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【国語】大学入試問題集 柳生好之の現代文ポラリス

現代文評論の問題集選びは二つのポイントが重要

★「参考書図解の使い方と見方」がわからない方はこちらからご覧ください

★今回紹介する教材の全体図です

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さて、これまで紹介してきた数々の教材により評論の読み方と解き方をある程度確立することができました。ここからは実践を繰り返し、確実に方法論を定着させる段階に進みます。

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実践で大事なのは

①問題パターンごとに統一されたフローチャートで解かれていること
②ステップごとに考え方の十分な解説があること

です。この二点を満たしている問題集を選び、毎回同じやり方で解きながら、少しずつ解き方を修正していくのが、実践でやるべき学習です。ただこのポイントを満たす問題集がまあ少ない。多くの教材は

・同じタイプの問題なのに、統一された秩序なくダラダラ解説している
・答えまでたどり着く途中の思考ステップをすっ飛ばして答えを出す

と全く学習者の評論力をつけようという意思を感じられない問題集です。もちろんすでに十分に力がある人なら、こうした問題集を使用してもよいのですが。まだ実践を通して自分の方法を修正しブラッシュアップしなければならない段階の人にとっては、逆に作り上げてきた解き方がブレてしまう可能性があります。
従って、実践はいかに質の高い問題集を選ぶかが鍵となります。そこで今回ご紹介したい教材がこちらです。

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楽天ブックスより

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楽天ブックスより

本書は実践で大事な二つのポイントをともに満たしたレアな教材です。ありがたいことに、基礎レベルと標準レベルの2冊があるので、問題数としては十分量を経験することができます。著者はスタディサプリ現代文講師でもある柳生好之先生。スタディサプリでも人気を集めているようですね(そう考えるとスタディサプリは本当に良い先生を集めてる)。では詳しく見ていきましょう。

分類は応用問題型問題集ですね。

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特徴は二つ。
一つは「問題種類ごとの解法フローチャートを明確にしている」点です。解答解説では、パターンごとのフローチャートをシンプルに提示することから始まります。例えば傍線部内容説明問題であれば、

①文構造(文法、論理)を分析する
②その言葉だけでは何を言っているかわからない言葉(指示語、比喩後、個人言語)をチェックする
③解答の根拠となる文を探す
本書より引用

というフローチャートを示してから解説に入ります。そして本書に出てくる内容説明問題では全てこのフローチャートに沿って解くことになります。素晴らしいですね。現代文の勉強で大事なのは「正しい解き方で毎回同じように解く練習」です。それを実践し確認できる解説がついているのは、現代文の問題集として必須条件といえ、本書はその条件をばっちり満たしています。また、こうやってシンプルにまとめてくれていると、自分のやり方が合っているか再確認できます。

さらに実践で解き方を再確認ができるのは実力アップのチャンスです。そういった点でもやはりフローチャートが明確にされていることは重要ですね。

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もう一つは「フローチャートに沿ってステップごとに考え方を解説している」点です。これは一つ目の特徴とセットになることが多いので当然といえば当然なのですが。明確にされたフローチャートに沿って、段階ごとにきちんと考え方を解説してくれているのです。これをやっていない教材が意外と多い。答えまでたどり着く思考の流れをすっ飛ばす解説もあるんですよね。それじゃ本当に意味がない。

大事なのは答えではなく、答えまでたどり着く明確な思考ステップです。それも一般化されたフローチャートに沿った考え方でなければなりません。フローチャートに沿っていなければ、再現性は低くなりますからね。その点本書はきちんとフローチャートのステップごとに考え方を解説し、答えまで論理的に導いてくれます。

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この二つの特徴を備えている教材はなかなかありませんよ。素晴らしいですね。ただ一つ注意が必要。それは「勉強したての人は使わない方がよい」ことです。なぜならフローチャートも解説も初学者にとってはシンプルで不十分だからです。

本書はあくまで実践です。応用型問題集に分類されるように、ある程度自分の解き方を確立し、問題を解いた経験もある人向けです。従って、いくら基礎レベルの本であっても、自分の解き方が曖昧な人はお勧めできません。勉強には順番があります。最優先は読み方と解き方の確立。それを目的としているのであれば本書ではなく、これまでご紹介した本をやるべきです。その点はご注意を。


あとは実践あるのみ!

さて本書により、同じやり方で何度も解く実践を行うことができました。また実践を通して、改めて自分の解き方を確認し細かい修正を加えブラッシュアップすることができました。ここまできたらほとんど完成といえるでしょう。あとは実践あるのみ。

何度も言うように現代文問題集選びで重要なのは

①問題パターンごとに統一されたフローチャートで解かれていること
②ステップごとに考え方の十分な解説があること

の二点です。確かにこれらを満たす問題集は少ないですが、確実に存在はします。たとえ満たしていない問題集でも自分で二点を意識した学習ができれば、問題ありません。さあ、これからも自分のやり方で解いていき、より実力アップしていきましょう。
では🐧

一人でも多くの方にお役にたてたらと思い…ペンペン先生がんばります🐧