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【30日間note13日目】二度と逢うことのない親友との約束

こんばんは。みよよです。先日近くの公園に行ったら梅の花が咲いていました。もうすぐ卒業シーズンだなとふと思ったのです。

私のはっきりとした卒業の想い出は高校のみです。小学校は大嫌いだったので、卒業したというよりは「ずらかるぜ!あばよ」という感じで1mmも悲しくなかったし、中高一貫校だったので中学の卒業は形だけでした。大学もほぼ友達がいなかったので、全く悲しくなかった。

高校は楽しかったので、友達もまあまあいたし一生の付き合いが出来る人たちだった。色々な人と卒業式話した中で、1番心にしみたのが当時の親友の言葉でした。

親友のよっちゃん(※変えてます)とは同じ部活でした。中高一貫校だったので、出会ったのは中1の時。あまり話さない子だったので、最初はとっつきにくかったけど中2で同じクラスになって、意気投合。彼女とは話が尽きないのです。部活で話して、帰り道にマックで100円のソフトクリームをなめながら話して、ヴィレッジヴァンガードで立ち読みしながら話して、家帰ってからも電話で話して。女子校だったから恋愛もなく、暇だったのだと思います。そんな感じで一日中ずっと一緒でした。

高2になる前に、彼女は勉強がしたいからと言って部活を辞めました。このまま部活を続けたら私の進路が叶わなくなると言って。私はなぜかこの選択が許せませんでした。今まで一緒に頑張ってきた部活を辞めるというのが裏切りに思えたのです。謝る彼女を責め続け、大ゲンカしました。そして学校内で会っても一切話さなくなったのです。
本当に許せなかった私は、その分勉強して見返してやろうと心に決めました。部活以外の時間は全て勉強に充て、高1では下から数えたほうが早かった成績はあっという間に上位層に入る位になりました。

1年以上全く話さない期間が続き、びっくりすることに高3で同じクラスになりました。私はどうしていいかわからずもじもじ。でも彼女はニコニコしながら「みよよちゃん一緒のクラスだね。一緒に勉強がんばろう」と話しかけてくれました。
そして高3の1年間、勉強を今度は一緒に頑張りました。朝7時に待ち合わせして自習室で勉強。夕方はまた自習室で勉強しながらお互いにわからないことを教え合いました。模試の結果が出たら2人で見せ合い、お互いに分析し合いました。土曜は参考書を買いに下北沢へ。いいライバルとして、1年間一緒に走り続けました。目標とやることは変わったけど、部活を一緒に頑張っていた時のように。

結果2人とも第一希望の学校は受からず、第二志望の学校へ。同じ大学でしたが、学部が違うからこんなにもう会うことはないのだろうなと思いました。
冷たい雨がぽつぽつ降る卒業式。わたしは彼女にふと言いました。
「よっちゃん、結婚式はきてね。ウェディングドレスを着て、幸せな私を見に来てね。それで、旦那さんに私の高校時代の素敵なところを親友としてスピーチでアピールするの!」
「あはは。学校指定のセーター着ないで先生にとりあげられたこととか?」
「違うよーもっといいことだよ!」
「結婚式絶対行くよ。でもそんな遠い話ではなく、同じ大学なんだからさ。もっと普通に話そうよ」
「やったー大学に行っても話そうね」

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あれから15年結婚式を挙げることが決まった私が目にとめたのは、高校の卒業式でよっちゃんと一緒に撮った写真でした。2人とも嬉しそうに卒業証書を抱えてニコニコ映っている写真。

よっちゃんとは大学1年の時以来会っていません。平たく言うと音信不通になったのです。1度大学で会ったときは、すごく華やかそうな恰好をして、ノリのよさそうな人たちと一緒に歩いていました。一方私は大学に馴染めなくて俯きながら歩いていた。

きっと彼女の人生に私はいらなくなったんだと思います。もしかしたら高校の時からうっとおしいと思われていたのかもしれない。でもどうであれ、彼女が音信不通になったという事実は私を深く傷つけました。誰も信じられなくなったし、もう二度と友達はいらないと当時は思っていました。

けれど大人になって。私たちは一緒の時間を過ごしすぎたのかもね、と冷静に考えられるようになりました。一生分の濃密な青春時代に、あまりにもたくさんのことを共有しすぎたのだと。恋が一生続かないように、彼女との青春はきっと恋に近かったのだろう、友情というよりも

結婚式が終わった今、よっちゃんのことふと思い出しました。よっちゃん私結婚したよ。約束破ったと思っているでしょ?でもね、コロナで誰も呼べなかったから結果オーライなの。二度と逢うことはないかつての親友に私はいつかこの言葉を伝えたい。





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