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子ガモちゃんを観てたらTOEIC800点取りたくなった話

今年は結婚して初めてのゴールデンウィーク。忙しくなる予定だった。6月に控えている結婚式の準備をしたり、旦那さんとお互いの実家に行ったり、少し空いたら旅行に行きたいねと話していた。けどこのご時世の中、結婚式含め全て予定はなくなった。

楽しみにしていた予定が全てなくなり、わたしは抜け殻だった。家でぼーっとして、気持ちが沈んでたからか体調もイマイチだった。そんな中、旦那さんが気を使って「近くの池まで散歩に出かけようか」と声を掛けてくれた。

キュートな生物との出逢い

といってもカラスとカモと鯉とカメしかいない池の周りをぐるりと歩くだけ。つまんないなあとどんよりしつつ、いつもと変わり映えしない池をブラブラしてたら、いつもと違う風景が見えた。

カモが増えてる!!
お母さんカモの後ろを必死で列になってついていく子ガモちゃん達。フワフワで、お母さんの大きさよりも遥かに小さくて泳ぎ方もまだ慣れないからかぎこちない。ぷかぷか浮きながらお母さんに食らいついて行進していく。

「か、かわいい…!」
思わず池の橋の上で大きい声を出してしまった。ほどなくして散歩していた大人や子どもがワイワイ集まって、カモの親子の写真をたくさん撮っていた。てかいいのか、三密じゃないのかこれ。
でもそれくらい、みんなにとってホッコリした親子たちだったのだ。

カモの環境に対してのモヤモヤ

次の日わたしは旦那さんに言った。
「カモみたいよーカモー」
「はいはい、カモね。お散歩に行こうね」
池の橋の上でスタンバイしてたら、カモの親子たちは今度はかなり近づいてくれた。

嬉しい!今日は近づいてくれた!アイドルを観られたかのようにはしゃいでいたら、理由が分かった。

大人やら子どもやらたくさんの人がパンくずをこぞって投げ始めた。カモの親子たちはエサを待ち構えていたのだ。ちなみにこの池、「餌やり禁止」の看板が立っている。今のご時世単純に禁止された位で(しかも立て看板1つのみ)、誰かの行動を抑制出来るとは思えない。けれど、あたかも禁止されてないかのように自由にパンくずを投げる大人や子どもたちの姿を観て、なんとなく違和感を感じた。

「うーん、禁止されてるのになあ…でも僕達も、何でダメか分からないし、どう伝えていいかも悩みどころだね。せめて僕達はエサをやらないようにしようね」と旦那さんはポツリと言った。
我々の近所の人達、謎の積極性があり、一度知らない子どもたちから「一緒に餌あげようよ!」と誘われたことがあるのだ。もちろん丁重にお断りした。

家に帰って旦那さんと話してる中で、子がもちゃん達の環境について色々疑問点を洗い出してみた。

・そもそも餌やりがいけないのは何でだろう
・子がもちゃん達の環境はあれでよいのだろうか
・というかあの池に鯉とカモとカラスと亀しかいないのそもそもヤバくない?

餌やりがいけないのは、子がもちゃん達が自分でエサをとる能力がなくなるからだった。まあ予想通り。
けど、多分子どもは置いておきパンくずをやっていた大人の中でそれを知らない人だけしかいないという仮説は怪しい。頭の中で分かっていて、どこかで何とかなるだろうと思っている人はいるはず。
同時に単一生態系しかいない池について調べていたら、やはりあの池の生態系はとっくに破壊されているようだという夫婦の意見で一致した。
何となく見ていた池だけど、子がもちゃんと彼らを取り巻く環境に出会い、もっと知りたいという気持ちがむくむくと大きくなった。

子がもちゃん達にまつわる学びのスパイラル

Google検索で「カモ」と打ってもそこまでカモに特化したページはなく、物足りなかった。
そこで何となく、生物に詳しい本(しかも積読)から読むことにした。そこで読んだのが「サピエンス全史」

動物にとって、幸せな進化とは何か?という一節を読んで、まさにあの子がもちゃんかも!と感じた。エサをもらうのが幸せか、自分でエサをとれるのが幸せか。答えなんてないのかもしれない。
けれど、答えがないことだからもっと自分で考えてみたくて、サピエンス全史をあっという間に読み終わり、もっと知りたい!と作者のTEDを観た。そして、実際にオンライン授業も受けてみた。が

英語全然わからん!笑笑

なんといっても海外旅行にいっても「Thank you」か「pardon」しかほぼ言わないわたし。仕事で英語を使わないことをいいことに、「英語なんてなくても仕事できるわ」と豪語してたわたしに英語のオンライン授業なんて無理だったのだ。

けれど調べると生態学は海外の大学で他にもオンラインで学べるみたいだ。うーんもっと学んでみたい。

よし、英語勉強すっか!塾講師してた頃750点(ほぼまぐれ)とれてたから800点目指すぞ!

と気づいたら英語の勉強してた。そして英語勉強しながら、上にとりあげた英語の授業を聞きつつ、生態系の学びをもう少し知りたいと「スタディサプリ 三賢人の学問探究ノート」も読みつつ。
子がもちゃんが可愛くて気になるから、もう少し調べてみようと軽い気持ちが、わたしを飽くなき学びの世界に連れていってくれたのだ。

子がもちゃんにとって何がいいかは知らんけど、深く楽しんだ方が楽しくないかねと伝えたい

とはいえわたしはしがない池の近くの住民で、子がもちゃん可愛いーって写メをバシャバシャ撮ってしまう、平民だ。環境保護活動やってるわけでもないし、立派な大人をやれてるわけでもないとおもう。(いつも掃除が嫌で旦那さんにお尻たたかれてやっとやる)
だから偉そうに「カモに餌をやるなんて、知識が足りない!」とか「環境のこと考えてないのか!」なんて言えない。

けれど、エサをやっている子どもたちにもし何か声を掛けるとしたら、こう言うだろう。
「子がもちゃん達、見てない時はどんな暮らししてるんだろうねえ」

楽しみは長く深く持った方が人生楽しめる気がする。そのひとつの手段が「学び」だと思う。

子がもちゃん達にエサをあげるのだけを楽しみにしていれば、長くて2週間毎日やってれば飽きるだろう。そしてカモのことは、エサをあげなくなった時に忘れる。
しかも楽しいのはエサをあげてるその時だけ。カモに会えなければ楽しくない。

だけど、例えばカモってどんな生活をしているんだろうって調べたり、カモにまつわる話を読んだり、あるいは他の鳥を探してみたり。そんなふうに深く対象を知ることが出来たら、カモに会えない時間も楽しめるし、時間もあっという間に過ぎる。
そんな風に、興味があることだらけの人生になったらきっと楽しいんだろうな。

とはいえ、わたしは高校生のとき、世界史の試験前に一夜漬けをしようとしたら、ローマ帝国の哲学が気になってしまいひたすらそこの部分だけ単語帳を読みまくってたら一切テストに出ず、17点をとってしまった苦い記憶があるよ。たまには要領も考慮に入れて生きてみよう。

そして子どもたちと一緒でわたしも早く可愛い子がもちゃん達に会いたいなあと毎日がワクワクなのは変わらない。子がもちゃんという会いに行けるアイドルに会えるのを毎日楽しみにしつつ、子がもちゃんが繋いでくれた学びを大切にして、コロナの日々を楽しく学んで過ごしたい。


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