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20年ぶりに選んだクイーン12曲

来日公演を控え、QUEEN+アダム・ランバートの面々がいよいよ日本到着。自分も大阪+名古屋公演に行く予定なのだが、それに先立って日本橋高島屋で開催しているクイーン展JAPANへ行った。このヘッダーはネットの拾い物ぽく見えるが、入場口前を撮影したものである。きれいに撮れるもんだ。

過去の日本ツアーを中心とした展示で、会場には当時を知る女性たちかしら。若きフレディの映像を見つめる視線は穏やかで、彼女らが醸し出す優しさに包み込まれるようでした。って、何の話じゃ。
時間も忘れて展示品に見入っていたら「もう閉場しますけどっ」と怒り気味のスタッフ。時計を見ると、すわ、3時間半も夢中で見ていたことがわかった。修学旅行で連行された現代美術館を5分で出てきた私が。

そうこうしてすっかりモチベーションが上がったところで。
そういえば最近、日本企画の編集盤が発売された。ファンのアンケートで選ばれた12曲をコンピレーションしたものなのだが、さすが大勢の投票によって選ばれただけあり多彩な選曲だった。これはこれで楽しい。しかし、買っていない。音楽雑誌のレコード・コレクターズも、クイーンのベスト100曲を選ぶ企画を始めた。が、これも買っていない。

と、斜に構えているが、かくいう私も遡ること20数年前。こんなオリジナル・ベスト・セレクションを真剣に作っていた。当時爆発的に広まっていたMD。懐かしい。たしかカセットテープでも同じことをやっていた。男の子は生まれながらにしてDJなのである。

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そこで、20数年の時を経て自分の12曲を選んだ。素人が選んだのを見たところでぜんぜん面白くないのは百も承知だが、趣向の変遷を確認する良い機会と思って書き出した。

Brighton Rock
Killer Queen
You Take My Breath Away
You and I
We Will Rock You
We are the Champions
Dragon Attack
Flash
Hammer to Fall
One Vision
A Kind of Magic
These are The Days of Our Lives

Brighton Rock
はじめてクイーンを聴くよ、というときに流れてきたのがこの曲だった。聴き手が追い付けないほどにめくるめく展開。イギリスのロックは構成が自由であることを思い知らされた。
裏声を使って複数人が混在する歌詞世界を演じる、フレディの離れ業。さらに、数分にわたる津軽じょんがら節のようなギター・ソロ独擅場、遊園地のSEなど、クイーンらしいスリリングさがもっとも詰まった一曲。

Killer Queen
一寸の無駄もない完璧なアレンジ。ドラムロールからのトライアングルにト・キ・メ・キ。世界中の重鎮を手玉にとるコールガールを主題にするだけでも惚れ惚れするセンスだが、およそロックからかけ離れた洒脱なムードも満点星。とはいえただお洒落なのではなく、フレディの出自っぽい土くささを感じさせるところが一番のポイント。

You Take My Breath Away
前作の「オペラ座の夜(A Night at The Opera)」が大好評で、次作「華麗なるレース(A Day at The Race)」は予約だけでゴールド・ディスク獲得。ただ、名作の後は間延びした作品になりがちなのがロック・アルバムの常。本作もロックナンバーの冒頭から一転、超ダウナーな「You Take My Breath Away」に展開していくのだが、ここでしんどくなる人も結構いたんじゃないだろうか。
繊細なファルセットでフレディが歌い上げる、ストーカー的な執念深さに戦慄。わがままなアレンジを詰め込んだ結果、好転とも暗転とも危ういバランスを保った問題作。

You and I
ジョン・ディーコンの曲もひとつは入れたい、と思ったら、これか「夜の天使(Need Your Loving Tonight)」。ロッド・スチュワートが歌っても似合いそうな軽快なリズムで、フレディのボーカル・スタイルが次々と変わるのが面白い。

We Will Rock You
昔たくさん聴いたから選ばなくていいかと思いつつどうしても外せないのは、数あるシングルの中でも「伝説のチャンピオン(We Are The Champion)/We Will Rock You」が奇跡的なカップリングとして君臨しているからであった。7インチでド迫力なバスドラムと生々しいギターを体感したら、やはりこの曲を抜くことはできない。

We are The Champions
めちゃくちゃ重いドラムと、鉛のように曇ったギターの合わせ技がレトロな情緒を刺激する名曲。クイーンの歌詞には「Friend/Friends」がよく登場するが、甘ったるい歌詞もフレディが歌うと、言葉の観念に変革が起きる。

Dragon Attack
ギター、パーカッション、ベース全てが唸りまくる、珍しくファンキーな16ビート。私は昔ドラムを叩いてたのだが、こういうパーカッションスタイルのドラムセットには憧れがあった。ロジャーは押し引きの勘が絶妙で、ドラムが前に出るべきタイミングの感知がかなり優れていると思う。ドイツなどで出た12インチシングル「地獄へ道連れ(Another One Bites The Dust)」のB面では凄まじい轟音になっている。

Flash
好きな曲というより、愛おしいという感情が宿っておる。

Hammer to Fall
アルバム「ワークス(The Works)」以降はスタジアムでのライヴを意識したと思われる曲が幾つもあるが、このHammer to Fallの醸し出すノリは最高にかっこいい。難解な歌詞だが(核爆弾の脅威、みたいな内容らしい)、ブライアンの作詞のセンスは年を重ねるごとに磨き上げられている。地を這うようなギター・ソロも全曲の中で一番好み。

One Vision
4人最後のツアーとなった「マジック・ツアー」。そのオープニング・ナンバーにふさわしく、ブライアンの必殺ギター・リフだけで7万人超を沸かせるウェンブリー。4人の共作名義だけあって、メンバーそれぞれの見どころがドンドンと出てくる。ロジャーがアイデアを出したという歌詞も非常にポジティブだが、実はクイーンには下品な歌詞も多く、最後は男性器の隠語「フライドチキンをくれ!」で大団円へ。

A Kind of Magic
アルバム「A Kind of Magic」はクイーンの熟成期に完成したアルバムにも関わらず、あまり人気がない、と思う。「One Vision」「Pain is Close to Pleasure」「Who Wants to Live Forever」「Friends will Be Friends」と、良い曲が並んでいるのだが。そして、何よりロジャー作「A Kind of Magic」……これがクイーンで1,2を争うくらい好きかもしれない……(沈思)。彼らにしては珍しくドラムが前ノリ(だと思う)なので、肘を軽く畳んで腕でリズムを取るようにノッてみてほしい。どんなポーズや。「Under Pressure」同様にベースとドラムが肝になるが、魔法のようなブライアンのギターも最高。ロジャーはポップ路線に目覚めてからヒット曲を出しまくっている。

These are The Days of Our Lives
4人で作ったラストアルバム「イニュエンドウ(Innuendo)」収録。作詞作曲ともにロジャーだとされている。近年のライヴではフロントに出て、手持ち無沙汰にマイクを揺らしながら歌っている……。
自分の子どもをテーマにした曲だが、フレディがクイーンと歩んだ思い出に重ね合わせていく。フレディが立つのもやっとという重篤の中でPVが作られ、今はそのメイキングを見ることができる。まさに魂を削って完成させた、慈愛と郷愁に満ちた一曲。このとき、クイーンはほかのミュージシャンが到達しえない境地に立った。

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ウゴウゴッ
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プロ野球等のスポーツ、社会系、書評などの記事をネットメディア中心に掲載させていただいています。 noteは試行用として、いろいろな書き方をごちゃまぜにして出しています。