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NeverGrind Online ~インターネッツ黎明期からの刺客~

「誰も遊んだことがない20年前のゲーム」それがNGOこと"NeverGrind Online"です。
美麗なグラフィック、感動的なBGM、手に汗握る48時間くらいの壮大なストーリー、豪華声優陣…そういう要素への強いフォーカスはありません。PTを組む。敵を倒す。装備が落ちる。装備を更新する。また倒す。良品が落ちる。ガッツポーズする。それを毎日みんなでやる。そうした根源的な楽しさを突き詰めたダンジョンクローラー型のオンラインゲームです。
削ぎ落としただけなら懐古趣味になりかねませんが、そうではないからジワジワと売り上げ、有名配信者がテンション高めに乗り込んだりしているわけです。

キャラクタークリエイト

12種族、14クラスの組み合わせから選び、若干のボーナスステータスを割り振って名前をつけたら終了です。AIに描かせたというキャラ画像が種族・性別ごとに複数ありますが、機械学習故か絶妙に"ちょっとどっかで見たことある"感じの顔とかもあって笑顔になれます。

脳ミソまで筋肉でできてそうなバーバリアン

作成後に一切の変更・再振り直しなどができないのもあって種族とクラスの相性であったりボーナスの振り分けに悩む人を見かけますが、ほぼほぼ装備の補正で吹き飛ぶ程度の差なので、見た目で選んで問題ないと思います。種族によって選べるクラスが制限されているので、そこだけは注意です。オークのクレリックとかちょっと嫌ですしね。え、ご褒美?

唯一の拠点 Edenburg

NGOはいわゆるハイファンタジーに当たるので、拠点はそんな感じの村です。そしてこれが唯一の拠点になります。

毎時1000人の野蛮人が押しかける大都市Edenburg

ミッション開始地点の酒場、重装~軽装を扱うショップが3つ、スキル強化屋が1つ、銀行が1つ、ギルド受付が1つ。その中に鑑定やらインベントリの拡張といったダンジョンクローラーでおなじみの機能があります。

拠点については以上です。マジでこれ以外何も存在しません。基本はパーティーメンバーを集めてダンジョンを選ぶだけです。地味に朝夕夜で景観が変わったりしますが、1枚絵的な背景も↑の画像以外には存在しません。

現状は本当にあらゆる機能が最小限なため、チャットのチャンネル切り替え一つ取ってもコマンド式ですし、初めてログインしたらとりあえず何も考えずに「/help」打ち込んでコマンド一覧ざっと見る所からでいいんじゃないでしょうか。私はPT募集に"town1"に行こうとして"tonw1"に吸い込まれて「誰もいねぇ!」ってなることがあります。

/help で見れるコマンドヘルプの一部
Bob大活躍

日本語で会話もできますが…

巨大な注意点として、2022/07現在、日本で流行った影響で引くほど日本人がいますが、ここはグローバルサーバーです。というか国別サーバーなんてものは存在しません。プレイヤーの方もインターネッツ老人会の役員クラスや、日本語訳なんてものが存在しない北米サーバーMMOを生き抜いてきた古豪が多く、要するにチャット欄に飛び交うのは原則英語、それも略語です。PTに参加したければlfg、募集してる人はlfmですし、ちょっとお花摘みに行く人はbrbとか言っていなくなります。
とは言え、ぶっちゃけ大体日本人なんでPT組んだら「hi yorosiku」とかジャブ打って大丈夫そうなら普通に日本語会話になる世界でもあります。今後はわかりませんが。いずれにせよ、できるだけ英語で話そうという努力だけはしておいた方が相互に快適だとは思います。

なお日本人向けのDiscordサーバーというか、NGOの日本語訳に関わった人が運営してるやつがあるので、とりあえずそこ入ったりギルドに入って募集すれば、英語アレルギーで話そうとすると手が震える人でもある程度大丈夫だと思います。

ダンジョン

難易度と傾向

ノーマル、ヒロイックの難易度があります。ノーマルはソロ~少人数向け、ヒロイックは装備の整ったフルメンバー向けといった趣ですが、ぶっちゃけレベリングならノーマル、アイテム掘りならヒロイックという棲み分けになっています。中盤以降、適正レベルのノーマルソロはよほど装備がよくないと厳しいですし、適正レベルのヒロイックは装備と構成が整ったフルメンバーでないと相当厳しいバランスになっています。
確かに経験値効率だけならノーマルぐるぐるがいいんですが割と寝そうになるので、少しレベルを下げたヒロイックに挑むのもおすすめです。上位の難易度の方がドロップ品の品質が高くなり、2キャラ目以降のレベリングで俺TUEEEできるユニーク装備なんかが落ちるとテンションが上がります。ちなみにヒロイックは敵が強いというか同時出現数が3倍くらいになります。
なお、追々ナイトメア、ヘルといったさらに上位の難度も追加されるそうです。

