスを創り上げることです。
確かに、周囲から見ると全く異なるジャンルへの挑戦だと思われるかもしれませんが、実は僕の中ではジョブチェンジではなく、あくまでもデザイナーとしてのキャリアの延長線というか、「進化系」だと思っているんです。
 

──デザイナーの進化系、ですか。
 
寺嶋社長が「デザイナーはビジネス界において最強だ」とよく言いますよね。
ビジネスにおいて最も重要なことは「現象を起こす」こと。デザイナーはアイデアを形にして、人の感情に訴えることができる。それが人の心を動かして、人に行動を起こさせることができる。そういう意味では、デザイナーが経営目線を身に付けることができれば、ビジネスにおいてすごく重要なキーパーソンになれると思うんです。
 
実際に海外のトップ企業では経営層の中にデザイナーがいることが多いです。Instagram、YouTube、Pinterestといった名だたる企業も、会社の共同創業者にデザイナーがいます。
Accentureなどのコンサルや金融機関が、相次いでデザインファームを買収するという動きも活発ですよね。世界的に見ても、デザイナーの重要性は増しているんだと思います。
 

──では、デザイナーである限りこの先も安泰ですか?
 
残念ながら、そんなことはなさそうです・・・。
まず世間一般的にデザイナーといえば、視覚的におしゃれなものやかっこいいものを作ったり、情報をより分かりやすく、伝わりやすくするための仕事だと認識されていると思います。自分自身もグラフィックデザイナーとしてやりがいを持って楽しんで働いてきました。
 
ただ、近年急速に時代背景や市場が変わってきて、今までのやり方ではプロとしてお金をもらうにはお客様に満足していただけなくなってきたと実感していて。
 

──どんな風に市場が変わってきていますか?
 
簡単に情報が手に入るようになって、ある程度なら独学でデザインができる時代になったと思います。フリーランスで安くデザインを請け負う人もかなり増えてきましたね。世の中に安くてそれなりのデザインが溢れた結果、当然お客様自身の目も肥えるし、価格に対してもシビアになります。さらにはコロナの影響で多くの会社が広告予算を下げることになり、市場全体が価格競争になっている印象があります。
 
ただおしゃれなだけの「表層のデザイン」じゃ認めてもらえない。この新時代を生き抜くために、デザイナーとしてさらに何か付加価値を生まなければと思ったんです。
 

──付加価値を生むためにはどんな取り組みを?
 
改めて「お客様の課題」に向き合うことから始めました。デザインはあくまでも、課題を解決するための一つの手法です。僕はグラフィックデザイナーでしたが、目的を達成できるのならば媒体は何でもよくて。そのためにウェブデザインも経験しましたし、動画の勉強もしました。でももっと幅広い視点から、または根本的なところからアプローチしてみたいと思うようになって。
 

お客様の課題を解決したい
その究極系が「ビジネスデザイン」だった

──それで「ビジネスデザイン」に辿り着いたのですね。
 
はい。決算書を読んで企業の財務状況を把握して、事業の問題点をお客様と一緒になって洗い出す。市場についても深く理解していなければいけないし、何より「経営者目線」であることが大切です。
 

──今までのお仕事とは全然違いますね!
 
本当に勉強することが多くて日々大変です(笑)
でも、「アイデアで課題を解決する」という考え方はグラフィックデザイナー時代と変わらないんです。それに、洗い出した課題の解決のためにツールのデザインを行うことも多々あって、今までに培ってきたデザイン力が活きる場面がたくさんあります。
 
今までと比べて変わったことは、「パッケージを変えてもっと売れるようにしましょうよ!」という提案ではなく、「売れるためにはまず事業構造自体をこういう仕組みに変えましょう、さらにパッケージも変えてリニューアルを図りましょう」となったこと。よりお客様の悩みに深く寄り添える環境になってやりがいがあるし、自分が求めていた「新しい時代のデザイナー」像に近づいているような気がしています。


自分の限界を決めつけず
業務の幅を広げていきたい

──新たな領域へのチャレンジは勇気の要ることだったと思います。新しいことを学んだり吸収するためのコツはありますか?
 
もともと人一倍好奇心は旺盛で、グラフィックデザイナー時代も少しでも興味があることは仕事に直結しなくても調べる癖はつけていました。僕も最初からビジネスに強い関心があった訳ではなく、自分のキャリア形成の一環としてお金について独学で学び始めたことがきっかけで、経済や企業活動の仕組みに興味が出てきたんです。なので、自分と同じように「今よりももっと社会から求められるようになりたい」と思う方がいるならば、まずは自分の興味を広げていくことから始めると良いと思います。
 
自分もビジネスデザイナーとしてはまだまだできることも限られていますが、絶えずいろんなことに興味を持って勉強して、成長していきたいです。
 




今回は、グラフィックデザイナーからビジネスデザイナーへと領域を広げてチャレンジし続けるビジネスデザイン部の水野さんにお話を伺いました。次回は、BD部で取り組んだ事例についてご紹介します!
 
 
パンスールのビジネスデザイン部は、さまざまな企業様の【新規事業創出】や【事業再構築】のお手伝いをしています。詳しくは以下よりご覧ください。

https://www.penseur.co.jp/businessdesign/

 

文:岡内 楓(広報担当/編集者)

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