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#小説
短編小説『その日のコアラ』
目が覚めた時には遅かった。 あたりは一面火の海だった。どこにも逃げる場所があるとは思えなかった。
コアラのコビーはいつものように木の枝につかまって、ユーカリの葉を食べた後、うとうと眠っていた。
突然、同時多発的に起こった大規模な山火事。 何ヶ月にも渡って続いたこの山火事によって、多くの動物たちのいのち、人の命、住宅などが犠牲となった。 後に分かったことだが 5,000匹のコアラが犠牲になったと
シティポップが聴こえる
シティポップが好きだ。
あの洗練された、コンクリートジャングルに生きるスタイリッシュな大人たちを彷彿とさせる歌詞、そして小洒落たサウンドは、マルイのロゴマークを「オイオイ」だと信じて疑わなかった根っからの田舎者の心をむずと鷲掴み、瞬く間に大都会東京への憧憬を抱かせた。
もっとも、かく言う自分自身はまったくもってシティポップ世代ではない。シティポップ最盛期が八十年代だとして、僕が音楽に目覚