酒場にいるNGOの受付嬢Gwendolyn
ここの「Tips」で基本的なゲームの仕組みも学べます

内部構造

入り口、通路、部屋。以上です。
通路には0~2程度の敵シンボルがあり触れると戦闘。部屋には雑魚戦、石像(有利なバフがかかる)、宝箱、スカ(何もない)、ボス戦があります。それらがランダム生成され、ひとつ先の部屋の中身は見えます。
移動はリーダーに一任され、移動中の他のメンバーはバフをかける以外はアイテム整理くらいしかやることがありません。
ダンジョンからの離脱はいつでも(ソロかリーダーなら)可能で「ちょっとヤベーとこに来ちゃったな」と感じたらさっさと戻りましょう。死ぬとペナルティで経験値がちょっと減ります。

戦闘

クラスごとのスキルをショートカットから使うスタンダードなオンラインRPGの戦闘から、移動による回避やエイミングといった要素を廃したごくシンプルな戦闘です。オンラインゲームなので最大5人のメンバーが各々のスキルで敵を叩き、ヘイトが一番高い人が狙われます。

あまりにも目と手に馴染む戦闘画面

実際のところ、この絵面このシンプル戦闘で、DPSだのヘイト管理だの気にする戦闘は誰もしたことなかったんじゃないでしょうか。もっとも、シンプルだから簡単かと言うと全然そんなことはありません。戦闘速度は意外と早く、敵の種別や「みんな誰を殴っているのか」といったことをバーの減りで見定め、どこから崩すか、タンクにヘイトを任せるのか1体は引き受けるのか…等々、PT編成や自分のスキル回し状況を含めて考えながら戦う必要があります。常に万全の構成になるわけでもないですし、各々装備の状況も異なるので、固定で組んだりしない限り毎回何かしら考える必要が出て飽きません。カジュアルに、でもしっかりとオンラインRPGしています。

数十秒~1分程度の細かい戦闘を小さいダンジョンで運が良ければ数回、大きなダンジョンで運が悪いと数十回繰り返してボスを撃破すれば晴れてクリアです。攻撃リソース(いわゆるMP、スタミナ)やバフの時間管理などはありますが、少なくともHPについては非戦闘中に爆速で回復するため、ヒールスキルを持たないクラスであっても戦闘ごとに逐一回復を待って~みたいな煩わしさはありません。攻撃リソースについても早い段階から装備で解消可能です。とにかく数を張り倒して装備を探すゲームの有様としては、とても正しいと思います。

そんなこんなで、時折出現するユニークモンスター(ボス級。下手したらボスより強い)に壊滅させられたり、ボスの大技で一気に減らされて全体回復したヒーラーのヘイトが剥がれず転がしたりしながら、レア報酬でウオオオオしてたのに間違って店売りしてアアアアアアアってなるところまで「オンラインRPGあるある」をギュッと濃縮還元したプレイ体験ができます。
※”買い戻し”機能はそのうち実装される予定

現状と今後の展望

サーバーの稼働状況

元より開発規模も運営想定規模も小さく、不意に人気が出たためサーバーが混雑して接続できない等の問題が出ていたことがニュースになっていました。2022/07にこれ書いてる現在、もちろん夜間のピークタイムは混雑しますが、サーバー分割や過負荷の原因特定などにより、サーバーダウンや再起動などが基本的に必要ないという程度には安定しているようです。アーリーアクセスとは言え2000円の買い切りタイトルで手は出しやすい部類ですし、サービス開始直後のMMOでよくあった接続できない問題が過ぎた今からは丁度遊びやすいかと思います。

大抵はサーバー1が過負荷で、他は概ね平和

開発体制とToDo

まず衝撃の事実なんですが、これ基本個人開発に限りなく近いタイトルです。Maelfyn氏(米国在住)と奥さん、あと子供さん(テストプレイヤー)に加えて犬がコアメンバーです。他に幾人かクレジットされている人もいますが、概ね翻訳者。しかもMaelfyn氏、フルタイム働いてる兼業クリエイターです。正気か?
現状は本当に骨子の部分だけで成り立っているスケルトンウォーリアー状態なので、肉付け作業はこれからとなります。やること・検討中リストなども公開されていますが、項目数が死ぬほど多くて死ぬかと思いました。割と売れていること、元々本人が専業クリエイターを目指していたこともあり、どうも近々退職する?ようですが、そうなってからが本番かなと思います。
余談ですが、Maelfyn氏(と奥さん)は元空軍で沖縄にいたりもしたそうで、CoCo壱番屋をこよなく愛していてロス状態という謎情報もあります。

ちなみに…

Maelfyn氏は先に紹介した日本人Discordに普通にいて会話に参加したりすることもあるのですが、Diabloの話をするなら2にしておいた方がいいと思います。繰り返しになりますが、NeverGrindOnlienは買い切りタイトルです。

Steam:NeverGrindOnline(2050円)

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